放物運動の公式を使って計算問題を解こう!【物理基礎】

重力による運動
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みなさん、こんにちは。物理基礎のコーナーです。今回は【放物運動】についてです。今回は、放物運動についてそのれが何か説明した上で、放物運動の公式の復習や計算方法の確認をし、放物運動の問題について理解を深めていきたいと思います。

 

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放物運動とは?放物運動の公式を明らかにする

放物運動とは、物を投げたときの物体の運動のことです。放物運動をする物体の軌跡は2次曲線を描きます。2次曲線のことを「放物線」というのはこのためです。

 

それでは、放物運動はどのような条件で我々の生活に使用されているのか、放物運動を理解することが我々の日常とどう関係があるかを見た上で、放物運動の公式について解説していきます

放物運動とは

放物運動となる条件は「常に同じ加速度が加わっていること」です。言い換えれば「一定の力が加わってること」が条件となります。

 

地球上では位置や時刻に依存しないほぼ一定の力、「重力」が働いているため、物体が地面を離れて、地面から受ける垂直抗力が無くなると、物体に働く力は「重力」のみとなり、放物運動となります。

 

地球上で物を投げるとき、理屈の上ではすべての物体が放物線を描くのですが、実際には空気抵抗が存在するため、表面積が大きく、質量の小さな物体ほど放物運動から離れていきます。

 

ティッシュをそのまま投げると手から離れた瞬間から急激に減速しますが、丸めると空気抵抗が小さくなって放物運動に近い挙動となるので、離れたところからでもゴミ箱に入れやすくなります (お行儀が悪いので、ゴミ箱の近くに行って捨てましょう)。

 

他にもバドミントンのシャトルや卓球のピンポン玉などは (表面積) / (質量) が大きいので、空気抵抗の影響を受けやすく、回転を掛けることで軌道を変えることができます。

 

一方のバスケットボールなどは (表面積) / (質量) が小さいので、ボールを投げればほぼ放物運動になっています。空気抵抗の影響はほとんど受けないので、ボールに思い通りの軌道を描かせることができ、上手な人ならば離れたところからでもスリーポイントシュートを決めることができます。

 

空気抵抗の存在する場合のボールの運動を考えるためには「微分方程式」という難しい方程式を解かなければいけないので、高校数学では扱われません。

 

高校数学のすべての放物運動の問題は「空気抵抗」を考えずに解きます。ただし、「自由落下」のような1軸上の運動ならば微分方程式を使わなくても解けるので、高校数学でも扱われます。

放物運動の公式

放物運動を考えるときには必ず最初に行うべきことがあります。それは「速度の分解」です。

 

2次元的な運動を考えるとき、鉛直方向と水平方向に速度を分解して、それぞれを別々に考えることで、放物運動は格段に考えやすくなります。

 

速度の分解には、三角比を用います。

速度の分解 (三角比の活用)

 

(初速度 $\overrightarrow{v_0}$、$\overrightarrow{v_0}$と地面のなす角 $\theta$)

 

 

上図のように

  • 鉛直方向の速さは $v_0 \sin{\theta}$
  • 水平方向の速さは $v_0 \cos{\theta}$

となります。

 

鉛直方向には下向きの加速度を有する等加速度直線運動となり、水平方向には加速度は生じず、等速直線運動となります。

 

鉛直方向の運動について

まず、 鉛直方向の運動について考えます。

 

鉛直方向には鉛直下向きに重力加速度 $g$が働いているとすると、時刻 $t$における鉛直方向の速度 $v_\rm{y}$は、鉛直上向きを正として

 

$$v_{\rm{y}} = v_0 \sin{\theta} -gt $$

 

と表せます。よって、時刻 $t_1$における鉛直方向の位置 (高さ) $y$は

 

\begin{eqnarray} y &=& \int_0^t v_{\rm{y}} dt’ \\ &=& v_0 t \sin{\theta} -gt^2 /2 \end{eqnarray}

 

鉛直方向の運動は物体の鉛直投げ上げと同じ挙動を示します。物体の鉛直投げ上げについて上の式では積分を使っておりますが、鉛直投げ上げについては積分を使わずとも解くことができます。

 

下の記事では積分を使わずに解説しているので、積分が良くわからない方は是非「【物理基礎】等加速度運動とは何か?(公式だけでなくグラフ、平均速度、瞬間速度なども解説)」を参考にしてください。

水平方向の運動について

次に、水平方向の運動について考えます。水平方向には加速度が生じず、時刻に依存せず速度は一定です。

 

$$v_{\rm{x}} = v_0 \cos{\theta}$$

 

よって、時刻 $t$における水平方向の位置は

\begin{eqnarray} x &=& \int_0^t v_{\rm{x}} dt’ \\ &=& v_0 t \cos{\theta} \end{eqnarray}

 

以上まとめます。

放物運動の公式

 

初速度 $\overrightarrow{v_0}$、$\overrightarrow{v_0}$と地面のなす角 $\theta$、重力加速度 $\overrightarrow{g}$のとき、

\begin{eqnarray} \rm{鉛直方向} &\;& \\ \rm{速さ:} &\;& v_{\rm{y}} = v_0 \sin{\theta} -gt \\ \rm{位置:} &\;& y = v_0 t \sin{\theta} -gt^2 /2 \rm{ } &\;& \rm{ } &\;& \rm{ } &\;& \\ \rm{水平方向} &\;& \\ \rm{速さ:} &\;& v_{\rm{x}} = v_0 \cos{\theta} \\ \rm{位置:} &\;& x = v_0 t \cos{\theta} \end{eqnarray}

放物運動について計算をしてみよう

ここでは放物運動の公式を使い方に慣れるため、物体が元の位置に戻ってくるまでの時間を計算してみたいと思います。

 

物体が元の高さに戻ってくるまでの時間を求める方法はたくさんありますが、今回は計算練習ということで、敢えて位置についての公式を用いて計算してみましょう。

 

時刻 $t$における鉛直方向の位置 (高さ)は、先ほど述べた公式から、$y = v_0 t \sin{\theta} -gt^2 /2$ なので、これが $0$となるときの時刻が元の高さに戻ってくる時刻です。よって、以下の方程式を解くことで、元の高さに戻ってくる時刻を求めることができます。

 

\begin{eqnarray} v_0 t \sin{\theta} -gt^2 /2 &=& 0 \\ t \left( v_0 \sin{\theta} – gt /2 \right) &=& 0 \\ t &=& 2 v_0 \sin{\theta} / g \;\;\; (\because t>0) \end{eqnarray}

 

物体を鉛直上向きに投げ上げ、元の高さに戻ってくる時間を求める方法は他にも、「元の高さに戻ってくるときの速度」を使う方法と、「頂上に達するまでの時間を求めて、2倍する」方法があります。

 

問題の目的に合わせて、使い分けることを意識しましょう。

放物運動の問題を解いてみよう

では、最後に以下の練習問題を解いてみましょう。

例題下図のように、崖の上からゴルフボールを打球し、対岸にボールを届かせたい。ボールの打点から対岸までの鉛直方向の距離は $H$、対岸までの水平方向の距離は $L$である。打球の際、仰角 $45^{\circ}$、初速 $v_0$で左右にブレなく正確にボールを打ち出せる場合、対岸にボールを届かせるための初速の条件を求めよ。ただし、空気抵抗や慣性力は考えず、重力加速度は $g$、$H \ll L$とする。

「ボールが対岸に到達する」ということが何を意味するのか理解できれば、この問題は半分解けています。これは何を意味しているのでしょうか。

 

「ボールが対岸に到達する」瞬間、ボールの鉛直方向の位置 (高さ)は対岸の高さと同じになっています。ボールの打点を高さの基準 (高さ $0$)とし、鉛直上向きを正とするならば、「ボールが対岸に到達する」瞬間の高さは $-H$です。

