みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【和と積の公式】です。
今回は、「和と積の公式」を「積から和」と「和から積」に分けて解説する後半戦。「和から積」の公式を勉強します。
「積から和」の公式がまだ不安という方は、前回の記事を確認しましょう。
さて、前回も述べたとおり、「和と積の公式」は加法定理から導くことができます。
そのため、必ずしも公式を暗記する必要はありませんが、公式を知っていた方が圧倒的にはやいスピードで問題を解くことができます。
この記事では、和と積の公式、そしてその導き方を丁寧に解説していきます。
今回の最低限のゴールは、「和と積の公式のうち和から積の公式の導き方を覚えること」。
さらに、「和と積の公式のうち和から積の公式を覚えること」ができれば◎です。
さぁ、今回もがんばっていきましょう。
・和と積の公式の導き方がわかる
・自分で実際に和と積の公式を導ける
・自分で実際に和と積の公式をつかえる
和と積の公式「和から積」
それでは、さっそく和から積の公式を確認しましょう。
$$\sin A+\sin B=2\sin\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2}$$
$$\sin A-\sin B=2\cos\frac{A+B}{2}\sin\frac{A-B}{2}$$
$$\cos A+\cos B=2\cos\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2}$$
$$\cos A-\cos B=-2\sin\frac{A+B}{2}\sin\frac{A-B}{2}$$
和から積の公式を導くのは、積から和の公式より少しむずかしいですが、どうすれば導けるか考えてみましょう。
和から積の公式を導く方法は思いつきましたか??
導き方はわからなくても、和から積の公式を見て違和感を感じた人はいるのではないでしょうか。
これまでα、βでしたが、今回はA、Bになっていますね。
実は、今回のポイントは、$\alpha+\beta=A$、$\alpha-\beta=B$とおくことです。
このとき、$\alpha=\frac{A+B}{2}$、$\beta=\frac{A-B}{2}$となります。
さて、$\sin$の加法定理($\sin(\alpha+\beta)$、$\sin(\alpha-\beta)$)を足すと、
$\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)=2\sin\alpha\cos\beta$となります。
これを変形すると、
$\sin A+\sin B=2\sin\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2}$
と1つ目の式が導けます。
同様に、4つの式すべてを加法定理から導くことができます。
練習問題を解いてみよう
問題
次の問題を解きましょう。
$\sin15°+\sin75°$
解答
$\sin15°+\sin75°$
15°+75°=90°, 15°-75°=-60°
和と積の公式より
$\sin 15°+\sin 75°=2\sin\frac{15°+75°}{2}\cos\frac{15°-75°}{2}$
$=2\sin\frac{90°}{2}\cos\frac{-60°}{2}$
$=2\sin 45°\cos(-30°)$
$=2\times \frac{\sqrt{2}}{2}\times \frac{\sqrt{3}}{2}$
$=\frac{\sqrt{6}}{2}$
今回のまとめ
今回は、和と積の公式のうち「和から積」を導く公式について解説してきました。
加法定理をつかって式を導くのは、はじめてではむずかしいことでしょう。しかし、練習問題を解くことで、和から積の公式をつかえるようになったのではないでしょうか。
引き続き練習問題をたくさん解いて、和から積の公式を完ぺきに使いこなせるようになりましょう。
これで、2回にわたって解説してきた「和と積の公式」を終わりにします。
今回もおつかれさまでした。
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