今回は「話す」を意味する、speak, say, tell, talk, mention の違いと使い分け方について徹底解説します。
日本語では「話す」という一言で済むのに、なぜこんなに種類があるのか?
ポイントは、「その話す行為は、どこに重点を置いているか?」です。
日常的な動作だからこそ、受験英語には必出です。だから間違えないようにマスターしたいですね。
百聞は一見にしかず。イラストと一緒に解説していきますね!
今回の記事を読んだらわかること
・「話す」関連の英単語の使い分け方
・自動詞と他動詞の違い
・直後に「人」が来るパターン、「話す内容」が来るパターン
「話す、言う」という意味の動詞
早速ですが、核心に迫ります。
speak, say, tell, talk, mentionの違いとは?それは「話す行為が、どこに重点を置いているか」。
すべて日本訳では「話す」「言う」と訳すことができますが、はっきりと使い分けなくてはなりません。
speak
![speakの意味](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/1-2.speak_.png?resize=660%2C400&ssl=1)
speak は【音声を発する】イメージです。
まだ言葉を話せない赤ちゃんも、「あー、うー」と声を発した時に、周りの大人は「あら、何かしゃべった。なあに?」と言ったりしますよね。
speak が発した音声は、誰宛てのものでも、どんなメッセージでもOKです。【音声の流れ】というイメージを持ってみましょう。
speak to~で、 「~さんに話す」という用法が可能ですが、それは一方通行のイメージで、相手との対話があろうがなかろうが構わないのです。
ちなみにspeakは基本的に自動詞で「〜に話す」と人の前にtoを用います。ただし、言語自体を話す場合には他動詞としてspeakの直後に言語を持ってくることができます。
つまり、speak Englishが他動詞でspeak to himが自動詞という形です。例文を見てできれば、例文を覚えましょう。
例文:
・She can speak seven languages.(彼女は7か国語を話すことができます。)
・I’m relieved I spoke to my mom.(母に言ったことで安心したよ。)
say
![sayの意味](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/1-3.say_-1.png?resize=660%2C400&ssl=1)
say は【ことば】に焦点が当たっています。
say の後には、「何が言われているか?」がはっきりと書いてあるハズ。
例文:
・I always say “Good morning” to the guard when I pass by the gate.
(私はその門の前を通り過ぎるときいつも警備員に「おはよう」と言う。)
・The clock says 3:00 PM.(時計は午後3時を告げている。)
・I always say “Good morning” to the guard when I pass by the gate.
(私はその門の前を通り過ぎるときいつも警備員に「おはよう」と言う。)
・The clock says 3:00 PM.(時計は午後3時を告げている。)
こんなふうに、say の主語は人間である必要はありません。面白いですね!
tell
![tellの意味](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/1-4.tellの意味.png?resize=660%2C400&ssl=1)
tell は【メッセージ】に焦点が当たっています。
これはsay よりももっと「情報を伝えること」に重きが置かれます。違いについて、詳しく後ほど説明しますね。
例文:
・He told his daughter that she had to lock the window when she went to bed.
(彼は娘に、寝るときは窓に鍵をかけなくてはいけないと話した。)
(彼は娘に、寝るときは窓に鍵をかけなくてはいけないと話した。)
・My sixth sense tells me not to go beyond that.
(その先に行ってはいけないと第六感が言っている。)
(その先に行ってはいけないと第六感が言っている。)
talk
![talkの意味](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/1-5.talk_.png?resize=660%2C400&ssl=1)
talk は【相手と対話すること】が一番大事です!
「コミュニケーションしている」ことが感じられる場面では、talk を使うのが最も適切でしょう。
例文:
・We talked about that issue last night.
(その問題について、僕らは昨晩話し合った。)
(その問題について、僕らは昨晩話し合った。)
・She wants to talk with [to] you.
