体液の成分とその濃度調節をしっかり解説!関連入試問題も解ける【生物基礎】

生物基礎のテスト勉強をしているときにこんな疑問はないですか?

 

  • 体液の成分って何があるの?
  • 体液成分の濃度って決まっているの?
  • 体内液はどうやって調節されているの?

たなかくん
たなかくん

 

こんなお悩みを解決できるようにわかりやすく解説します。恒常性など専門用語も多いのでしっかりと覚えていきましょう。

 

最後に、知識のアウトプット用に関連する入試問題も用意しているので最後までしっかりと読んでください。

  • 本記事の内容体液の成分とは
  • 体液成分の濃度について
  • 体内の水分(体液)の調節役
  • 体液の調節のしくみ
  • 体液成分とその濃度に関する入試問題

 

ぜひ、参考にして下さいね。

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体液の成分とは

動物の細胞は体液によって囲まれていて、体液のことを内部環境といいます。ヒトなどの脊椎動物の体液は以下のものがあります。

 

  • 血液
  • 組織液
  • リンパ液

 

それぞれについて解説していきます。

血液

血液とは血液管内を流れる体液のことをいいます。血液は、有形成分の血球体液成分の血しょうから構成されています。

 

さらに血球には、赤血球白血球血小板があり、全て骨髄の結増感細胞から作られています。

 

組織液

組織液とは組織の細胞の間を満たす体液のことをいいます。組織液は血しょうが毛細血管から組織にしみ出たもの液です。

 

組織液は毛細血管に戻ると、血液になりますが、一部はリンパ管に入り、リンパ液になります。

リンパ液

リンパ液とはリンパ管内を流れる体液のことをいいます。リンパ液には、免疫に関係する働きを持つリンパ球が含まれています。

 

リンパ管の途中にはリンパ節があり、そこにはリンパ球が集まっています。

体液成分の濃度について

脊椎動物の体液は、外部環境が変化しても、体内の塩類濃度、pH、血糖濃度、酸素濃度などがほぼ一定に保たれています。

 

このように、体の内部の状態をに保とうとする性質を恒常性(ホメオスタシス)といいます。

 

動物は、体内でエネルギーを作るのに様々な化学反応が体内で起こっていますよね。

 

S先生
S先生
体内で起こる化学反応のことを代謝ともいうよ!

 

体内で起こる化学反応は、体液の濃度が一定の範囲内に保たれていないと、正常に行われなくなってしまいます。

 

化学反応を常に行い、生命活動のエネルギーを得るために、体液の濃度は一定に保つ仕組みが体の中に備わっています。

 

 

体内の水分(体液)の調節役

 

高校生物で押さえておきたい体液濃度の調節役は「腎臓」と「肝臓の二つです。動物は口から様々なものが流れ込んできます。

 

腎臓と肝臓についてより詳しくは「腎臓・肝臓の働きについて解説!関連する入試問題の解説つき【生物基礎】」を読んでください。

腎臓・肝臓の働きについて解説!関連する入試問題の解説つき【生物基礎】
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この中で、固形物は便、余分な水分や水溶性の物質は尿として体外に放出しながら、体内の水分は一定に保っています。

 

体の細胞は体液によって保護されて生きていますが、体液の濃度が少しでも変化すると細胞は生きていくことができません。

 

体内の水分(体液)は体重の約60%。このうち、$\frac{2}{3}$は細胞内にあり、残りの$\frac{1}{3}$は細胞外にあります。

 

腎臓と肝臓は、この$\frac{1}{3}$の細胞外液の量と組成を調節しています。

体液の調節のしくみ

肝臓と腎臓の体液の濃度の調節のしくみについて解説します。

 

腎臓の体液濃度調節のしくみ

腎臓の最も重要な働きは、尿の生成です。腎臓は尿の生成をすることによって、細胞外液の量や成分を一定に保っています。

 

腎臓のなかにある(腎単位)ネフロンと尿細管によって、体外に排泄される尿の成分量が決まります。

 

ネフロンの中にあるボーマンのうにろ過される原尿の量は、一日に約170リットルもあります。

 

しかし、この99%は再吸収されて、尿として排出されるのは1~2リットルだけ。再吸収する量はホルモンによって調節され、体外に出す水分や無機塩類の量が一定に保たれます。

 

S先生
S先生
一日に170リットルもの原尿量ができるのは、体液の濃度の調節幅を増やすためよ!

肝臓の体液濃度調節のしくみ

 

肝臓は血液中の糖濃度を調節する働きがあります。血液中の糖を血糖といい、ヒトの血糖はグルコースです。

 

血糖はあらゆる組織の細胞が働くのに必要な物質ですが、多すぎても細胞が正常に機能しなくなっていまいます。

 

なので、血糖濃度を一定に保つ必要があり、それが肝臓で行われています。血糖濃度が高いと、肝臓に来たグルコースはグリコーゲンに変えられて、肝細胞に蓄えられます

 

血糖濃度が低くなると、グリコーゲンを分解して血液中に分泌されていきます。このように、肝臓は生命活動を正常に行うために血糖濃度を一定に保っています。

体液の成分と濃度調節に関する入試問題

 

最後に、「体液成分とその濃度調節」に関する実際に出された入試問題の紹介と解答・解説します。

 

今回紹介する問題は、センター試験2016年生物基礎Ⅰの第2問の問1です。

体液成分と濃度調節に関する入試問題

 

問:組織液と組成(含んでいる物とその濃度)が近いものを選びなさい。

 

解答・解説

 

それでは解答・解説をしていきます。

 

血しょう」と「リンパ液

 

解説していきます。

 

今回の問題は、下の図の流れが理解できていると、答えを選ぶことができます。

 

 

血液中の液体成分である「血しょう」が、細胞間にしみ出てきたものが「組織液」です。

 

そして、「組織液」が回収されて、リンパ管に通っているものが「リンパ管」になります。

 

つまり、「血しょう」、「組織液」、「リンパ液」は通っている場所が違うだけで、大本の成分はすべて同じというわけですね。

 

細胞質基質は、細胞内の細胞膜と細胞小器官との間を満たしている液状部分のことをいいます。

 

S先生
S先生
細胞基質には様々な種類の酵素があり、化学反応が起こっています。

 

ちなみに、海水は塩濃度が2%~3%ぐらいです。

まとめ

というわけで以上です。今回は、「体液の成分とその濃度」について解説しました。

 

体液の種類は、「血液」「組織液」「リンパ液」がありましたね。

 

また、体液の濃度は一定に保たれていて、肝臓や腎臓などのさまざまな器官によって調節されていました。

 

今回紹介した「体液の成分と濃度」は意外と入試で問われやすいところでもあります。

 

出題されたときはばっちり答えられるようにしっかり押さえておきましょう。

 

もし忘れたら、またこの講義に戻ってきて、ぜひ今後の勉強に役立てて下さい。

 

今回も最後までありがとうございました。

 

より詳しく問題演習をしたい人は「《新入試対応》生物(生物基礎・生物)基礎問題精講 四訂版」がおすすめです。

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コメント

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