今回は英文法の不定詞とタフ構文について解説していきます。タフ構文ということばを聞いたことないよ、という人もいるかもしれません。しかし、タフ(tough)構文は入試問題頻出の構文です。苦手意識をもたずにここをおさえて得点UPを一緒にめざしましょう。
タフ(tough)構文で使われる決まった形容詞も一覧にしました。書き換えも超重要なのでその解説もします。記事の最後には演習問題も用意しましたので、理解を深める復習にチャレンジしてみてください!
今回の記事を読んだらわかること・英文法の不定詞 タフ構文がわかる
・タフ構文の注意点がわかる
・タフ構文の書き換えがわかる
不定詞 タフ構文とは
タフ構文を学ぶ前に、まずは不定詞のおさらいをしましょう。
不定詞は未来志向です。to不定詞のtoは前置詞のtoと同じく向かっていくイメージを持っているので未来に向かう時間的な方向を示しています。
「to +動詞の原形」が文の中で名詞・形容詞・副詞のはたらきをするものを不定詞(to不定詞)といいます。
くわしく復習したい人は過去記事「英文法の不定詞(不定詞の名詞・形容詞・副詞用法と否定の形)を例文を使って理解する【英文法】」を見直してみてくださいね。
タフ(tough)構文とは
タフ(tough)構文と呼ばれるこの構文は難易をあらわす形容詞の後に不定詞が続いて「~するには…だ」という意味をあらわします。本来はIt is形容詞+to不定詞+O(目的語)の変形で、この用法ではO(目的語)が主語になったことで不定詞の後にはO(目的語)を続けないのです。例文で早速確認しましょう。
・The problem is easy to solve.(その問題を解くのは簡単です。)
この例文ではto solveの後にO(目的語)がきません。ヘンなかたちなのです。The problem is easy to solve it.としたいところですが、itは置けません。なぜヘンなのか。形式主語のitをつかってほとんど同じ意味の文にしてみましょう。
→It is easy to solve the problem.
注意:difficultやeasy, dangerousなど難易や快・不快の形容詞は形式上の主語 It is~that…の形はとることはできません。過去記事の「It is~to構文は不定詞の名詞節!(it to構文とit that構文の違いや意味上の主語も解説 )【大学受験の英文法】」でも解説していますので興味がある人は見てください。
では、前置詞が使われる場合のタフ構文で例文を見てみましょう。
・The house is not pleasant to live in.(その家は住むのに快適ではありません。)
このように前置詞がついている不定詞が使われることがあります。その場合、主語が前置詞の目的語です。主語となっているThe houseをto live inの後に持ってくると分かりやすいです。
ポイント・タフ構文は難易や快・不快の形容詞を使うときに目的語が主語になった変わったカタチ。
・前置詞の必要な動詞の場合、to不定詞の後に入れるのを忘れずに!
タフ構文で使われる形容詞の一覧
タフ構文で使われる形容詞はある程度決まっています。名前の由来になったであろう形容詞tough(困難な)も含まれています。
試験でねらわれてしまうタフ構文を攻略するためにも覚えてしまいたいですね。
注意:impossibleは使えるのにpossibleは使えません。他にimportant(重要な)、necessary(必要な)も使えませんので注意です。
不定詞 タフ構文の意味上の主語
タフ構文で不定詞の意味上の主語を置くときは、通常の不定詞の意味上の主語同様<for+名詞・代名詞+to不定詞>であらわせます。例文で確認してみましょう。
→The problem is easy for me to solve.(その問題を解くのは私には簡単です。)
ポイントタフ構文も不定詞の意味上の主語を入れる場合はto不定詞の前に<for+名詞・代名詞>
不定詞 タフ構文の演習問題
今回勉強した不定詞 タフ構文の復習もかねて早速演習問題にチャレンジしましょう。
1から4問めまでは、問題の日本語の意味に合うように答えを選択肢から選んでください。6問め7問めはタフ構文からIt is+形容詞の文への置き換えられた文の問題です。解答と解説はチェックボックスを開いたらでてきます。早速チャレンジしてみましょう!
