ホルモンの調節について【生物基礎】

生物の体内環境

体内を維持するには、器官同士の連携が必要です。

 

情報を伝える仕組みは、神経による調節と、ホルモンによる調節、そして、神経とホルモンによる調節があります。

 

今回はホルモンによる調節について話します。

 

この記事では演習問題もついているので、最後まで読んで理解するために演習をしてみましょう!

 

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神経による調節とホルモンによる調節の違いは?

 

前回の神経による調節と、ホルモンによる調節との違いは何でしょうか。

 

神経による情報伝達の場合

 

神経細胞とシナプスでつながった細胞にだけ情報が伝わります。

 

必要なところに即座に情報が伝わるのが良いところです。

 

電話回線のように、必要なところにつながって効率が良いです。

 

しかし、回線が設備されていないところに情報を伝えるのが難しいです。

 

ホルモンによる情報伝達(内分泌系)

 

情報はホルモンなどを分泌物として血液を通して全身に送られます。

 

情報を受け取るのは、ホルモンに対応した特定の細胞だけです。

 

例えるならば、新聞の折込ちらしです。

 

広告の内容によってメッセージになる人もいれば、ならない人もいます。

 

ホルモンと受容体

 

分泌されたホルモンは血液によって全身に運ばれます。

 

ホルモンは特定の器官にだけ作用します。

 

ホルモンを受け取る細胞を標的細胞と言います。

 

 

 

標的細胞には特定のホルモンを受け取る受容体が存在します。

 

ホルモンが鍵で、ホルモンが嵌る鍵穴が受容体です。

 

細胞によって持っている鍵穴(受容体)が違い、ハマる鍵(ホルモン)が違います。

 

特定の相手にしか作用しないことを特異的と言います。

 

主な内分泌腺とホルモン

 

ホルモンが出るところを内分泌腺と言います。主な内分泌腺はホルモンとセットで覚えましょう。

 

  • 脳下垂体前葉:成長ホルモン、副甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン
  • 脳下垂体後葉:バソプレシン(腎臓での水分の再吸収促進)
  • 甲状腺:チロキシン(代謝の促進)
  • 副甲状腺:パラトルモン(血液中のカルシウムイオン濃度の調節)
  • すい臓ランゲルハンス島:インスリン(血糖量減少)グルカゴン(血糖量増加)
  • 副腎髄質:アドレナリン(血糖量増加)
  • 副腎皮質:糖質コルチコイド(血糖量の増加)
  • 鉱質コルチコイド:(腎臓でのナトリウムイオンの再吸収促進)

 

視床下部と脳下垂体

 

ホルモン分泌を調節するところで特に重要なのは、間脳にある脳下垂体とその下にある脳下垂体です。

 

 

刺激が間脳に伝わると、視床下部の神経分泌細胞が刺激されます。

 

そして、その細胞体で作られたホルモンが軸索の中を通って運ばれ、末端から分泌されます。

 

これには二つの通り道があります。

 

脳下垂体前葉

視床下部から脳下垂体前葉に働きかけるホルモンが分泌されると、ホルモンは血液によって前葉に運ばれます。

 

脳下垂体前葉の細胞がホルモンを受け取ると、脳下垂体前葉から適切な量のホルモンが分泌されます。

 

脳下垂体後葉

 

視床下部から後葉内の毛細血管まで、神経分泌細胞が伸びています。

 

神経分泌細胞はホルモンを分泌する細胞です。

 

フィードバック調節

 

ホルモンは作られすぎないように調整されています。

 

例えば、甲状腺から分泌されるチロキシンについて見ていきましょう。

 

甲状腺から分泌されるチロキシンの分泌は、脳下垂体前葉の支配を受けています。

 

脳下垂体前葉は、さらに視床下部の支配を受けています。

 

チロキシンの量が多すぎると、視床下部や脳下垂体前葉の働きは抑制されます。

 

そして、チロキシンの量が少なくなります。

 

逆に、チロキシンの濃度が少なくなると、視床下部や脳下垂体の働きが抑制されなくなります。

 

そして、チロキシンの分泌量は増えます。

 

このような調節をフィードバック調節と言います。

 

例えていうと自動車の生産工場で、末端の自動車の生産速度が早すぎる場合、その自動車が作られすぎているという報告があがります。

 

報告は末端から重役に伝えられて、生産指令を出すようなものです。

 

水分量の調節

水分量の調節は間脳視床下部と、バソプレシンというホルモンで主に行われています。

 

 

 水が失われた場合

 

体内の水分が不足して血圧が低下し、血液の濃度が上昇します。

 

血圧の低下と血液濃度の上昇は、間脳の視床下部で感知します。

 

血液濃度上昇

→視床下部で感知

→脳下垂体後葉でバソプレシン分泌促進

→腎臓の集合管からの水分再吸収促進

→尿量減少

→水分量増加

 

水が多すぎる場合

大量の水を飲むなどして、全血液量が増えると血圧が上がり、血液濃度が下がります。

 

血圧の上昇と血液濃度の低下は間脳視床下部で感知されます。

 

血液濃度が上がる

→視床下部で感知

→脳下垂体後葉

→バソプレシン分泌抑制

→腎臓の集合管からの水分再吸収抑制

→水分量減少

 

【入試問題にチャレンジ】

 

北海道大学の問題です。

ア 恒常性 イ 内分泌 ウ チロキシン エ 促進 オ バソプレシン カ 再吸収 キ ランゲルハンス島
(解説)恒常性とは体の環境を一定に保つ性質です。ホルモンは全身に運ばれますが、特定の標的器官にしか働きかけません。バソプレシンは、腎臓での水分の再吸収促進をするホルモンです。チロキシンは、代謝の促進を主にするホルモンです。

 

特定の標的器官や組織の細胞にだけ、そのホルモンと特異的に結合する受容体が存在する。ホルモンはその受容体と結合することでホルモンの作用を現すから。
特異的と受容体はキーワードなので書きましょう。

 

フィードバック調節
(解説)フィードバック調節は、ホルモンの量を調節する働きです。

 

 

 

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