みなさん、こんにちは。
このブログでよく、「東京大学にチャレンジしたい!」とか言ってますが、具体的に東京大学の英語はどういうものか、今回の記事で東京大学の英語勉強法についてご説明したいと思います。
東大英語の形式・問題の内容は?
(2019年東京大学の問題 大問1(A)より)
東京大学の英語は英語の色々な側面を問う為に様々な形式で問題があります。東大の英語は具体的には大問が5問あり、ざっくり120分で120点満点という形になっています。
大問1(A)では英語長文を日本語で要約する問題が出題されます。また、(B)では欠文補充問題又は段落整序問題が出ています。英文を読み解く英語力だけでなく内容を簡潔に日本語でまとめる国語力も要求されます。
大問2では自由英作文と和文英訳問題が登場しています。年によって配分が変わったりします。この英作文ですが、テーマが「国民の祝日を新たに設けるならどんな日か」とかシェイクスピア「ジュリアス=シーザー」の続きのセリフを考えさせたりなどかなり自由度というか奇を衒った問題が出ます。
大問3では30分間のリスニングがあります。問題数として15問程度出題されます。リスニングの内容自体を問う問題以外にもそこから推察させるタイプの問題が多く、なんとなくTOEICに似ている感じです。
大問4では誤っている箇所を指摘する問題と、英文和訳問題が出ています。大問5では長めの英文を読んで整序問題や下線部の内容を日本語で説明するなどの問題に答えます。普通の長文問題ですね。
2019年東京大学の英語の分析
東京大学の2019年度の過去問から、どのような問題が出ているのか具体的にご説明したいと思います。ネットで問題を見れるので興味ある人はググってください。
大問1の要約問題では問題文に「ヨーロッパで生じた変化の内容を要約せよ」とあり、何に注意して読めば良いのかが分かりやすいですが字数が70~80字と指定されているため短時間で書き終えるのは容易ではないでしょう。
要約問題の英文を一部抜粋すると、「In pre-industrial Europe, child labor was a widespread phenomenon and significant part of the economic system.」とあり、この長文が児童労働をテーマにしていることが分かります。
またその次の「Until and during nineteenth century, children beyond six years of age were required to contribute to society according to their abilities」、「In the early nineteenth century, children were also mostly viewed as the personal property of their parents.」から、19世紀始めまでのヨーロッパでは子供は親の所有物と見なされ、児童労働が当たり前のように行われていたことが分かります。
しかし15行目の「Gradually, children began to change and be replaced by the perception that they are a unique group that society has the responsibility to support and protect from the various dangers they face.」とあり、徐々に子供は社会が責任を持って守らなければならない存在という認識が浸透してきたことが分かります。
「子供」という概念の発明は近代以降に行われてきて子供の死亡率が近代以降劇的に減少したという背景知識も駆使しつつ、上記の文章の情報をもとにして、70~80字で日本語に要約する必要があります。
教養系の文章も出題されることが多く普段から国語の現代文を通じて様々な文章に触れる必要があります。後、メインのテーマというか主題を理解する必要があります。
大問2の和文英訳問題では最近世界的に話題になっているプラスチックゴミに関する文章が出ており、日頃から英文のニュース記事を読んでいる方には少し有利に働いたと言えます。
自由英作文のテーマは「提案したい祝日とその理由」で、難しい題材ではないですが語数が決まっているので内容を上手くまとめる必要があります。
大問3のリスニングは全て選択問題で、講義や複数人の会話が放送されます。問題文も英語で書かれているので、過去問を何年分も演習して問題文を瞬時に読めるようにすることが必要です。
大問4の誤り指摘問題は一見選択肢を選ぶだけで簡単そうに見えますが、英文の分量も長く、どの文章に誤りが入っているのか見極めにくいので時間がかかってしまうことが考えられます。
大問5の長文は単語も難解ではなく読みやすいですが、小説のような文章なので長文問題集などで論説文だけでなく小説・随筆の長文を経験しておくことが大事です。
東大英語の対策方法
東大英語には色々な分野の問題が出ているので合格点を取るためには苦手分野を作らないことが大事です。
苦手分野を作ってはいけないからといって全ての問題で好成績を取ろうとする必要はありません。
センター試験とは異なり東大に合格するには2次試験で合格点(得点率に換算すると60%程度)さえ超えられれば良いです。
合格者の上位1割が90点前後で上位4割ラインが75点前後です。よって、合格者平均点は70~75でしょう。取れる大問で確実に点数を獲得することが求められます。
時間配分を考えて解く
東京大学の英語の試験時間は120分間であり、余裕がありそうに見えますが30分間のリスニングも試験時間に含まれているので効率的に問題を解かなければなりません。
リスニングは試験開始から45分が経過すると問題が流れ始めるので45分間の間に大問1と大問4などの比較的短時間で取り組みやすい問題を解いておくのが良いでしょう。
というか、この時間が一つの勝負です。90分で4つの長文を読んで正解を導くというのは普段から長文に読み慣れておかなければなりません。長文や整序問題など個人的に重たいものは後半に取っておくと良いかもしれません。
過去問を演習する際にはストップウォッチなどを使って時間を測りながら解き、試験時間内に全ての問題を解き終えられるのか試してみてください。
答案を添削してもらうことも大事
東京大学だけに限りませんが、一般的に国公立大学では英作文や英文和訳問題など単に選択肢を選ぶだけでなくライティング能力が問われる問題を多く出題されます。
この手の問題で得点を確実に取るには、色々な問題を演習し、学校や予備校の先生などに添削してもらうことが大事です。
特に英作文は参考書や問題集の解答を見ただけでは自分の書いた内容がどのくらい得点を取れるのかがよく分からず改善点を見出すことができないことも十分あり得るので、ぜひ添削を受けるようにしてください。
又、英作を書くとき東大英作文は自由度が高く色々と書いてしまいがちですが、例えば三単元のsをつける、時制をきちんと合わせるなど基本的なことをしっかりとできるよう普段から注意しておく必要もあります。
東大英語対策には演習が大事!
東京大学のような最難関大学の問題は大変個性的なので 、得点を稼ぐためには東大の形式に近い問題をたくさん演習することが重要です。東大には赤本で有名な教学社から「東大入試詳解25年英語―2017~1993 (東大入試詳解シリーズ)」という本が出版されています。
この本はタイトル通り東京大学の英語の問題が25年分掲載されており、通常の赤本よりも多く英語の演習をすることができます。
また河合塾、駿台予備学校、代々木ゼミナールなどの大手予備校の出版社からは東大模試の過去問がまとめられた本が販売されています。
模試を受けた受験生の得点率などの情報も載っているので自分がどのくらいの立ち位置にいるのか簡単に把握できます。
演習をする際は過去問を利用するのが最適ですが、時間に余裕がある方は東大模試の過去問を解いてみるのも良いのではないかと思います。
まとめ
今回は東大英語の対策についてお話ししました。東大英語は多くの問題を短時間で処理しなければならないので、難問よりも標準的な問題を難なくサクサク解くための勉強が求められるでしょう。ライティングやリスニング、リーディングといった幅広い分野を毎日積極的に勉強し苦手を少しずつ潰していくことが大切です。
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