【世界史B】受験生に役立つヨーロッパの歴史(百年戦争とバラ戦争)【中世編第八回】

ヨーロッパの歴史【中世編】
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こんにちは。第15回目になりました「受験生に役立つヨーロッパの歴史」シリーズをはじめます。シリーズ第15回は封建社会の衰退期におきた百年戦争とバラ戦争についてとりあげます。どちらの戦争も、派手な名前ですよね。

 

今回の話、受験でそこそこ出てきます。しかも出題された時、知ってるけどなかなか詳しい話ができない、という人は多いのではないでしょうか?

 

事実、2018年明治大学商学部第5問の問題で、以下の問題が出題されています。

百年戦争について、3行以内で説明しなさい。(なお、解答欄は左右20センチの下線3行)

 

今回の話が丸々出てますよね。しかも記述。あとで模範解答も用意しますが、受験では百年戦争、バラ戦争ともに記述で問われる可能性がありますので、しっかりとした理解が必要です。それでは、スタートです。

 

今回の記事のポイント・十字軍の失敗で教皇・諸侯・騎士が没落し、国王やイタリア商人の力が強まった

・貨幣経済の浸透で農民の力が上がり、荘園制は崩壊した

・百年戦争の原因はフランス王位継承問題とフランドル地方の領有権問題

・イギリスでは13世紀から身分制議会が発達した

・百年戦争の敗北後、イギリスではバラ戦争が起き、テューダー朝が成立した

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封建制と教皇権の衰退

前回、「受験生に役立つヨーロッパの歴史その14(ローマ教会の歴史:絶頂衰退編)【世界史B】」で教皇の権限が衰退していった推移について詳しく話しました。今回は、まず教皇権の衰退の続きとヨーロッパの社会についてお話をしていきます。

 

十字軍に失敗し、その後に大分裂したローマ教会の力は弱まりました。貨幣経済が浸透すると、お金の力を背景に農民の一部が農奴から自由な農民へとレベルアップします。そして、14世紀にペストが大流行したことで人口が激減し、農民一人一人の価値が上がりました。

 

十字軍の失敗

(クラック・デ・シュヴァリエの再現図:wikiより)

7回に及んだ十字軍は、結局失敗しパレスチナにつくられた十字軍国家も滅亡しました。十字軍で多額の戦費を負担した諸侯や騎士は経済的に苦しくなります。十字軍を指導した教皇の権威も衰えました。「神」が命じたはずの遠征が失敗したからです。

 

そして、十字軍の勝ち組は国王イタリア商人たちでした。国内の諸侯や貴族が没落することで、国王の命令が行き届きやすくなり、イタリア商人たちは物資の輸送で利益を得たからです。

貨幣経済の浸透

産業が盛んになり、各地を人や物が移動するようになると、物々交換では不便です。そのため、中世の後半になると都市だけではなく農村でも貨幣を使うようになりました。

 

また、領主直営地が減り農民保有地が増え、賦役や貢納が貨幣地代に変わります。いいかえると、諸侯や騎士といった領主たちも貨幣が必要となったので、農民を領主直営地で働かせるより、農民に土地を貸して土地代をとったほうが得だと考えたということです。

14世紀の危機と荘園制の崩壊

(ペストの猛威:wikiより)

14世紀半ばを中心に、ヨーロッパでは黒死病(ペスト)が猛威を振るいました。全人口の3分の1が死んだともいわれます。生産力が激減し、物価が高騰します。すると、領主たちは貨幣地代より、農民たちを働かせて農作物を生産させた方が得になります。

 

領主たちのこの搾取を強める動きを、封建反動といいます。農民たちは、再び土地に縛り付けようとする領主と衝突します。各地で農民反乱が多発し、混乱の中、荘園制は崩壊していきました。例えば、フランスでのジャックリーの乱イギリスのワット=タイラーの乱などが有名です。

百年戦争とは(原因や結果なども)

(百年戦争:wikiより)

1339年から1453年までイギリスとフランスで百年戦争が起こります。フランス王位をめぐるイギリス王とフランス王の戦争でした。百年戦争で多くの諸侯・騎士が没落します。百年戦争後、フランスでは王権が強化され、イギリスはバラ戦争に突入しました。

 

それでは、百年戦争のお話をしていきましょう。そう、この戦争は、いざサクッと始まってしまいました。

百年戦争の語呂合わせいざ、さく1339)っと始まった百年戦争です。

 

百年戦争の原因

百年戦争の原因は二つあります。一つ目はフランス王位をめぐる争いです。フランスのカペー家が断絶した後、ヴァロワ家とイギリス王家のプランタジネット家のエドワード3世が「俺が、フランス王になる」と譲らず、戦争に突入しました。

 

もう一つの実質的な理由はフランドル地方です。現在のベルギーからフランス北部にまたがるフランドル地方は毛織物工業が盛んでした。この豊かな地域を得るため、イギリスとフランスが互いに争います。