 

「ボールが対岸に到達する」時刻を $t_1$ とすると、時刻 $t_1$ におけるボールの水平方向の位置が、$L$より大きくなっていれば、ボールは対岸に到達します。

 

まとめると、この問題は以下の手順で解けばよいことが分かります。

  1.  ボールの高さが $-H$ となる時刻 $t_1$ を求める。
  2.  時刻 $t_1$ におけるボールの水平方向の位置 $x_1$ を求める。
  3.  $L < x_1$ を解いて、$v_0$ の満たすべき条件を求める。

 

では実際に解いていきましょう。

 

まず、放物運動における鉛直方向の位置 (高さ)についての公式を使います。時刻 $t$ における鉛直方向の位置は $y = v_0 t \sin{\theta} -gt^2 /2$ なので、

 

\begin{eqnarray} -H &=& v_0 t_1 \sin{(\pi /4)} -gt_1 ^2 /2 \\ gt_1 ^2 – \sqrt{2} v_0 t_1 -2H &=& 0 \\ t_1 &=& \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \frac{v_0 + \sqrt{v_0 ^2 + 4gH}}{g} \;\;\; (\because t_1 >0) \end{eqnarray}

 

このとき、ボールが水平方向に進む距離 $x_1$は

 

\begin{eqnarray} x_1 &=& v_0 t_1 \cos{(\pi /4)} \\ &=& \frac{v_0}{2g} \cdot \left( v_0 + \sqrt{v_0 ^2 + 4gH} \right) \end{eqnarray}

 

$L < x_1$ となれば良いので、初速 $v_0$の満たすべき条件は以下の不等式を解くことで得られます。少々計算が大変ですので、間違えないようにご注意ください。

 

\begin{eqnarray} L &<& \frac{v_0}{2g} \cdot \left( v_0 + \sqrt{v_0 ^2 + 4gH} \right) \\ 2gL/v_0 &<& v_0 + \sqrt{v_0 ^2 + 4gH} \\ 2gL/v_0 \; – v_0 &<& \sqrt{v_0 ^2 + 4gH} \\ 4g^2 L^2 / v_0 ^2 -4gL &<& 4gH \\ g \left( L+H \right) v_0 ^2 &>& g^2 L^2 \\ v_0 &>& \left( gL^2 / \left( L+H \right) \right)^{1/2} \;\;\; (\because v_0 >0) \end{eqnarray}

 

今回のような複雑な問題では、単位を使った答えの確認が有効です。

 

今回の答えは、$v_0 > \left( gL^2 / \left( L+H \right) \right)^{1/2}$ で、左辺の単位は [速さ] なので、右辺の単位も [速さ]になっているはずです。

 

\begin{eqnarray} \left[ \rm{右辺の単位} \right] &=& \left[ \sqrt{\frac{ \left( \rm{(距離)}  / \rm{(時間)}^2 \right) \cdot \rm{(距離)}^2}{\rm{(距離)}}} \right] \quad \\ &=& \left[ \sqrt{\rm{(距離)}^2 / \rm{(時間)}^2} \right] \\ &=& \left[ \rm{(距離)} / \rm{(時間)} \right] \\ &=& \left[ \rm{(速さ)} \right] \end{eqnarray}

 

よって、単位もちゃんと [速さ]になっていることが確かめられました。

 

以上、放物運動の問題でした。この問題をヒント無しで解けるのならば、放物運動については完璧です。受験が終わるまで困ることはないでしょう。

 

解けなかったとしても落ち込まず、放物運動について少しずつ、理解を深めてみてください。

まとめ

・放物運動は鉛直方向と、水平方向に分けて考える。

・鉛直方向は等加速度運動、水平方向は等速直線運動となっている。

・答えが出てきた後に、単位を使って簡単な確認ができる。

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