みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【三角比の相互関係】です。
前回、たかしくんの言うとおり「三角比は円の座標を表現する」ということから、三角比の相互関係を表す4つの式を導きました。
今回のゴールは、三角比の相互関係を表す式をつかう練習問題を解くことで、三角比の相互関係についての理解を定着させることです。
・三角比の相互関係のついての理解を定着させる
三角比の相互関係の復習
さて、今回は三角比の相互関係をつかった練習問題を解くわけですが、練習問題を解くに先立って、念のため復習しておきましょう。
もう大丈夫という人はいきなり練習問題に挑戦してもかまいません。
三角比の相互関係を考えるにあたって重要なことは「図を書くこと」でした。
なぜなら、「三角比は円の座標を表現する」からです。
わからない問題にぶつかったときは、まず図を書くようにしましょう。
それでもわからなければ、ここに戻って公式を確認しながら解きましょう。
すぐに答えを見るのではなく、できることをやることが大切です。
$$\cos^{2}\theta+\sin^{2}\theta=1$$
$$\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}$$
$$1+\tan^{2}\theta=\frac{1}{\cos^{2}\theta}$$
$$\frac{1}{\tan{2}\theta}+1=\frac{1}{\sin^{2}\theta}$$
※いずれも分母が0でない場合
$$\cos(\theta+\pi)=-\cos\theta$$
$$\sin(\theta+\pi)=-\sin\theta$$
$$tan(\theta+\pi)=\tan\theta$$
練習問題を解いてみよう
問題
①$0<\theta<\pi$において、$\cos\theta=\frac{1}{\sqrt{5}}$のとき、$\sin\theta$、$\tan\theta$の値を求めよう。(有理化はしなくてもよい。)
②$0<\theta<\pi$において、$\sin(\frac{\pi}{2}-\theta)=\frac{1}{2}$のとき、$\sin\theta$、$\cos\theta$、$\tan\theta$の値を求めよう。
③$\sin\theta+\cos\theta=\frac{1}{2}$のとき、$\sin\theta\cos\theta$の値を求めよう。
解答
①$0<\theta<\pi$において、$\cos\theta=\frac{1}{\sqrt{5}}$のとき、$\sin\theta$、$\tan\theta$の値を求めよう。(有理化はしなくてもよい。)
$\sin^{2}\theta=1-\frac{1}{5}=\frac{4}{5}$
$0<\theta<\pi$より、$\sin\theta>0$なので
$\sin\theta=\frac{2}{\sqrt{5}}$
$\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}$より、
$\tan\theta=\frac{\frac{2}{\sqrt{5}}}{\frac{1}{\sqrt{5}}}=2$
$\sin\theta=\frac{2}{\sqrt{5}}$, $\tan\theta=2$…(答)
②$0<\theta<\pi$において、$\sin(\frac{\pi}{2}-\theta)=\frac{1}{2}$のとき、$\sin\theta$、$\cos\theta$、$\tan\theta$の値を求めよう。
$\sin(\frac{\pi}{2}-\theta)=\frac{1}{2}$より
$\cos\theta=\frac{1}{2}$
$\sin\theta>0$なので、$\sin\theta=\frac{\sqrt{3}}{2}$
$\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}$より、$\tan\theta=\sqrt{3}$
$\sin\theta=\frac{\sqrt{3}}{2}$, $\cos\theta=\frac{1}{2}$, $\tan\theta=\sqrt{3}$…(答)
③$\sin\theta+\cos\theta=\frac{1}{2}$のとき、$\sin\theta\cos\theta$の値を求めよう。
両辺を2乗すると、
$sin^{2}+cos^{2}+2\sin\theta\cos\theta=\frac{1}{4}$
$sin^{2}+cos^{2}=1$より
$2\sin\theta\cos\theta=\frac{1}{4}-1$
$\sin\theta\cos\theta=-\frac{3}{8}$…(答)
今回のまとめ
今回は、三角比の相互関係をつかった問題を解説しました。
はじめのうちは公式を確認しながら解いていたかもしれませんが、もう確認しなくてもわかるようになったのではないでしょうか。
練習問題を繰り返し解くと、計算のスピードはもちろん、使うべき公式の選択もはやくなります。
これからもたくさん練習問題を解いていきましょう。
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今回もおつかれさまでした。
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