みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【累乗根】です。
「累乗根についてわかりやすく解説」というタイトルを見て、たかしくんのように思った人もいるかもしれません。
累乗根とはルートのことという理解は的外れな間違いではありません。
しかし、これから勉強することになる指数関数では「累乗根=ルート」という理解では不十分です。指数関数をきちんとマスターするためにも、その土台となる累乗根について正しく理解しておきましょう。
というわけで、今回は累乗根について解説していきます。
さっそく始めていきましょう。
・累乗根の使い方がわかる
・自分で実際に累乗根をつかえる
そもそも累乗根とは?
そもそも累乗根とはなんでしょうか?
答えは…
「aの累乗根とは、aの2乗根(平方根)、3乗根、4乗根、…を総称したもの」です。
では、n乗根とは?という疑問が生まれますね。
aのn乗根とは、n乗してaになる数のことです。
a>0のとき、aのn乗根で正となるものがただ1つあり、それを$\sqrt[n]{a}$と表します。
これまで勉強してきた$\sqrt{a}$は$\sqrt[2]{a}$の2を省略したものです。
例をつかって考えてみましょう。
3乗して4になる数は、4の3乗根といい、正になるものがただ1つあります。
そして、それを$\sqrt[3]{4}$で表します。
なんとなくイメージがつかめてきたのではないでしょうか?
続いて、累乗根の性質について解説します。
累乗根の性質
累乗根の個数は、nが偶数か奇数かによって異なります。
(1)nが偶数のとき
a>0のとき、aのn乗根は正と負の2つあり、正のものを$\sqrt[n]{a}$、負のものを$-\sqrt[n]{a}$と表します。
例えば、a=16、n=4を考えると、16の4乗根$\sqrt[4]{16}$は2と-2の2つありますね。
なお、a<0のとき、実数の範囲にaのn乗根は存在しません。
(2)nが奇数のとき
aの累乗根はただ1つであり、ただ1つであり、$\sqrt[n]{a}$と表します。
例えば、a=8、n=3を考えてみましょう。
$2^{3}=8$ですが、$(-2)^{3}=-8$であり、8の3乗根$\sqrt[3]{8}$は2だけであることがわかります。
なお、a<0のとき、$\sqrt[n]{a}=-\sqrt[n]{-a}$と変形できます。
a=-8、n=3の場合、$\sqrt[3]{-8}=-\sqrt[3]{8}=-2$となります。
練習問題を解いてみよう
問題
①3乗すると29になる数を求めましょう。
②4乗すると65になる数を求めましょう。
③5乗すると-33になる数を求めましょう。
解答
①3乗すると29になる数を求めましょう。
3乗すると29になる数は、29の3乗根。
奇数乗根なので、29の3乗根はただ1つに決まる。
よって、$\sqrt[3]{29}$…(答)
②4乗すると65になる数を求めましょう。
4乗すると65になる数は、65の4乗根。
偶数乗根なので、64の4乗根は正負それぞれ1つずつ存在する。
よって、$\sqrt[4]{65}$, $-\sqrt[4]{65}$…(答)
③5乗すると-33になる数を求めましょう。
5乗すると-33になる数は、-33の5乗根。
奇数乗根なので、-33の5乗根は1つに定まる。
よって、$\sqrt[5]{-33}$
変形して、$-\sqrt[5]{33}$…(答)
今回のまとめ
今回は、累乗根について解説しました。
繰り返しになりますが、今回勉強した累乗根、前回勉強した指数法則は、指数関数において重要な基礎となります。不安なところが少しでもある人は、繰り返しこの記事を見て復習しましょう。
指数関数は、指数や累乗根の考え方をきちんと理解していれば、大きくつまづくことなくマスターできるでしょう。
今回もおつかれさまでした。
次回は、累乗根の基本的な性質についての解説です。
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コメント
[…] 累乗根とは、$n$乗して$a$になる数、すなわち$n$乗根の総称のことでした。(そもそも累乗根とは?について不安が残る人は、こちらの記事を先に確認しましょう。⇒「累乗根についてわかりやすく解説【受験に役立つ数学ⅡB】) […]