(彼女は君と話したがっているよ。)
(彼女は君と話したがっているよ。)
talk は自動詞と他動詞の使い方がありますが、自動詞で使うときは「○○さんと話す」ならtalk with○○、またはtalk to ○○という前置詞をともないます。
mention
![mentionの意味](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/1-6.mention.png?resize=660%2C400&ssl=1)
mention は【話題に触れる、そのことについて何か言う】 というニュアンスです。
say は「そのことについて詳しく言う」のに対し 、mention のほうはもっとライトです。「なんかそれについてサラッと触れてる」くらいの軽さ。
twitterのメンション機能は知っていますか? アットマーク@付きで誰かのIDを入れると、その人について話題にしていることが当人にも通知されますね。
例文:
・Did he mention the party?(彼はパーティーについて何か言ってた?)
→No, I didn’t ask.(いや、特に聞いてないな。)
次に、混同しやすい単語の違いを明確に分けていきましょう!
tellとsayの違いと使い分け
tellとsayの意味の違いは、tell のほうが「とある情報を伝える」ニュアンスがより強いとお伝えしましたね。
さらに、文法の違いも見てみましょう。
自動詞と他動詞です。
ざっくり説明すると、
「自動詞は『…を』や『~に』がついていない和訳」(例:walk 歩く)
「他動詞は『…を』や『~に』という目的語が和訳に含まれる」(例:give ~に…を与える)
です。以下、例文で見てみましょう。
tell + 人 「~に伝える」
tell は他動詞として使われます。
「誰に伝える」「何を伝える」という意味をそれぞれ表す場合、tell の直後に目的語「誰」または「何」が入ります。
「誰に何を伝える」という意味を表す場合 間接目的語(人の目的語)+直接目的語(内容の目的語)の語順になります。
My father told me his adventures.(父は彼の冒険談を話してくれた。)
=My father told his adventures to me.
=My father told his adventures to me.
tell + 人 + about [of]~ という形も可能ですよ。
say to 人「~に言う」
say は自動詞、他動詞のどちらとしても使われます。
「誰に伝える」という意味を表す場合は、自動詞となり say to~ の形をとります。
He said to her that he loved her.(彼は彼女に愛してると言った。)
「何を伝える」という意味を表す場合は、他動詞となりsay の直後にthat節、または目的語を置くことができます。
He said that he loved her.(彼は彼女のことを愛してると言った。)
speakとtalkの違いと使い方
speak は「一方的なスピーチをする」イメージ,talk は「相手とコミュニケーションする」イメージ、という違いがあります。
それでは、文法的な違いは何でしょう?
実はどちらも、「誰に話す」を意味する場合は、to 人~の形となり、自動詞として使われます。
例文:
私はジョンに~だと話した。
I spoke to John that ~.(←ジョンに一方的にスピーチした感じ)
I talked to John that ~.(←ジョンに話しかけ、対話をした感じ)
ところが、【言語】を話したことになると、speak + 言語~ となり、speakは他動詞として使います。
I often speak Spanish when I call Nancy.(ナンシーに電話するときはよくスペイン語を話しちゃうんだよね。)
mention「~のことを言う、話題に触れる」
mentionも、「誰に言う」というように、人を目的語にとるときは、mention to 人 の形をとります。
しかし、「何について触れる」というように、話題が目的語になる場合は、他動詞となって直後に内容を持ってくることができます。
Don‘t mention it!(そのことについて触れるな!)
直後に人を入れることができる動詞・前置詞toを必要とする動詞
![直後に人を入れることができる動詞・前置詞toを必要とする動詞](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/2.直後に人を入れることができる動詞・前置詞toを必要とする動詞-.jpg?resize=660%2C400&ssl=1)
「tellとsayの違いと使い分け」の章で、直接目的語(direct object、O2)と間接目的語(indirect object、O1)のことに触れましたね。
直接目的語O2 は、その文の「答え」にあたる情報です。
間接目的語O1 は、「誰のために」「何に対して」を意味します。
次の第4文型(S V O1 O2)の例文で確認してみましょう。
![](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/第四文型.png?resize=660%2C400&ssl=1)
それでは、英単語の「話す、言う」のうち、間接目的語O1 をとることができるのはどれでしょうか?
表を作ってみました!
間接目的語O1をとるグループ | 前置詞toが必要なグループ |
tell | speak, mention, say, talk |
- I told you not to touch the Rose!(その薔薇には触るなと言ったのに!)
