地理Bで出題される林業について解説!実際の入試問題にも挑戦

資源と産業

皆さんこんにちは!今回の記事では地理Bで出題される林業について解説したいと思います。しかし、地理で林業と聞いてもあまりぱっとしないかもしれません。中学校までの地理でも、林業について扱う項目はありましたが、なぜ地理で林業をやるのだろうと思った人は多いのではないでしょうか。

林業が対象とする森林は、水源の涵養(かんよう)や土壌侵食の防止、大気の浄化など多くの役割を果たしています。この役割を持った森林を管理し活用するのが林業です。

 

そのため、林業は地誌的な環境を左右する要素を持った、地理を理解・考察するうえで非常に重要な項目といえます。

 

この記事を通して、実は地理を理解するうえで重要な林業について理解し、地理全体をより理解できるようにしていきましょう!また、林業に関して関西学院大学の入試問題も用意しましたので実際に解いていきましょう。

 

この記事を読んで理解できること・地理における林業とは何かについて理解できる

・地理における林業の種類や関連する項目について理解できる

・林業に関する入試問題を解く

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地理で出題される林業について

林業とは、森林に入って木を伐採する、あるいは森林を管理することによって木材を生産するといったように森林を管理し活用する産業のことを指します。農業などと同様に第一次産業として扱われています。

 

森林は、林業の主目的である木材の生産にとどまらず、水源を涵養することや土壌の浸食を防止すること、光合成などを通して大気の浄化をするといったように、人々が生活する環境を維持するために必要な役割を多く有しています。これらを管理することもまた、林業の役割であるといえます。

林業の主要地域

林業が行われる地域は、林業の対象地である森林の植生が卓越している地域になります。そのため、熱帯・温帯・冷帯の気候帯に位置する地域で林業が主要となります。

 

林業が盛んな国(木材伐採量の多い国)としては、アメリカ、インド、中国、ブラジル、ロシアなど広大かつ森林の植生が卓越する地域に領土を持つ国が多くを占めます。

 

また、熱帯・温帯・冷帯では植生が異なることから、それぞれの地域で森林の形態も異なってきます。これらは熱帯であれば熱帯林、温帯であれば温帯林、冷帯であれば冷帯林(亜冷帯林)といったように区別してそれぞれを検討してく必要があります。

熱帯林について

熱帯林とは熱帯地方に発達している樹林のことで、常緑広葉樹からなる熱帯雨林、常緑広葉樹に落葉広葉樹が混じる熱帯モンスーン林、海岸沿岸部のマングローブ林などを指します。樹種が多く、密林となっているのが特徴です。

熱帯雨林の例(バリ島のジャングル)

Photo ACのフリー素材より

マングローブ林

Photo ACのフリー素材より

 

熱帯林で伐採される材木

熱帯林で伐採される材木は熱帯林に多い常緑広葉樹が中心です。有用材としてはホームセンターなどで日本でも手ごろな価格でよく売られているラワンや高級家具の木材として知られるチーク、マホガニーなどがあげられます。

 

材質が硬く加工しにくい硬木が多く、紙などの原料(パルプ)などには適していません。また選別に手間を要し、交通の未発達により搬出が困難であったことから、開発が遅れてきました。

 

発展途上国では、焼畑農業や燃料用の木材(薪炭財)としても伐採されています。

伐採される木材全体に占める用途割合

https://www.shinrin-ringyou.com/forest_world/seisan.php および 林野庁ホームページをもとに筆者作成

マホガニー材を用いて作られたインテリア

ドアなどが該当しています。

温帯林について

温帯林とは、熱帯林と冷帯林(亜寒帯林)との間に発達している樹林のことで、その樹種の構成は南北で異なります。南部では常緑広葉樹のうち照葉樹(シイ・カシ・ツバキ・チャノキなど)が多く、北部では落葉広葉樹(ブナ・ナラ)と針葉樹の混合林になっています。

 

また、現在では天然林はほとんど残っておらず、温帯林のほとんどは人工林であるというのも特徴です。

照葉樹の例(ツバキ)

葉っぱにテカリがあるのが照葉樹の特徴といえます。

Photo ACのフリー素材より

落葉広葉樹の例(ブナ)

紅葉する木は落葉広葉樹であると覚えておくといいかもしれません

Photo ACのフリー素材より

人工林の様子

整然と並ぶ様子が人工的に植樹されたことを物語っています

Photo ACのフリー素材より

冷帯林(亜寒帯林)

