【地理B】工業について種類や立地について解説!工業分野の入試問題およびその解説も!

みなさんこんにちは。

 

今回は地理Bの工業の分野について解説していきます。

 

工業はあまりなじみがなく、理解しにくいと思っている方も多いのではないでしょうか。

 

でも大丈夫です。実は工業が発達している地域は、その地域がもつ特徴とリンクしていることが多いのです。

 

ではこれから、地域の背景と結び付けながら解説していきます。また、実際の入試問題も解説付きで載せていますので、是非ともアウトプットで知識の確認をしていきましょう。

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工業の種類について

まず、工業の分類についてです。工業は以下の三つに分類されます。

  • 労働集約型工業…繊維工業・機械工業(組み立て工業):たくさんの労働力を必要とする工業です。
  • 資本集約型工業…鉄鋼業・石油化学工業:たくさんの資本を必要とする工業です。
  • 知識集約型工業…エレクトロニクス工業・先端技術産業:高度な技術を要するため、多くの知識が必要な産業です

工業立地について

ではどこで、どんな工業を始めようかとなった時、何を決め手にするのでしょうか。

 

その決め手となるものが「立地因子」です。

 

立地因子は生産に伴い、費用や収入に直接影響するものです。ピンとくる方は少ないと思うので例を挙げてみると、輸送費、労働費などがこれにあたります。

 

立地因子が最小になるように立地するのが一番だと思いますよね。

 

しかし、ウェーバーの工業立地論では「輸送費」が最も安くなるところに立地するということが基本になっています。

原料指向型工業

これは、原料が重く、製品のほうが軽いものを生産する工業です。

 

S先生
S先生
上記のように、原料と製品の重量に大きな差のある原料のことを重量減損原料というわ。しっかり覚えておきましょう。

 

重たい原料を運ぶよりも、軽い製品を運んだほうが当然安く済みますよね。だから、原料付近に工場を立地することになります。

 

例として、鉄鋼・セメント・パルプ・アルミニウムなどがあげられます。

市場指向型工業

これは、流行や情報に敏感なもの、普遍減量を利用するものを生産する工業です。

 

例として、出版・印刷業やビールの生産があげられます。

 

出版・印刷業は流行をいち早くつかまなければなりません。なので東京、大阪といった、都市部に立地される傾向があります。

 

また、ビールは水を原料としています。水は日本全国どこでも手に入りますよね。なので、消費量が多い都会で作られます。

労働力指向型工業

これは、安価で豊富な労働力を利用するものを生産する工業です。

 

例として、自動車、電気機器、線維工業などがあげられます。

 

自動車、電気機器工業は様々な部品がありますよね。その部品を作って、組み立てていくのに多くの人の手が必要になります。

 

繊維工業はひとつずつ手作業でしなければなりません。また、デザインの変更があった場合、人が素早く対応する必要があります。よって、労働力が必要です。

工業のグローバル化

最近は工業の分野でも徐々にグローバル化が進んでいます。

 

ここで押さえておいてほしいのが「多国籍企業」「産業の空洞化」についてです。

 

〇多国籍企業(グローバル企業):世界各国に拠点を置き、生産や販売を行う企業のことを言います。アメリカに多く存在しています。

〇産業の空洞化:為替の変動・安い賃金や土地・市場の拡大を求めて、多くの企業が海外に生産拠点を移します。その結果、逆に国内の産業が衰退してしまうことを言います。

 

入試問題にみる工業の問題について

では、実際に入試で出題された問題を解いてみましょう。これは、2007年のセンター試験第2問で出題された問題です。

 

今日の範囲を理解できていると簡単にとくことができると思います。

では、答え合わせをしていきます。

 

 

解説について

どうでしたか?順に解説していきます。

精密機械
これは、九州の大分県あたりに丸が付いていることがポイントです。
九州は精密機械が多く生産されており、シリコンアイランドとも呼ばれています。

 

鉄鋼
黒い丸が太平洋沿いに連なっていることが特徴的です。
これは、皆さんご存じの通り、「太平洋ベルト」ですね。特に中京工業地帯で大きくなっているのも確認できますね。

 

食料品
全国的にまんべんなく黒い丸が存在していますね。また、北海道、九州で盛んに生産されている様子も確認されます。
北海道は多くの野菜・畜産物・乳製品が生産される農業大国です。九州も福岡はお米、鹿児島は豚肉や野菜が多く生産されています。

 

 

このようにして考えるとだんだんと問題も解けてくるはずです。

まとめ

今回は工業について解説してきました。復習もかねてもう一度おさらいをしておきましょう。

 

まずは工業の種類についてです。3つありましたね。

  • 労働集約型工業…繊維工業・機械工業
  • 資本集約型工業…鉄鋼業・石油化学工業
  • 知識集約型工業…エレクトロニクス工業・先端技術産業

また、立地分類でも分けられます

  • 原料指向型工業…製品のほうが原料よりも軽く、輸送費を小さくできるもの
    例:鉄鋼、セメント、パルプ
  • 市場指向型工業…流行や情報に敏感なもの・普遍原料を利用するもの
    例:出版・印刷業、ビール生産
  • 労働指向型工業…安価で豊富な労働力を利用するもの
    例:自動車、電気機器、繊維

 

最後に工業のグローバル化についてです。

  • 多国籍企業…世界各国に拠点を置き、生産や販売を行う企業のこと
  • 産業の空洞化…様々な理由から海外に生産拠点を移すことで、国内産業が衰退すること

 

しっかり復習しておきましょう。

 

より詳しい内容は「村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編 (大学受験プライムゼミブックス)」がおすすめです。

 

 

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