溶血について入試問題つきで詳しく解説します!【生物基礎】

生物の体内環境

この記事では、溶血現象について書いていきます。溶血現象はどのように起こるのかを詳しく解説していきます。

 

溶血現象には、浸透圧という現象が深く関わります。浸透圧は細胞生物学でも勉強します。

 

入試には、植物細胞と合わせて出てくることがあります。

 

しっかり押さえておきましょう。

 

この記事の最後には、演習問題があります。是非、最後まで目を通して、理解度を問題で確かめて見てください。

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溶血とは

 

〔数研出版 生物図録 より〕

 

血球を蒸留水にひたすと細胞膜が破れて、溶血が起こってしまいます。

 

なぜ、細胞膜が破れるかというと、細胞の内部の圧力が高まるからです。

 

これには浸透圧という現象が深く関わっています。

 

浸透圧

 

溶液のどの部分も通す膜を全透膜といいます。

 

 

それに対して、溶液のある部分は通すがある部分は通さない膜の性質を半透性といいます。

 

溶媒(溶かしている液体)のみが膜を通って移動し、高濃度側に偏ります。

 

この現象を浸透といいます。

 

 

水が溶液に浸透しようとする圧力を浸透圧といいます。

 

溶液を同じ高さにするために加えた重りによる圧力が溶液の浸透圧と同じになります。

 

〔数研出版 生物図録 より〕

浸透圧の比較

2つの溶液の浸透圧を比較するときは、等張・高張・低張という言葉を使います。

 

等張

2つの溶液の浸透圧が互いに等しいとき、両液は等張といいます。

 

高張・低張

2つの溶液の浸透圧を比べて、浸透圧の高い方を高張といいます。

 

浸透圧の低い方を低張といいます。

ヒトの赤血球と浸透

細胞膜は半透性を持ちます。

 

細胞をいろいろな濃度の溶液に入れると、水の出入りが起こります。

図と合わせてみていきましょう。

 

 

〔数研出版 生物図録 より〕

 

高等液にいれる(a)

細胞内外の浸透圧の差により、細胞から水が出ます。

 

そして細胞は収縮してしまいます。

等張液にいれる(b)

細胞に見かけ上水の出入りはなく、見た目は変わりません。

 

 低張液にいれる(c)

細胞の中に水が入り込み、細胞は膨れます。

極端な低張液にいれる(d)

 

細胞の中に水がたくさん入り、内部の圧力で細胞は破裂します。

 

赤血球でこのような状態を溶血といいます。

 

 

 

〔数研出版 生物図録 より〕

 

いろいろな濃度の溶液に赤血球を入れたときの浸透圧の変化と時間の関係をグラフで表すと上図のようになります。

 

溶血現象が起こると、細胞膜が破れて浸透が起こらなくなります。

 

だから、グラフは途中で途切れています。

 

生理食塩水

〔数研出版 生物図録 より〕

 

動物細胞では細胞と等張の液に入れないと細胞の形が収縮したり、破裂したりしてしまいます。

 

そのため、動物細胞と等張な液に入れておかなくてはいけません。

 

動物の細胞と等張な食塩水を生理食塩水といいます。

 

人では0.9%、カエルでは0.65%です。

 

〔数研出版 生物図録 より〕

 

食塩と各種の塩類を加えて体液の成分に近づけた溶液を、生理的塩類溶液(リンガー液など)といいます。

入試問題にチャレンジ

 

 

ヒトの赤血球を、(a)10%食塩水、(b)0.9%食塩水、(c)蒸留水とそれぞれ混和して10分

 

後に遠心機を用いて細胞成分と液体成分を分離した。液体成分中のカリウム濃度がもっとも高いのはどれか。記号を用いて答えるとともに、その理由を答えよ。

〔旺文社 生物 標準問題精講より 滋賀医大〕

 

蒸留水中では、赤血球の細胞膜が全て破裂して、細胞内のカリウムイオンはすべて液体成分中に出るから。

 

 

(a)細胞膜の面積を縮小しにくいので、金平糖状になります。
(b)哺乳類の体液と等張の食塩水なので、赤血球は元の形を保ちます。
(c)植物細胞と違い、細胞壁がないので溶血が起こります。
溶血が起こった結果、細胞膜が破裂してカリウムイオンが液体成分中に出ました。

 

まとめ

  •  赤血球に水が入り、内部の圧力で細胞が破裂することを溶血という。
  •  溶血が起こるのは、細胞膜が半透性という性質を持っているからである。
  •  溶血を避けるには生理食塩水に細胞をいれる必要がある。

 

 

 

 

 

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