加法定理についてわかりやすく解説【受験に役立つ数学ⅡB】

みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【加法定理】です。

三角関数、覚えるべき式が多すぎる…。
たなかくん
たなかくん

三角関数で覚えなくてはならない式の多さに嘆いている人に朗報です!

今回勉強する加法定理が、覚えないといけない最後の公式になります。

これさえ覚えれば、これから勉強する「2倍角・半角の公式」や「和積の公式」を導くことができます。

今後の応用のためにも、加法定理をここできちんと理解しておきましょう。それでは、さっそく解説していきます。

この記事を15分で読んでできること・加法定理とは何かがわかる

・自分で実際に加法定理をつかって問題が解ける

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加法定理とは?

加法定理とは?について説明するより、公式を見た方がはやく理解できるでしょう。

いきなりですが、余弦の加法定理を確認しましょう。

余弦の加法定理

$$\cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta$$

$$\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta$$

なぜ突然そんな式ができるの?と困惑してしまった人もいるかもしれません。

 

実は、下の2つの図の「弦の大きさは等しい」ということから、余弦の加法定理を導くことができます。

 

計算の練習にもなりますので、ぜひ時間があるときに挑戦してみてください。

 

続いて、正弦の加法定理です。

正弦の加法定理

$$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$$

$$\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta$$

この式は、余弦の加法定理をつかうことで導くことができます。

$\sin(\alpha+\beta)=\cos{\frac{\pi}{2}-(\alpha+\beta)}$と置き換え、計算してみましょう。

最後に、正接の加法定理です。

この式は、余弦の加法定理と正弦の加法定理をつかうことで導くことができます。

正接の加法定理

$$\tan(\alpha+\beta)=\frac{\tan\alpha+\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}$$

$$\tan(\alpha-\beta)=\frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}$$

練習問題を解いてみよう

問題

$\theta$が75°のとき、$\sin\theta$、$\cos\theta$、$tan\theta$を求めましょう。

解答

$\theta$が75°のとき、$\sin\theta$、$\cos\theta$、$tan\theta$を求めましょう。

 

75°=45°+30°

$sin45°=\frac{1}{\sqrt{2}}$, $cos45°=\frac{1}{\sqrt{2}}$

$sin30°=\frac{1}{2}$, $cos30°=\frac{\sqrt{3}}{2}$

 

加法定理より、

$\cos(45°+30°)=\cos45°\cos30°-\sin45°\sin30°$

$=\frac{1}{\sqrt{2}}\frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{1}{\sqrt{2}}\frac{1}{2}$

$=\frac{\sqrt{3}-1}{2\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$

 

$\sin(45°+30°)=\sin45°\cos30°+\cos45°\sin30°$

$=\frac{1}{\sqrt{2}}\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{\sqrt{2}}\frac{1}{2}$

$=\frac{\sqrt{3}+1}{2\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}$

 

$\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}$より、

$\tan75°=\frac{\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}{\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}}$

$=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{\sqrt{6}-\sqrt{2}}=\frac{8+4\sqrt{3}}{4}$

$=2+\sqrt{3}$

 

$sin75°=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}$, $cos75°=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$, $tan75°=2+\sqrt{3}$…(答)

今回のまとめ

今回は、加法定理について解説しました。

これまで以上に覚えにくい式で、苦労している人も少なくないでしょう。

加法定理については、いろいろな語呂合わせがあります。そういったものも活用しながら、がんばって加法定理を覚えましょう。

これで三角関数で暗記すべき公式は勉強し終わったことになります。

本当におつかれさまでした。

これからはそれらの応用になります。ここまで積み上げた基礎を大切にがんばっていきましょう。

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