日本の地質と歴史について(沖積層、盆地反転、付加体について解説)【地学】

みなさん、こんにちは。今回は【日本の地質と歴史】について講義します。具体的には、沖積層や盆地反転、付加体とはどのようなものか解説をするとともに試験に大事な用語についても解説します。

 

地学の勉強ではどちらかと言うとマイナー分野ではありますが、一般常識的に必須の知識です。私たちの住んでいる日本の国土の地質について、形成されたしくみや成分、歴史についてみていきましょう。

 

センター試験において【日本の地質と歴史】のテーマは2016年に出題されています。地質と国土形成のしくみを理解し、しっかり解答できるようにしておきましょう。

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日本の地質と歴史の出題の特徴とポイント

今回の日本の地質と歴史というテーマでは以下の4点を理解し、キーワードを含めしっかりと覚えておきましょう。

 

今回のテーマで押さえておきたいポイント・平野に堆積した地層(沖積層)

・盆地と山地が反転する(盆地反転)

・日本列島が海に沈んでいた時代(フォッサマグナ、珪藻質泥岩)

・日本列島の土台(付加体、変成岩)

[L1_wsbStart][L_wsbAvatar]https://wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2019/10/teacher.png[L_wsbName]S先生[L_wsbText]日本列島で現在は陸地のところでも、かつては海底だったところがあります。歴史をたどりながら解説しますね。[L_wsbEnd]

沖積層とは

日本の平野のほとんどは沖積層(ちゅうせきそう)という地層の構造になっていて、川沿いや海沿いに分布しています。沖積層とは、平野に堆積した層で、氷期終了後の最も新しい地層のことを言います。それでは、沖積層のでき方を見てみましょう。

沖積層のでき方

  1. 河期時代は現在よりも海水面が約100mも低く、現在海の底になっているところは陸地で谷や川になっていました。
  2. 氷河期が終わると海水面が上昇し、海中に浸かります。海底では谷になっているところに砂が溜まり始めます。
  3. 縄文時代の頃になると海水面は現在よりも約2m高くなります。つまり現在の陸地で海抜2m以内の地域は海水で覆われていたということですね。ここでは砂よりも粒子が小さい泥が溜まります。
  4. 約6000年前になると海水面は下がり始め、現在の海水位となります。

 

S先生
S先生

このような現象の流れで谷だったところは砂や泥の堆積で埋められ、地表が平野になりました。。

盆地反転とは

今から1500万年前から600万年前の間は東北地方は海の下にありました。その後、盆地反転により陸地となり現在の地形となりました。盆地反転とは、盆地が長い年月のうちに山になる、すなわち低かったはずの土地が周囲より高くなってしまうという現象を指します。

 

それでは、そのしくみを見てみましょう。

盆地反転が起きる順序

  1. 平らな地層があります。
  2. 地殻の運動で横方向に引っ張られると伸びることができず、断層が発生し片側が下がり盆地となります。
  3. 海に沈んだ後、断層の低い方に堆積物が多く積もります。
  4. やがて横方向に押される力、圧縮がかかると断層にそって盆地側が上昇してきます。
  5. 堆積層をのせたまま上昇が続くと、盆地だった場所が逆に高くなり山になります。

盆地反転によりできた山脈は日本各地で見られ、特に有名なのが北部フォッサマグナです。新潟県の糸魚川から静岡県にかけて形成している山脈は、かつて盆地だったところが横方向の力を受けて上昇しました。

日本列島の大部分が海に沈んでいた時代

氷河期が終わり海面が現在よりも高かった頃、特に大きく沈んでいたのが新潟県から長野県、山梨県にわたる地域で、フォッサマグナと呼ばれ、その堆積物の厚さは6000mを超えます。

 

この地区では深海堆積物が多くみられ、プランクトンの死骸が堆積してできる珪藻質泥岩(けいそうしつでいがん)があります。横方向からの圧力で起きた盆地反転で海底だったところが押し上げられ、山脈になりました。

付加体とは

日本列島は大陸プレートの上にあり、太平洋の海底には海洋プレートで覆われています。日本の太平洋側にある海溝ではこの二つのプレートがぶつかり合い、海洋プレートが大陸プレートに下に沈み込んでいきます。

 

その際、海溝に溜まった土砂などの堆積物ははぎ取られます。このはぎ取られた堆積物を付加体(ふかたい)といいます。

付加体のポイント

  • 日本列島はいくつもの時代の付加体が集積してできています。
  • 日本列島の地質は大陸側で古く、太平洋側で新しいものでできています。
  • プレートの沈み込みのさいにはぎ取られず、地中に入り込んだ堆積物は高い温度と圧力で変成岩になります。変成岩とは砂や泥などの堆積物が高温や高圧で別の岩石に変化したものをいいます。

ちなみに変成岩については「【地学】受験に役立つ地学(地殻の変動と変成岩)」に詳しく書いてますのでそちらも読んでください。

日本の地質と歴史のまとめ

用語をまとめますので、くりかえし読んで覚えましょう。また、試験直前の確認にも役立ててください。

 

沖積層:平野に形成された地層帯。谷があったところも土砂の堆積で平らになった。

盆地反転:堆積層がのった盆地に横方向の圧力がかかり押し上げられ、山脈ができる現象。フォッサマグナともいう。

珪藻質泥岩:プランクトンの死骸が堆積してできた岩石。

付加体:海洋プレートが大陸プレートの下に入り込む際に堆積物がはぎ取られたもの。

変成岩:砂や泥などの堆積物が高温や高圧で別の岩石に変化したもの。

 

以上、日本の地質と歴史についての講義でした。お疲れ様でした。より受験でまとめて地学を勉強したい人は下記テキストがおすすめです。よければ、一読してみてください。

 

前回の記事は「【地学】受験に役立つ地学(地層の形成と堆積岩)」でした。まだ読んでない方は是非ともお読みください。

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