先端技術産業について入試問題とともに解説【系統地理】

資源と産業

みなさんこんにちは。今回の記事では先端技術産業について解説していきたいと思います。

 

先端技術産業とは、その名のとおり最先端の技術を用いて工業製品などを生産する産業のこといい、ハイテク産業とも呼ばれています。この先端技術産業は、コンピューターの中枢である代表的なOSソフトを作ったMicrosoftやAppleなどを産み出したアメリカ合衆国が永らくの間けん引してきました。

 

今回はそのような先端技術産業について、盛んな地域や世界における状況、そして先端技術産業に関連した入試問題を解きながら地理における先端技術産業について学んでいきたいと思います。

 

この記事を読んで理解できること・先端技術産業の形態について理解できる

・先端技術産業の国際的な展開について理解できる

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先端技術産業の形態と盛んな地域

先端技術産業といっても様々な種類のものが存在しています。地理で取り扱う先端技術産業としては半導体産業(IC工業)とIT産業があります。日本においては次の地図に示す場所が先端技術産業で有名です。

半導体産業(IC工業)の形態と盛んな地域

半導体産業(IC工業)で生産されるICチップ

半導体産業(IC工業)とは、ICと呼ばれる集積回路を生産するための工業のことを指します。

 

半導体産業(IC工業)は、軽量で高付加価値であることから輸送コストを優先的に考慮する必要はないため、労働力指向型工業かつ高速道路沿いや空港近くなどアクセシビリティに優れた場所に位置する傾向にあります。

 

日本では東北地方(シリコンロード)九州地方(シリコンアイランド)が代表的な集積地として知られています。

IT産業の形態と盛んな地域

日本を代表するIT産業の集積地である東京・渋谷

IT産業とは、情報技術産業の総称です。主としてPCなどのハードウェア産業PCを動かすプログラムや日常生活におけるシステムなどを製作するソフトウェア産業に分けることができます。

 

IT産業は、パソコンなどのハードウェア産業の場合は集積指向型工業になるが、ソフトウェア産業に関しては労働力指向型工業になるのが特徴です。

 

日本ではハードウェア産業であれば長野・飯山(富士通・マウスコンピューターなど)や山形・米沢(NECなど)が、ソフトウェア産業であれば東京・渋谷(サイバーエージェント、GMOなど)が代表的な産業集積地として知られています。

先端技術産業の国際的な動向

先端技術産業は国際競争力が非常に高い産業の一つとして知られています。リード文でも示してきたように、永らくにわたって先端技術産業をけん引してきたのはアメリカ合衆国でした。

 

現在でも先端技術産業に必要不可欠なパソコンの心臓部にあたるOSはアメリカのマイクロソフト社やアップル社が手掛けています。アメリカは現在でもカリフォルニア州にあるシリコンバレーといった世界を代表する先端技術産業の集積地を有しています。

 

近年では、様々な国や地域が先端技術産業によって台頭しつつあります。

 

例えば、5G技術において圧倒的なシェアを保持しているHarwei社を有する中華人民共和国、AsusやAcer社を有する台湾、半導体では世界的なシェアを持つサムスン電子やSKグループなどを有する韓国、アメリカとの時差や公用語の英語、数学教育を活かして電話対応やソフトウェア開発の請負を行っているインドなど、先端技術産業によって豊かになった国も数多くあります。

IT産業と世界の情勢

パソコンの生産台数(2014年) 各種統計より

半導体メーカーの売上高(2017年)

一方で、日本においては根強いアナログ文化が残っていることや、ガラケーに代表されるように先端技術産業に関しては独自の進化を遂げてしまったことから、先端技術産業に関しては多国に比べて、ある面では独自性を保ち、ある面では非常に遅れているという状況にあることがうかがえます。

先端技術産業に関する入試問題について

先端技術産業に関する入試問題(大学入試センター試験)

それでは、先端技術産業に関する入試問題を実際に解いてみましょう。

これは、2018年度のセンター試験(本試験)で出題された問題です。

問題の解答及び解説

この問題では九州に先端技術産業の一つである半導体工業が立地した要因について問われています。問題文中で、東京圏に比べて人件費が安価であることを九州地方に半導体産業が集積する要因として解釈していることから、半導体産業が労働力指向であるということがうかがえます。よって、カは労働力指向型であることが理解できます。

 

一方で、半導体の生産工場が空港に近く、輸送の利便性が高い場所に立地していることや半導体が製品として軽量であるということを指摘しています。このことから、輸送時には利便性が重視され、かつ軽量であることから輸送費の割合が他産業に比べると小さいということが理解できます。よって、キは小さいとなります。

 

これらに当てはまる選択肢は④であることから、答えは④となります。

まとめ

ここまで、先端技術産業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか

 

ここでもう一度おさらいしておきましょう

先端技術産業の種類と形態
  • 半導体産業(IC工業)、IT産業を中心に様々な形態がある
半導体産業(IC工業)の形態
  • 半導体産業(IC工業)は、軽量で高付加価値であることから輸送コストを優先的に考慮する必要はないため、労働力指向型工業かつ高速道路沿いや空港近くなどアクセシビリティに優れた場所に位置する傾向にある
  • 日本では東北地方(シリコンロード)や九州地方(シリコンアイランド)が代表的な集積地
IT産業の形態
  • IT産業は、パソコンなどのハードウェア産業の場合は集積指向型工業になるが、ソフトウェア産業に関しては労働力指向型工業になる。
  • 日本ではハードウェア産業であれば長野・飯山や山形・米沢などが、ソフトウェア産業であれば東京・渋谷が代表的な産業集積地
先端技術産業の国際的な動向
  • 半導体産業(IC工業)においては米国とともに、韓国が台頭している
  • IT産業においてハードウェア、ソフトウェア産業ともに中国が台頭しつつあるが、近年の施策によって陰りが見えている
  • 地の利や言語、数学教育を活かしてインドが台頭している
  • 日本は独自の進化を遂げ、国際的には遅れ気味であるとも、あるいは独自性が強いともいえる状況にある

 

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