英語の時制の一致はパターンで覚える!仮定法の場合なども解説【大学受験の英文法】

英語の時制の一致は、文法問題では頻出です。特に受験英語では必ずと言っていいほど聞かれる問題です。日本語には馴染みのない考え方なので、つい苦手意識で身構えてしまいます。

 

ですが、英語の時制の一致は、実はパターンを覚えれば簡単にわかるようになれます。

 

時制の一致の問題って、ちょっと長めの文章で見ますよね。「主節と従属節」がある文章で聞かれます。

 

ということは、「主節の時間」と「従属節の時間」が「一致しているか?それとも、ズレているか?」ということだけを聞かれている問題だと分解して考えればいいわけです!

 

最大のポイントはパターン化すれば簡単に覚えられる」ということ

 

田中くん
田中くん

「主節の時間」と「従属節の時間」を理解できたら解けるということか!

なお、主節と従属節がどこにあるのかをさっと見ましょう。

 

Bob said (that) he was a member of the club.
主節         従属節

 

「節」とはS(主語)+V(動詞)が入った文のことです。

 

主節はメインの文(ハンバーガー)、従属節は主節に付属している文(フライドポテト)です。

 

主節と従属節の時制はどんな関係にあるか?を聞いてくる問題への立ち向かい方を覚えましょう!

S先生
S先生

よくある「主節と従属節」として、仮定法や間接話法が思いつきますね。

この記事では、時制の一致で覚えるべき「2パターン」と、時制の一致が起こらない「例外」についても理解を深められます。

 

さて、それではいよいよ本題に入りましょう!

間接疑問文のポイント・英語の時制の一致とは?基本のまとめ

・時制が「同時のケース」と「ズレてるケース」

・直接話法と間接話法

・【例外】時制が一致しない場合

・仮定法では時制の一致が起こらないの?

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英語の時制の一致とは?基本のまとめ

英語の時制の一致とは?基本のまとめ

英語の時制の一致とは何でしょうか?

 

基本は、「主節の動詞Vが過去形だったら、従属節の動詞Vも【それにひっぱられて】過去形になる」ということです。

 

時制の一致が起きている例文を見てみましょう。

 

I thought she was beautiful.(私は彼女が美しいと思った。)

 

主節の動詞think(考える)が過去形で、従属節の動詞is(である)も過去形ですね。

 

なぜ従属節が過去形にひっぱられるのかというと、主節の「私が思った」は「彼女の美しさが存在していた」時点とぴったり同じタイミングだからです。

 

さらにわかりやすく、主節と従属節を「パッケージ」として考えてみましょう。

 

ここにツナの缶詰があります(主節)。賞味期限は2020年1月1日と書いてあります。それでは、中に入っているツナの具材(従属節)の賞味期限はいつでしょうか?同じ2020年1月1日ですね。

 

時制の一致はこんなふうにパッケージのイメージで覚えてみましょう。

 

時制が「同時のケース」と「ズレてるケース」

時制が同時のケースとズレているケース

さて、それでは「時制の一致で覚えるべき『2パターン』」を解説していきます。

時制が一致しているパターン

主節と従属節の時制が一致するのは、従属節の中の動詞が、主節の動詞にひっぱられているときです。

 

You said you loved me! (あなたは私を好きだと言ってたじゃないの!)

過去形+過去形

 

She promised she would never leave me.(彼女は二度と私をはなしたりしないと約束してくれた。)

過去形+助動詞の過去形

●従属節の中に助動詞が入っていたら?

would, could, mightのように助動詞を過去形すればOKです。
ただしmust, ought to, should, used toのように「過去形がない」助動詞の場合は、
現在形のまま形を変えなくて大丈夫です。これは英語のほうがあきらめている感じですね。

ここで注意ポイント!

主節の動詞が過去形のときは時制の一致が起こりますが、主節の動詞が現在形・現在完了形・未来完了形のときは時制の一致は起こりません!

 

時制がズレているパターン

時制のズレとは、主節の動詞V(過去形)が起こったときよりも、従属節の動詞Vのほうが昔に起きていたということです。

 

まずは例文を見てみましょう。

I knew they had married.(私は彼らが結婚していたことを知っていた。)

過去形+過去完了形

 

これは、「私が知る」よりも以前に「彼らが結婚していた」からですね。時制がズレています。

時制がズレているパターンには、「①大過去」と「②過去完了」という2種類があります。

①大過去

I was so angry because he had lied to me.(彼が私にウソをついていたので、私は激怒した。)

 

It reminded me that the watch had been stolen.(私は時計が盗まれていたことを思い出した。)

②過去完了(=継続、完了、経験、結果)

Bob said Tom had never been to Tokyo till that time.(ボブは、トムはそれまで東京には行ったことがなかったんだって言ってたよ。)

 

She found him when the train had arrived at the station.(彼女は、電車がちょうど駅に到着した時に、彼の姿を見つけた。)

 

ただ、①の大過去と②の過去完了を見分けなさいというような問題はほとんどありませんので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

 

まずは例文を見て、「主節よりも従属節のほうが昔の出来事だ」ということを掴んでくださいね!

