みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。
今回のテーマは【三角比】です。
たかしくんのように、三角比と聞いて不安になる人も多いことでしょう。
というのも、「三角比(三角関数)」と「ベクトル」が高校数学の難関トップ2と言われることもあるくらいだからです。
こんなことを言って、みなさんを怯えさせようと思っているわけではありません。
逆に言えば、「三角比(三角関数)」「ベクトル」をきちんと理解することができれば、高校数学において向かうところ敵なしになれるということです。
今回は、三角比の基本の基本について、丁寧に解説していきます。
安心してついてきてくださいね。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・三角比の考え方に慣れる
そもそも三角比とは?
そもそも三角比とは、「直角三角形の辺の比」のことです。
これだけで理解できた人は素晴らしいですが、わからなくても何の問題もありません。
図を見てみましょう。
辺の比とは、$\frac{a}{c}$、$\frac{b}{c}$、$\frac{a}{b}$のことです。
三角比をむずかしそうと思ってしまうのは、$\sin$、$\cos$、$\tan$という謎の記号が出てくるからではないでしょうか?
この謎の記号たちは、辺の比を示しているにすぎません。
まず、$\sin$(サイン)です。
$\sin\theta$は$\frac{a}{c}$のことを指します。
続いて、$\cos$(コサイン)。
$\cos\theta$は$\frac{b}{c}$のことを指しています。
最後に、$\tan$(タンジェント)。
$\tan\theta$は$\frac{a}{b}$の値です。
ここで、三角比についてまとめておきましょう。
$$\sin\theta=\frac{a}{c}$$
$$\cos\theta=\frac{b}{c}$$
$$\tan\theta=\frac{a}{b}$$
三角比は円の座標を表現する
先ほど、三角比は「直角三角形の辺の比」であると説明しました。「それなのに円の座標??」と疑問に思う人も多いでしょう。
下の図を見てみましょう。
単位円の円周上に点Pをとりました。
点Pからx軸に垂線を下すと、△OHPという直角三角形ができましたね。
先ほど勉強した三角比を使うと、
$\sin\theta=\frac{PH}{OP}=\frac{q}{1}=q$
$\cos\theta=\frac{OH}{OP}=\frac{p}{1}=p$
となります。
よって、点Pの座標はP($\cos\theta$, $\sin\theta$)と表せます。
三角比は「直角三角形の辺の比」ということに加えて、「三角比は円の座標を表現する」ということも覚えておきましょう。
練習問題を解いてみよう
問題
$\theta=\frac{\pi}{4}$のとき、次の値を求めよう。
①$\sin\theta$ ②$\cos\theta$ ③$\tan\theta$
解答
$\theta=\frac{\pi}{4}$のとき、次の値を求めよう。
①$\sin\theta$ ②$\cos\theta$ ③$\tan\theta$
$\theta=\frac{\pi}{4}$の直角三角形は、次のように図示できます。
三平方の定理より、斜辺の長さは$\sqrt{2}x$
よって、
$\sin\theta=\frac{x}{\sqrt{2}x}=\frac{1}{\sqrt{2}}$…(答)
$\cos\theta=\frac{x}{\sqrt{2}x}=\frac{1}{\sqrt{2}}$…(答)
$\tan\theta=\frac{x}{x}=1$…(答)
※次の場合については暗記しておくのが良いでしょう。
$\theta=\frac{\pi}{4}$のとき、直角三角形の辺の比は$1:1:\sqrt{2}$
$\theta=\frac{\pi}{3}$もしくは$\frac{\pi}{6}$のとき、直角三角形の辺の比は$1:2:\sqrt{3}$
今回のまとめ
今回は、三角比について解説しました。
$\sin$、$\cos$、$\tan$というこれまでわからなかった記号が何を表すのかが理解できたのではないでしょうか。
どんな単元でもいえることですが、基本の基本を押さえておくことは重要です。
解けない問題にぶつかったときは、今回勉強した基本の基本、「三角比は直角三角形の辺の比を表す」「三角比は円の座標を表現する」を思い出しましょう。
今回もおつかれさまでした。
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