みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【底の変換公式】です。
対数の計算がしたいのに底が違って計算できない…
そんなときに必要となるのが、「底の変換公式」です!
この記事を読んでいるあなたは、「底の変換公式を習ったけどよくわからなかった。このあとの内容が不安…。」と思っているのではないでしょうか?
もしそうだとしたらもう安心してください。
この記事では、「そもそも底ってなに?」や「底の変換公式はいつ使うの?」といった基本的な疑問も解消できるよう、底の変換公式について丁寧に解説しています。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・底の変換公式の使い方がわかる
・自分で実際に底の変換公式をつかえる
そもそも底の変換公式とは?
底の変換公式とは?
底の変換公式とは、その名のとおり「底を変換するための公式」です。
底とは、$\log_a b$の$a$のことでしたね。
底の変換公式は、次の式で表されます。
$$\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}$$
ここでは、底が$a$から$c$へと変換されています。
では、底の変換公式はどのようなときに使うのでしょうか?
底の変換公式はいつ使う?
結論から言うと、底の変換公式は「底をそろえたいとき」に使います。
例題を見ながら考えてみましょう。
$\log_3 5\log_5 7$
例題は対数のかけ算ですが、底が違うため計算することができません。
そこで登場するのが「底の変換公式」です。
ここでは、底を3にそろえてみましょう。(※3以外でも問題ありません。)
与式は、$\log_3 5\frac{\log_3 7}{\log_3 5}$と変形できます。
これは約分できるので、答えは$\log_3 7$となります。
底が異なる対数は計算することができませんが、底の変換公式を使って底をそろえると、計算することができるようになります。
底の変換公式の証明
底の変換公式を自分で導けるように、証明方法を確認しておきましょう。
対数の定義は、「$a^{x}=b$を満たす実数xを$\log_a b$とする」でしたね。
つまり、$a^{\log_a b}=b$が成立します。
ここで両辺の対数をとると、
$\log_c a^{\log_a b}=log_c b$となります。
変形すると、
$\log_a b\log_c a=\log_c b$
両辺を$\log_c a$で割ると、
$\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}$
こうして底の変換公式を得ることができます。
証明方法も頭の片隅に置いておきましょう。
練習問題を解いてみよう
問題
①$\log_4 8$
②$\log_3 36+\log_9 36$
③$\log_3 16\times log_4 27$
解答
①$\log_4 8$
底を2に変換すると、与式は
$\frac{\log_2 8}{\log_2 4}$
$=\frac{\log_2 2^{3}}{\log_2 2^{2}}$
$=\frac{3}{2}$…(答)
②$\log_3 36+\log_9 36$
底を3に変換すると、与式は
$\log_3 36+\frac{\log_3 36}{\log_3 9}$
$=\log_3 6^{2}+\frac{\log_3 6^{2}}{\log_3 3^{2}}$
$=2\log_3 6+\frac{2\log_3 6}{2}$
$=2\log_3 6+\log_3 6$
$=3\log_3 6$…(答)
③$\log_3 16\times log_4 27$
底を3に変換すると、与式は
$\log_3 16\times \frac{\log_3 27}{\log_3 4}$
$=\log_3 4^{2}\times \frac{\log_3 3^{3}}{\log_3 4}$
$=2\log_3 4\times \frac{3}{\log_3 4}$
$=6$…(答)
今回のまとめ
今回は、底の変換公式について解説してきました。
底の変換公式を使うと、これまで計算できなかったものも計算できるようになることがわかったのではないでしょうか。
これから、底の変換公式を頻繁に使うことになります。
しっかりと復習して、底の変換公式についてマスターしておきましょう。
もっと練習問題を解きたいという人は、おすすめの問題集もチェックしてみてください。
今回もおつかれさまでした。
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