2021年度から「大学入学共通テスト」が導入され、大学受験を控えた高校生の皆さんは不安に感じていると思います。
この記事では、「大学入学共通テスト数学IA」にフォーカスをあて、平成29年度の「試行調査(プレテスト)」の分析をもとに、出題内容、配点や解答時間について解説するとともに、その対策方法についてアドバイスします。
そもそも、「大学入学共通テスト」とはなんだろう?
大学入学共通テストは大学入試センター試験にかわり、2021年度(2021年1月実施)からの導入が予定されている、大学の共通入学試験のことです。
「センター試験と何が違うの?」と思う方もいるでしょう。実は、数学の出題傾向が変わることが予測されます。その結果、特に文系受験生にとっては、大学数学受験の対策や勉強法を変更する必要があります。何がどう変わり、どんな対策が必要なのかをしっかり学習していきましょう。
大学入学共通テストは来年(2021年)から導入なのに、出題内容がわかるのかな?
大学入学共通テストの内容は、先立って実施された「試行調査(プレテスト)」の問題を読み解くことで、どういった対策が必要になるのかを推測することが可能です。
プレテストは2017(平成29)年度と2018 (平成30)年度の2回、開催されましたが、2つのテスト内容を比較すると、多少違いがあるようです。この記事ではその中でも平成29年度の数学IAプレテスト分析結果をもとに解説します。
新しいテスト形式に戸惑うとは思いますが、変更内容をしっかり理解したうえで、適切な学習、受験対策をすれば大丈夫です、頑張りましょう!
共通テスト数学IAの出題範囲と解答形式
それでは、共通テストに向けてプレテストの数学IAの出題の形式面について分析していきたいと思います。
解答形式はマーク式
2020年1月に、大学入試センターから2021年大学入学共通テストの試験時間、配点、問題作成方針が正式に発表されました。
当初、記述問題の出題が予定されていましたが、最終的になくなり、昨年までと同様全てマーク式の解答となります。
必答問題2題、選択問題3題
「数学Ⅰ・数学A」は「数学Ⅰ」と「数学A」を総合した出題範囲となり、全部で5題出題され、そのうち4題を解答します。5題中2題は必ず解答する必要がありますが、残り3題は選択問題です。
選択となる問題は「数学A」から出題される「場合の数と確率」,「整数の性質」,「図形の性質」の3題で、このうち2題を選びます。
それでは、次に、現行のセンター試験との違いの有無について見ていきましょう。
センター試験との変更点は?共通テストの数学IAの配点と時間
それでは、センター試験と共通テストの違いについてプレテストを参考に解説をしていきます。
配点に変更なし、回答時間は10分間延長
配点は100 点で昨年と変更がありませんが、解答時間は70分間となり、センター試験と比べて10分間長くなりました。
時間が長くなるなら、今までより余裕をもって解答できそうだね
それがそうとは限らないようです
解答時間は長くなりましたが、後述するように、問題文が長くなることが予想されるため、今まで以上に解答に時間がかかる可能性があります。
それでは、H29年数学IAのプレテストから 傾向の予想と対策について分析をしていきます。
共通テスト数学IAの問題傾向予測と対策(平成29年プレテストより)
H29年のプレテストからみて、主に3つの視点が大事になってくると思います。しっかりと理解をしていきましょう。
①長文問題文を読み解く「読解力」が必要に
平成29年度プレテストでは、問題文が会話形式となっている問題が複数出題されているなど、全体的に問題文が非常に長くなっています。
解答時間が10分間延長したとはいえ、それが相殺されるレベルの文章量です。また、何を問われているのかを瞬時に理解する「読解力」も必要となります。
②数学の解答方法は1つではない
多くの場合、数学の解答方法は1つではなく、複数の解答方法が存在します。平成29年度プレテストでは、1つの問題を複数の方法で解答させる問題が出題されました。
つまり、問題にただ正解すれば良いのではなく、他の解き方はあるのだろうか?という思考を常にもって勉強することが必要となります。
③「誤答」を見破る
問題文で間違った解答が提示され、それが本当に正しいのかを問うタイプの問題が出題されました。特に受験生がやりがちな「誤答」については、アンテナをはっておくようにしましょう。
平成29年プレテスト数学IAの第1問解説と対策
それでは、平成29年のプレテストの数学IA第1問の簡単な解説をしていきます。
第1問は(1)と(2)とに分かれています。(1)は2次関数、(2)は図形と計量の範囲から出題されました。
第1問(1)出題範囲:2次関数
問題文は長いですが、基本的な内容です。xy座標上の放物線をあらわす数式と各係数a, b, cを変化させると、放物線がどのように変化するかを理解していれば解答できる問題です。
第1問(2)出題範囲:図形と計量、数と式
会話形式の問題文です。
三角比から始まり、正弦定理、必要条件・十分条件の出題内容と展開していきます。
複数の範囲が入り混じってはいますが、会話文で丁寧に誘導されているので、それに沿って頭を切り替えながら解いていきましょう。
平成29年プレテスト数学IAの第2問解説と対策
それでは、第2問の解説と対策について述べていきます。
(1)と(2)に分かれています。(1)は2次関数、(2)はデータ分析から出題されました。
第2問(1)出題範囲:2次関数(2)出題範囲:データ分析
「身近な課題の解決に数学を活用できる、と高校生に実感させたい」という出題者の狙いがよく表れた問題です。
「身近な課題」を説明する問題文が非常に長く、数学の知識以上に読解力が求められます。
問題文から必要な情報を的確に読み取り、どの数学知識が試されているのかを見破ることができれば、それほど難易度は高くない問題です。
平成29年プレテスト数学IAからみる共通テスト数学への対策
平成29年プレテストのポイントを復習します。
- 長文問題文を読み解く「読解力」が必要に
- 数学の解答方法は1つではない
- 「誤答」を見破る
この問題傾向は本番の大学入学共通テストでも踏襲される可能性が高いです。問題の難易度自体は、以前のセンター試験と比較し高くはありません。
しかし、付け焼刃の「公式丸暗記」は通用しない可能性が高いので、数学知識の本質を理解するような勉強を心がけましょう。オススメなのは「チャート式基礎からの数学」です。チャート式を利用した数学の勉強法については「数学の勉強には青チャートがおすすめ!青チャートのバラバラ勉強法や読むだけ勉強法も解説」に詳しく記載しています。
公式丸暗記でない数学勉強は、大学2次試験にも十分通用するので、難関大学や医学部入試にも応用できます。今から自分の勉強法を見直し、しっかりとした大学入学共通テスト対策をしていきましょう。
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