冷帯林(亜寒帯林)とは、冷帯(亜寒帯)に発達している樹林のことで、その樹種の構成は南北で異なります。

 

南部は温帯林の北部と同様に落葉広葉樹(ブナ・ナラ)と針葉樹の混合林から構成されており、北部ではエゾマツ、カラマツ、モミといった針葉樹による、タイガと呼ばれる純林になっています。純林が多く伐採・搬出が容易であることや市場に近いこと、パルプ材・建築材に適した軟木が多いことから、林業が盛んなのが特徴です。

タイガの様子

えくりさんによる写真ACからの写真 

日本の林業

日本の森林面積は国土の65%を占めています。しかしながら、日本の林業は衰退傾向が強く、木材も輸入に依存しているのが現状です。日本の林業の自給率は2018年時点で32.4%となっており、およそ7割弱を輸入木材に頼っています。

この理由として、日本の森林には私有林が多く、さらに保有する山林が10ha未満の小規模経営の林家が大半を占めている上に木材の伐採・搬出にかかるコストが高いことや、山村では過疎化がすすみ、林業従事者の高齢化と後継者不足が深刻であることが理由として挙げられます。

 

また、日本の森林は山地に位置する山地林が多く、林業を行うには危険を伴うことも後継者不足を助長させています。

入試に出題される林業について

林業については大学入試での出題頻度は低く、ここ数年間のセンター試験でも出題されていません。しかしながら、国立大学の2次試験(東京大学・東京都立大学・大阪大学など)や私立大学の一般入学試験(関西学院大学・上智大学など)でたまに出題されることがあり、勉強の有無によって得点差がついてしまうことがしばしばありました。

林業の出題された問題について

では、実際に出題された問題を見てみましょう

これは、2018年度に関西学院大学で出題された問題です。関西学院大学は地理で受験のできる数少ない私立大学の一つのため、地理を使う受験生にとってはこの問題を解けるかどうかで、合格に差がついた可能性が高いともいえます。

問題の解説及び解答

この問題では、国土面積に占める森林面積の割合・木材伐採高・木材伐採高に占める針葉樹の割合がデータとして示され、イギリス、イタリア、フランス、フィンランドに対応することが示されています。

 

ここで着目する点は針葉樹の割合です。針葉樹は温帯林の北部から冷帯林のエリアにかけて分布していることを学びましたね。ここで、それぞれの国家の位置を確認すると、北からフィンランド、イギリス、フランス、イタリアの順に位置していることが確認できます。

 

この中でも最も南に位置するイタリアは、その国土の大半が地中海性気候に位置しています。そのため、針葉樹があまり卓越していないことが推測できます。このため選択肢は針葉樹の割合が低いBかCに絞ることができます。

 

選択肢のbとcの差は、国土面積の差です。これは、国土面積に占める森林面積の割合が同一でありながら、木材伐採高に差が生じていることから理解できます。イタリアの国土面積はほかの選択肢、とくに国境を接し、同じ気候帯を持つフランスと比較すると狭いです。そのため、国土面積の狭いほうが、イタリアであるということが推測できます。

よって、この問題の解答はcとなります。

地理の林業についてのまとめ

ここまで地理の林業について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

林業には地域に応じて次の形態があることが理解できましたね

熱帯林

熱帯地方に発達している樹林。有用材としてはホームセンターなどで日本でも手ごろな価格でよく売られているラワンや高級家具の木材として知られるチーク、マホガニーなどがあげられる。

温帯林

熱帯林と冷帯林(亜寒帯林)との間に発達している樹林で、落葉樹と針葉樹が混合している。現在では天然林はほとんど残っておらず、温帯林のほとんどは人工林であることが特徴。

冷帯林(亜寒帯林)

南部は温帯林に類似するが、北部はエゾマツ、カラマツ、モミといった針葉樹による、タイガと呼ばれる純林。。純林が多く伐採・搬出が容易であることや市場に近いこと、パルプ材・建築材に適した軟木が多いことから、林業が盛んです。

 

また、日本の林業国土と比較して非常に高い割合の森林面積を有しながらも輸入に依存している状態にあることが理解できましたね。

 

林業は出題頻度も低いことから受験勉強では軽視してしまうかもしれません。しかしながら、世界の今後について考えていく上では林業は必要不可欠な教養といえるでしょう。そのため、しっかりと林業を理解するようにしてくださいね。

 

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