自然堤防とは?(バックマーシュ、三日月湖、河跡湖、天井川もわかりやすく解説)

みなさん、こんにちは!今回は地理の地形の範囲、自然堤防についてわかりやすく解説していこうと思います。

 

自然堤防と聞いて具体的なものがぱっと思い浮かぶ方は少ないのではないでしょうか。

 

自然堤防の範囲ですが、じつはとても試験に出題されやすいです。センター試験だけでなく、2次試験でも必須の項目です。地理の勉強をし、問題を解いていると絶対に出会うと言っても過言ではありません。

 

今回は自然堤防のほかに、自然堤防の付近で発生する出題頻度の高い、後背湿地(バックマーシュ)、三日月湖、河跡湖、天井川についても解説してきます。

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自然堤防とは

自然堤防とは簡単にいうと、「水の流れが運んだ土砂がたまってできた微高地」のことです。

 

では、その微高地がどんな時にできるのでしょうか。

 

それは主に洪水の時です。

 

洪水の時は川の水が多くなり、あふれてしまいます。その際にあふれ出た水は主流の水よりゆっくりと流れます。ゆっくりと流れるので、流れながら土砂まで運んでしまいます。そして川の両側に土砂が堆積します。そうしてできた微高地が「自然堤防」となるのです。

後背湿地(バックマーシュ)

(出典:Wikipedia)

自然堤防の後ろに広大な湿地が広がっているのが見えると思います。

 

この湿地が後背湿地です。別名をバックマーシュといいます。

 

後背湿地は、自然堤防の外側の低い場所にあふれた水がたまり、沼や湿地になったところです。

河跡湖(三日月湖)

 

(出典:新編地理資料集 とうほう出版)

自然堤防のすぐ横に小さな三日月形の湖ができているのが見えるでしょうか。

 

これを河跡湖、または三日月湖と呼びます。

 

河跡湖は川からあふれた水が屈曲して流れ、蛇行します。

 

そして、川の主流と切断されると三日月形の湖になるのです。

天井川

天井川川底が河川両側の平地面よりも高い河川のことを言います。

 

このような川は自然に形成されることってほぼないですよね。どのようにしてできたのでしょう。

 

まず、土砂がさかんに運搬される川は、簡単に川底が土砂で埋まってしまいます。川底がどんどん高くなっていくということです。

 

そうすると、大雨の時に洪水になりやすくなってしまいます。洪水を防ぐために堤防を高くしていきます。

これが何度も繰り返されてどんどん高くなり、天井川が形成されるのです。

自然堤防の土地利用

では自然堤防はどのように利用されているのでしょうか。少し考えてみてください。

 

先ほど解説したように、自然堤防は土砂がもととなって作られていましたよね。

 

砂は乾燥していますし、雨が降った後でも水を吸収し、すぐに乾燥します。

 

なので、米を栽培するのには不向きです。逆に、集落や畑、果樹園にはよく利用されます

後背湿地の土地利用

後背湿地は何に利用されているのでしょうか。

 

後背湿地は水が溜まって、沼や湿地になったのでしたね。

 

じめじめしているので、水田として利用されます。

自然堤防の地形図

(出典:新編地理資料集 とうほう出版)

これまで自然堤防について詳しく解説してきました。では、地形図が与えられたとき、どうやって自然堤防だと判断すればよいのでしょうか。そのポイントをお伝えしていきます。

 

上の地形図を見てください。

 

まずは曲がりくねっている河川がポイントです。

 

蛇行している河川は洪水になりやすいという特徴があります。

 

そして黄色で塗っている部分に畑の地図記号が書かれているのに気が付いたでしょうか。これもポイントです。黄色い部分は河川の周りですよね。ここが自然堤防です。

 

黄色い部分の外側に緑色で塗られた部分があります。水田の地図記号が見つけられたでしょうか。ここが後背湿地です。

 

今までの解説の通りに地図記号も書かれています。

 

また、赤と青で丸をされた三角点(等高線)がそれぞれあると思います。赤く囲まれたほうは5~6、青く囲まれたほうは4になっています。そして、赤く囲まれた点は自然堤防上に、青く囲まれた点は後背湿地上にあることに気が付いたでしょうか。

 

これは自然堤防のほうが後背湿地よりも高くなっていることを表しています。

 

このように地形図上には今までの知識が詰め込まれています。

まとめ

では、今回の範囲のおさらいをしましょう。

〇自然堤防:水流によって運ばれた土砂がたまってできた微高地のこと。集落、畑、果樹園に利用される。

〇後背湿地:自然堤防の外側の低いところに水が溜まってできた沼、湿地のこと。水田に利用される。

〇河跡湖(三日月湖):川からあふれた水が屈曲して流れた後にできた湖。三日月の形をしている。

〇天井川:川底が河川両側の平地面より高い河川のこと。

 

次に地形図をみて、自然堤防だと判断するポイントについて復習です。

①蛇行している河川がある

②河川のすぐ両側に畑、または果樹園の地図記号がある(自然堤防)

③②の外側に水田の地図記号がある(後背湿地)

④河川に近い部分(自然堤防)ほうが遠い部分(後背湿地)より三角点または等高線の値が高くなっている

 

今回の範囲は地形図から判断できるようになるまで、しっかり復習をしましょう。

得点につながるようになると思います。

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