百年戦争の経過

(クレシーの戦い:wikiより)

戦争序盤はイギリス軍が優位でした。1346年のクレシーの戦いイギリス軍が勝利。ポワティエの戦いではエドワード黒太子率いる長弓隊がフランス騎兵を撃破しました。

 

(ジャックリーの乱:wikiより)

1347年、ペストが大流行しイギリス・フランスともに大打撃を受けます。人、さよな(1347)ら、ペストで死亡、で覚えましょう。

ペスト流行の語呂合わせ人、さよな(1347)らペストで死亡。

そして、百年戦争のさなか、フランスではワット=タイラーの乱、イギリスではジャック=リーの乱が起きました。封建反動での農民反乱ですね。

 

(ジャンヌ=ダルク:wikiより)

1428年、イギリス軍はフランス王太子シャルルがたてこもるオルレアンを包囲します。この時、ジャンヌ=ダルクが現れてシャルルを救出しました。シャルルはフランス王シャルル7世として正式に即位。イギリス軍を追い詰めます。ジャンヌ=ダルクはイギリス軍につかまり、魔女として処刑されました。

百年戦争の結果

(シャルル7世:wikiより)

ジャンヌ=ダルクの登場後、戦局はフランス優位に傾きます。1453年、イギリス軍はカレーを除くフランス領から全面撤退します。百年戦争が終わりました。いよー降参(1453)です、百年戦争という形ですね。

百年戦争終結の語呂合わせいよー降参(1453)です、百年戦争

 

百年戦争後、フランスではシャルル7世のもとで王権が強化されました。一方、イギリスでは王位継承問題が発生し、バラ戦争に発展します。

百年戦争のまとめ(明治大学の解答)

世界の歴史マップより)

それでは、上述の明治大学の問題に対する模範答案を提示します。大まかに以下のことが書かれていたら正解です。

 

毛織物産地のフランドルの支配権を争う英仏は、フランス王位継承権をめぐりイギリス国王エドワード3世の大陸侵攻をきっかけに1339年100年戦争が開始した。結果、1453年にイギリスがカレーを除く大陸の所領を失い終結。以降、両国の中央集権化が進んだ。

イギリスの身分制議会とバラ戦争

(マグナ=カルタ:wikiより)

百年戦争の敗北でイギリス国内は動揺します。王位継承をめぐって争いが起きました。そこで、まず百年戦争より前のイギリスの議会についてみていきましょう。

 

イギリスでは百年戦争前から身分制議会が発達していました。1215年、ジョン王の失政に反対する貴族たちがジョン王にマグナ=カルタ(大憲章)を認めさせます。

 

兄のリチャード1世が獅子心王なんていうかっこいいあだ名をもらってましたけど、弟のジョンは「欠地王」なんていうあだ名でしたね。とにかく、王の力を制限するマグナ=カルタが発布されます。

 

1265年、ヘンリ3世がジョン王の認めた大憲章を無視したため、貴族のシモン=ド=モンフォールが反乱を起こします。シモン=ド=モンフォールは国王をとらえ、議会の開設を認めさせました。

 

1295年、エドワード1世のもとで聖職者と貴族・騎士・市民の代表者からなる身分制議会が開かれました。これを、模範議会といいます。

 

こうした、議会の力が強くなった状態で百年戦争が始まりました。しかし、上述したように百年戦争後は、最終的には王の力が強まるという話でしたね。バラ戦争は、百年戦争後のイギリス王家の権力闘争の話です。

バラ戦争

(バラ戦争:wikiより)

百年戦争終結後、ランカスター家ヨーク家がイギリス王位をめぐって争います。のちに、両家の紋章からこの戦争をバラ戦争といいました。

 

この内容についておすすめなのは、シェイクスピアの『リチャード3世』です。特にちくま書房から出ている「シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (ちくま文庫)」がおすすめ。この松岡訳は、蜷川幸雄監督の舞台「リチャード三世」のセリフの元にもなっているそうです。

 

戦いは30年以上続きます。その結果、ランカスター家の一門であるテューダー家出身ヘンリ7世がイギリス王として即位しました。これが、テューダー朝のはじまりです。

 

内乱に勝利してできたテューダー朝は王権が強く、エリザベス1世の時に絶対王政を確立させました。

今回のお話は以上です。ヨーロッパの社会と百年戦争、バラ戦争について述べました。次回は、いよいよ近代の大元、ルネサンスについて語っていきたいと思います。お楽しみに。

 

前回の記事「受験生に役立つヨーロッパの歴史その14(ローマ教会の歴史:絶頂衰退編)【世界史B】」も合わせて読んでくださいね。

いよいよ、次回は近代に入っていきます。「【世界史B】受験に役立つヨーロッパの歴史(ルネサンス)」を読んでみてください。

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