 

直接話法と間接話法

直接話法と間接話法

直接話法と間接話法では「時制」はどのように登場するのでしょうか?「トムは『僕は幸せだ』と言った」という例文で比較してみましょう。

直接話法:
Tom said “I am happy”. ←時制が一致していない

 

間接話法:
Tom said he was happy. ←時制が一致している

 

直接話法では、トムが話したことは ” ”(ダブルクォーテーションマーク。会話を表す括弧のこと)の中に、喋ったとおりの文章のまま入ります。

 

過去のある時点のことではありますが、トムが「幸せだ」と感じたのはその時点の出来事なので、”I am happy.”と現在形になっています。

 

一方で、間接話法は、「トムがこんなことを話していたよ」ということが、第三者の口から喋られています。

 

だから、従属節の主語もhe(3人称)になっていますね。主節のトムのsaidに、従属節のトムのbe happy がひっぱられています。間接話法では、「時制の一致」が起こるのです。

 

【例外】時制が一致しない場合

例外・時制が一致しないケース

英語の時制の一致は、ネイティブにとっては自然なルールです。文章を書く時には頻繁に登場します。
しかし、一方で、「そもそも時制の一致が起こらない」ケースというものもあります。
S先生
S先生

ここが一番入試で問われたりするのよね。

この章で確認してみましょう。

普遍的なこと・一般的な真理

The ancients didn’t know that the earth is spinning on its own.(昔の人は地球が自転していることを知らなかった。)

 

Emi told me that eight times two is sixteen.(エミが教えてくれたけど、8かける2は16だって。)

 

このように、時が経ってもかわらない真理については時制の一致は起こりません。

習慣・いつも変わらずやっていること

I thought my mother goes to a tennis school every monday.(母は毎週月曜日にテニススクールに通っていると思っていました。)

 

過去のある時点の出来事が、「しゃべっている今の時点でも変わらない」ときは時制を一致させなくて大丈夫です。「習慣」もそうですね。

歴史上の事実

We learned that Hirobumi Ito was the first Prime Minister of Japan.(私たちは、伊藤博文さんが初代内閣総理大臣だと習いました。)

 

従属節を見てください。過去形wasが入っていますね。

 

「歴史上の出来事は大過去だから、過去完了形になるはずでは?」と考えた人は素晴らしいです!理論としてはそのとおり。ですが、そうはなりません。

 

従属節の中に「歴史上の出来事」が入っている場合は、従属節の中の動詞Vは常に過去形になります。

 

これは「例外」として暗記しましょう!

仮定法では時制の一致が起こらないの?

仮定法では時制の一致が起こらない

仮定法も時制の一致が起こりません。

 

なぜなら、仮定法は現在を表すのに、すでに過去形だからです。さらに、過去形を表すのに、すでに過去完了形になっています。

 

となると、過去を表そうとした時「何でもかんでも過去完了形にしなくてはならなく」なりますよね。
本来の時制が現在形だったのか過去形だったのか、判別がつかなくなってしまうので、仮定法では主節と従属節の間に「時制の一致」がありません。

 

I hoped if I had more time, I would travel Italy.(もっと時間があれば、イタリアを旅していたのになぁ、と思ってました。)

練習問題

練習問題

それでは、練習問題です!以下の例文で、時制の一致に関する問題を解いてみてください。

 

(1)I [  ] that he [  ][  ]out on a journey to help his sister.(私は彼が、妹を助けるために旅に出たのだと思っていた。)

I thought that he had set out on a journey to help his sister.「私が思った」時点よりも前に「彼は旅に出ていた(set out on a journey)」より厳密にいえば、「私が思った」時点に向かって彼の旅は継続し続けてきた状態です。よって、これは時制のズレ。

 

(2)I witnessed the moment he [  ].(私は彼が飛んだ瞬間を目撃しました。)

I witnessed the moment he flew.
「私が目撃した」瞬間は、「彼が飛んだ」瞬間とまったく同じタイミングです。よって、時制が一致しますね。

 

(3)I heard where she [  ] that she [  ][  ] why the sun [  ] from the east.(彼女が太陽が東から登る理由がわからないと言ったところを聞いてしまった。)

I heard where she said that she didn’t understand why the sun climb from the east.
「私が聞いた」と「彼女が言った」のは同時タイミング。一方で、「太陽が東から昇る」のはどの時代でもかわらない普遍の事実です。

 

(4)If it [  ], I [  ] [  ] her out on a date!(もし雪が降ってたら、彼女を誘ってデートに出かけてるのに!)

If it snowed, I would asked her out on a date!仮定法なので、時制の縛りを受けません。通常の仮定法でいいです。

 

(5)Did you remember when Jun [  ] here?(淳がいつここに引っ越し来たか覚えてた?)

Did you remember when Jun moved here?「淳がここの場所に引っ越した」タイミングを覚えていたか、と聞いていますね。時制が一致します。

英語の時制の一致まとめ

時制の一致の勉強はこれで以上です!

 

「主節の時間」と「従属節の時間」が「一致しているか?それとも、ズレているか?」がわかれば解ける問題だ、ということが判明しましたね。

 

仮定法では時制の一致が起こらないこと、また、例外となるケースがあるということについても、例文を見ながらしっかり理解していきましょうね。ちなみに仮定法の記事は「【仮定法過去】高校英語の仮定法とは?英文法の仮定法過去を例文とともに解説」を読んでください。

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