- The device said to her when to start.(装置は、いつ開始するかを彼女に告げた。)
- They were trying to talk toDick because of their fears.(彼らは恐怖心からディックと話そうとしていた。)
直後にthat節を続けることができる動詞
![直後にthat節を続けることができる動詞](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/08/3.直後にthat節を続けることができる動詞-.jpg?resize=660%2C400&ssl=1)
「言う、話す」の直後に登場する that節は直接目的語Oです。
つまり、第3文型(S V O)をつくれるかどうか、という問題です。学校のテスト対策として覚えておきましょう!
第3文型をつくるグループ |
say, talk, mention, tell |
- My father said that it was dangerous to go down near the stream.
(父は、沢の近くまで降りるのは危険だと言っていた。) - We talked that the American have some great heroes in their mind.
(僕らは、アメリカ人は心のうちに偉大なヒーローがいるよねという話をした。) - The device mentioned that your brother has arrived.
(その装置によれば、きみのお兄さんが到着した。)
speak は「音声を出す」ニュアンスを持つ単語なので、that節 を続けたいのなら他の単語を選ぶといいでしょう。
「言う、話す」についての練習問題
![練習問題](https://i0.wp.com/wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2020/02/14.png?resize=660%2C400&ssl=1)
それでは練習問題です。下記の穴埋め問題にチャレンジしてください!
(1)Never ( )( )me!(二度と私に話しかけないで!)
Never talk to me!(二度と私に話しかけないで!)
「話しかける」は対話、コミュニケーションの意味合いがありますね。このため「対話」のtalk が入ります。さらに、「誰に話す」のtalk には、前置詞to が必要です。
「話しかける」は対話、コミュニケーションの意味合いがありますね。このため「対話」のtalk が入ります。さらに、「誰に話す」のtalk には、前置詞to が必要です。
(2)To( ) the truth, she doesn’t like dog.(実を言うと、彼女は犬が好きではないのです。)
To tell the truth, she doesn’t like dog.(実を言うと、彼女は犬が好きではないのです。)
To tell the truth 「本当のことを言うと、実のことを言うと」は入試問題によく出るフレーズなので、暗記してしまいましょう!tell 「情報を伝える」は第3文型をつくれるので、直後に目的語を持ってくることができます。
To tell the truth 「本当のことを言うと、実のことを言うと」は入試問題によく出るフレーズなので、暗記してしまいましょう!tell 「情報を伝える」は第3文型をつくれるので、直後に目的語を持ってくることができます。
(3)It is ( ) that you can see his character by looking at his feet.(足元を見るとその人の性格がわかると言われています。)
It is said that you can see his character by looking at his feet.(足元を見るとその人の性格がわかると言われています。)
(4)I can ( )three languages. (僕は三か国語を話すことができる。)
I can speak three languages. (僕は三か国語を話すことができる。)
speak は主に自動詞として使いますが、「○○語を話す」の場合は、直後に目的語を持つ第3文型をつくれます。
speak は主に自動詞として使いますが、「○○語を話す」の場合は、直後に目的語を持つ第3文型をつくれます。
(5)That is worth ( ). (そのことは言っておく価値がある.)
That is worth mentioning. (そのことは言っておく価値がある.)
mentionには「話題に触れる、ちょっと言っておく」のニュアンスがあります。it is worth 動詞ing は「~する価値がある」というひとまとまりのフレーズです。
mentionには「話題に触れる、ちょっと言っておく」のニュアンスがあります。it is worth 動詞ing は「~する価値がある」というひとまとまりのフレーズです。
まとめ
いかがでしたか?
英語の「言う、話す」には様々な種類がありますが、それにはきちんとした使い分け方があるのでした。
自動詞と他動詞、文型による違いがあることも覚えておきましょう。
まずは、イラストと例文をあわせて記憶してみてください。
ニュアンスによる使い分けができるようになると、英語のネイティブにぐっと近づけますし、入試問題も難しくなくなります!頑張ってくださいね。
より詳しく、問題演習をしたい人は「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」か「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」をご利用ください。
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