1. Haiku is hard ( ).(俳句は翻訳するのが難しいです。)
(ア)to translate (イ)translate (ウ)translate to(エ)in translate
タフ構文をIt is形容詞+to不定詞の文にしてみるとIt is hard to translate Haikuです。目的語のHaikuを主語にしますのでHaiku is hard to translate.となり(ア)to translateが正解です。
2. My teacher is easy to( ).(私の先生は話しやすいです。)
(ア) talk with(イ)take with(ウ)talk(エ)with talk
「人に話す」は<talk with+人>ですので、元々はto talk with my teacherでした。そのmy teacherがタフ構文のため主語になってしまいましたので、(ア) talk withが正解です。
3. This mechanical pencil is easy to ( ). (このシャープペンシルは書きやすいです。)
(ア)with write (イ)write (ウ)write in (エ)write with
まず「書く」という不定詞を作るのでto+動詞の原形でto writeです。「このシャープペンシルで書く」はwrite with this mechanical pencilです。タフ構文はit is形容詞の文の目的語が主語になったものなので、タフ構文をit is+形容詞の文にして考えてみるとIt is easy to write with this mechanical pencil.となります。目的語のthis mechanical pencilが主語に移動しますので前置詞が残され(エ)write with が正解です。
4.The problem is tough for me( ).(その問題は私が解決するのは難しいです。)
(ア)solve(イ)about solve(ウ)to solve(エ)with solve
it is形容詞文にしてみると、It is tough to solve for me the problem.です。タフ構文にするのに目的語のthe problemが主語となり移動するので(ウ)to solveが正解です。
5. This river is dangerous to ( )in August.(この川は8月に泳ぐのは危険です。)
(ア)swum(イ)swim it(ウ)swim in(エ)swimming
it is形容詞文にしてみると、It is dangerous to swim in this river in August.です。タフ構文にするのに目的語のthis riverが主語になり抜けてしまいますので前置詞が重なりますがinを省くことはできません。したがって(ウ)swim inが正解です。
6. This sofa is very comfortable to sit on.(このソファーは座るのにとても快適です。)
→It is very comfortable ( ).
(ア)this sofa to sit(イ)to sit on this sofa(ウ)this sofa to sit(エ)this sofa to sit on
sit onの前置詞で文が終わるのはタフ構文ならではです。本来は前置詞の後に目的語の名詞が入りますので(イ)to sit on this sofaが正解です。
7.( )の中には同じ語がはいります。
Italian is not difficult ( ) people to understand .(スペイン人にとってイタリア語を勉強するのは難しくないです。)
→It is not difficult ( ) people to understand Italian.
(ア)Italians(イ)with Spanish(ウ)for Spanish(エ)Spanish
不定詞の意味上の主語の問題です。タフ構文であってもit is+形容詞+to不定詞の文であっても意味上の主語はto不定詞の前に<for+名詞・代名詞>ですので(ウ)for Spanishが正解です。
まとめ
いかがでしたか。今回のタフ(tough)構文は特殊なかたちなので少しやっかいに感じたかもしれません。わからなくなってしまったら、一度it is 形容詞+to不定詞の文に戻して、前置詞や意味上の主語の位置を確認してからO(目的語)を主語にするため移動させるだけです。入試問題で出てくる可能性がある構文なのでしっかりおさえたいですね!演習問題で練習して他の人と差をつけてしまいましょう!
不定詞の基本が心配な人は「英文法の不定詞(不定詞の名詞・形容詞・副詞用法と否定の形)を例文を使って理解する【英文法】」に戻ってみてください。理解したらまたこの記事の演習で力をつけてくださいね。
より詳しく、問題演習をしたい人は「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」か「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」をご利用ください。
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