みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【指数方程式・指数不等式】です。
指数方程式・指数不等式は「これって新しく習うこと?」と思えるくらいかんたんなものです。
とはいえ、指数方程式・指数不等式と言われても、正直よくわからないという人がほとんどでしょう。
そこで今回は、指数に関する方程式である指数方程式、指数に関する不等式である指数不等式について、丁寧にわかりやく解説していきます。
はじめに述べたように、実は指数方程式・指数不等式は一度勉強しさえされば、かんたんに理解できるものです。
あまり身構えずに、気楽に始めていきましょう。
・指数方程式・指数不等式の解き方がわかる
・自分で実際に指数方程式・指数不等式を解ける
指数方程式とは?
指数方程式とは、「指数に未知の変数$x$が含まれる方程式」のことです。
そう言われてもピンとこない人もいるでしょう。
「指数に未知の変数$x$が含まれる」数とは$2^{x}$のような数を意味します。
すなわち、「指数に未知の変数$x$が含まれる方程式」である指数方程式とは、$2^{x}=4$のような式のことです。
では、この指数方程式は、どのようにして解けばよいのでしょうか?
$2^{x}=4$を例に考えてみましょう。
$2^{x}=4$の解を求めましょう。
多くの人は、$x=2$が解であるとわかるはずです。
では、それはどのようにして導きましたか?
「$2^{2}=4$だと覚えていたから」という人もいるかもしれません。
きっとそういう人も、実際には次の手順で考えていたはずです。
①まず、与えられた式$2^{x}=4$を、$2^{x}=2^{2}$に変形。
②指数に着目すると、$x=2$であれば等式が成り立つ。
これが指数方程式の解き方です。以下がまとめです。
※$0<a<1$、$1<a$、$X$、$Y$を実数とする
$$a^{X}=a^{Y}\Longleftrightarrow X=Y$$
はじめに指数方程式はかんたんと述べましたが、それが本当だとわかってもらえたのではないでしょうか?
指数不等式も同様に、かんたんに解くことができますよ。
引き続き、指数不等式について解説していきます。
指数不等式とは?
指数不等式とは、「指数に未知の変数$x$が含まれる不等式」のことです。
もうわかりますね。具体的には、$2^{x}>4$のような式です。
では、この指数不等式を解いてみましょう。
$2^{x}>4$
先ほど同様、式を変形すると$2^{x}>2^{2}$となりますね。
では、$x>2$としても良いのでしょうか?
どうやら、そうしても良さそうですね。
それはなぜか?というと、底が2のとき、指数$x$が大きければ大きいほど、$2^{x}$の値が大きくなるからです。
このことは、次のグラフから確かめられます。
左のグラフが$1<a$のときの$y=a^{x}$、右のグラフが$0<a<1$のときの$y=a^{x}$でした。
(不安な人は前回の記事を確認しましょう。⇒指数関数についてわかりやすく解説【受験に役立つ数学ⅡB】)
このグラフから、指数不等式の底が0以上1未満のときは、1以上のときと不等号の向きが反対になることがわかります。
まとめると次のようになります。
$a>1$のとき $a^{X}<a^{Y}\Longleftrightarrow X<Y$(不等号の向きが同じ)
$0<a<1$のとき $a^{X}<a^{Y}\Longleftrightarrow X>Y$(不等号の向きが反対)
練習問題を解いてみよう
問題
次の指数方程式・指数不等式を解きましょう。
①$2^{x}=16$
②$3^{x}<27$
③$(\frac{1}{2})^{x}>\frac{1}{8}$
解答
①$2^{x}=16$
$2^{x}=2^{4}$
$x=4$…(答)
②$3^{x}<27$
$3^{x}<3^{3}$
$3>1$なので、$x<3$…(答)
③$(\frac{1}{2})^{x}>\frac{1}{8}$
$(\frac{1}{2})^{x}>(\frac{1}{2})^{3}$
$\frac{1}{2}<1$なので、$x<3$…(答)
今回のまとめ
今回は、指数方程式・指数不等式について解説してきました。
指数方程式・指数不等式は、他の方程式・不等式同様、もしくはそれ以上にかんたんに解くことができましたね。
不等式のときは、「底が1より大きいか」によって場合分けすることを忘れないようにしましょう。
これで指数関数の単元は終わりです。
次回からは、対数関数が始まります。引き続きがんばっていきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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