花粉症とエイズについて入試問題つきで解説します!【生物基礎】

春先になると花粉症に苦しむ人が増えます。免疫反応が過剰に働いた結果、アレルギー反応が起こります。

 

また、エイズという病気も免疫に関係します。入試問題では、免疫反応の応用でアレルギーやエイズについて問われることがあります。

 

ここでは、どのように花粉症やエイズという病気が起こるかを解説します。

 

この記事の最後には、入試問題がついています。是非最後まで読んで、理解したかを問題で確認してみてください。

 

つらい花粉症はなぜ起こるのかな
たなか君
たなか君

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

アレルギー

免疫系が過剰に働くことによって、体にとって都合の悪い症状が出てしまうことがあります。

 

このことをアレルギーといいます。

 

 

体に入ってきた異物のことを抗原と言いました。

 

アレルギーを引き起こす抗原をアレルゲンと言います。

アレルギーの種類

 

スギやヒノキの花粉による花粉症などもアレルギーの一種です。

 

アレルギーの種類を詳しくみていきます。免疫には、自然免疫と獲得免疫があります。

 

アレルギーで働くのは獲得免疫です。

 

獲得免疫には、体液性免疫と細胞性免疫があります。

 即時性アレルギー

 

体液性免疫によって起こります。花粉症・蕁麻疹・アレルギー性喘息などがあります。

 

 

アレルゲンの2回目の侵入の時に、激しいアレルギー反応が現れることがあります。

 

激しいアレルギー反応によって、生命に危険な状態になることをアナフィラキシーショックといいます。

 

 

遅延性アレルギー

細胞性免疫によって起こります。

 

ツベルクリン反応、接触性皮膚炎などがあります。

 

自己免疫疾患

アレルギーの他に免疫反応が原因でなる病気に、自己免疫疾患があります。

 

自己免疫疾患は、自分自身の正常な細胞や組織に対して、過剰に反応し攻撃してしまうことで起こります。

 

例えば、関節にある自分の細胞を攻撃することで起こる関節リウマチなどです。

 

I型糖尿病では、インスリンを分泌する細胞が壊されます。I型糖尿病の患者は、インスリンを注射で接種します。

 

エイズ

エイズは、1981年に初めて人での感染者が確認されたウイルスです。エイズの正式名称は、後天性免疫不全症候群と言います。

 

原因は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスです。

 

 

 

①   HIVが、ヘルパーT細胞に感染する。

② T細胞が働かなくなるため、獲得免疫が働かなくなる。

③   免疫力が低下する。

④  弱い病原体にも感染してしまう(日和見感染)

 

という流れで、エイズは発症します。

 

 

 

HIVによって破壊されるヘルパーT細胞は、体液性免疫と細胞性免疫の両方に関わります。

 

そのため、エイズが発症すると免疫力は極端に落ちてしまいます。

入試問題にチャレンジ

 

 

次の文章を読み、以下の問いに答えよ。

 

私たちのからだに侵入した細菌やウイルス、毒素などは、非自己と認識されて排除される。このしくみを免疫という。

 

体内に侵入し、非自己と認識される異物を(ア)といい、中でも過敏に反応が起きて,アレルギーを引き起こすものを(イ )という。

 

(イ )の1つであるスギ花粉は,春に大量に空気中に散乱し,それがヒトの粘膜などに付着することによって花粉症の症状を引き起こす場合がある。

 

免疫反応は本来,自分自身の正常な細胞に対して起こることはない。

 

しかし,まれに自分自身の正常な細胞や組織を攻撃することがあり,これによって起こる疾患を一般に(ウ )という。

 

(1)  文章中の (ア) ~ (ウ) に入る適語を答えよ。

 

(2) (ウ )の具体例として適切なものを,次の①~⑥から2つ選べ。

 

  • ① 関節リウマチ
  • ② 卵アレルギー
  • ③ エイズ
  • ④ アナフィラキシー
  • ⑤ 日和見感染
  • ⑥ Ⅰ型糖尿病

 

11福井大 改〕

 

体に入ってきた異物を抗原と言います。アレルギーの元になる抗原をアレルゲンと言います。アレルギーは、免疫が本来なら無害な物質に過剰に反応することによって起こります。免疫が過剰に働くことで起こる病気に自己免疫疾患があります。
(ア)抗原(イ)アレルゲン(ウ)自己免疫疾患

 

 

 ①、⑥
自己免疫疾患は、自分の成分を抗原と認識して攻撃してしまうことで起こります。関節リウマチは、軟骨などが破壊されることによって関節の変形や痛みが引き起こされる病気です。I型糖尿病は、すい臓のランゲルハンス島B細胞が攻撃されておこります。B細胞が破壊されると、インスリンが作れなくなって、糖尿病になってしまいます。エイズとは、HIVウイルスに感染することで起こる、後天性の免疫不全症候群のことです。日和見感染は、免疫力が落ちることによって普段無害な病原体にも感染してしまうことを言います。アナフィラキシーショックは、アレルゲンが2回目に侵入した時に激しい免疫反応が起こることで危篤な状態になることをいいます。

まとめ

・免疫系が過剰に働くことで、体にとって都合の悪い症状が出てしまうことをアレルギーという。

 

・アレルギーを引き起こす抗原をアレルゲンという。

 

エイズは、HIVウイルスがヘルパーT細胞に感染して起こる。

 

・ヘルパーT細胞が破壊されると、免疫力が極端に低下し日和見感染が起こる。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

にほんブログ村 受験ブログ 大学受験(本人・親)へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました