大学入学共通テスト・倫理の対策と試験分析 

2021年から既存のセンター入試に代わり大学入学共通テストがスタートします。センター入試では暗記が主に問われていましたが、大学入学共通テストでは、新たに思考力や理解力を問う問題が出題されます。

 

「社会科で理解力を問う問題ってイメージがつかない」と思う人も多いかと思います。私自身、29年度と30年度に実施された、大学入学共通テストの試作問題を見るまではあまりイメージが付きませんでした(汗)

 

そして、実際に見てみると、「なるほど、確かにしっかりと理解していないと、解けない問題が多いな」と感じました。そこで、今回は、平成30年度倫理プレテストの第1問A問題を例に、どのように理解を深めていけばよいのか、解説していきたいと思います。

 

共通テスト倫理の問題は?

引用:平成30年度試行調査_問題_倫理

 

第1問A問題ではほとんど暗記はなく理解力、思考力が問われる、大学入学共通テストらしい設問で構成されております。

 

他の大問やB問題ではちらほら暗記が問われる問題があったのですが、おそらく今回のように、理解力、思考力を問う問題だけで構成される大問が一題出題されていくのではと想定されます。

 

暗記力はいらないとはいえ、中にはどのような思想、考え方があったのか知識がないと解けない問題があります。実際にどのような設問構成か見ていきましょう!

 

共通テスト倫理の設問構成

資料X・Yから読み取り、設問に答えていくといった問題です。まず、設問1を見てみましょう。これは言ってしまえば、資料X・Yの絵を見て、その絵をどのように解釈するのが正しいのかを問う問題です。いちいち、こういった風刺画とその解釈を暗記するといったことはほぼできない(というよりも効率的でない)ため、まさに思考力と理解力を問う問題といえます。

 

さて、次の設問、問2では、“マズローの欲求の階層”について話し合う会話文から問題が出されています。

 

設問自体は、下線部の具体的事例はどれかを問う、思考力、理解力を問う問題といえますが、この問題を解くには前提として、「マズローの欲求の階層」について理解し、覚えている必要があります。

 

マズローの欲求の階層高い階層(高次の欲求)から順に、自己表現の欲求、承認の欲求、社会的欲求、安全の欲求、生理的欲求と下っていくものです。人の欲求は低次の欲求(生理的欲求)が満たされると、上位の欲求へ上がっていくというものです。

 

さて、問2はこのマズローの欲求の階層を理解している必要があります。

 

しかし、マズローの欲求の階層を暗記する必要はありません。高次の欲求は「社会的に認められたい、社会的で自分らしい活動をしたい」といった非常に社会的、人間的、理性的欲求といえるでしょう。逆に低次の欲求は生物本能的欲求といえます。安全欲求や生理的欲求は人間以外の動物も持っているものです。

 

低次の欲求、高次の欲求についての知識と、その知識を選択肢の文に当てはめる思考力が試される問題といえます。

 

問3の方は、「段階表」という形で知識が既に示されているため、純粋な思考力が試されています。選択肢と、段階表を照らし合わせることで解いていく問題形式となります。

 

思考力を問われる問題の対策とは?

第1問A問題を見ていただければわかる通り、ほとんど思考力、理解力を試す問題となっています。ではこのような問題を対処するため、どのように対策すれば良いのでしょうか。

 

まず、前提として、過去の思想家たちの考え方をしっかりと理解する必要があります。現行のセンター入試では、社会契約説=ロックといった暗記法でも良かったのですが、社会契約説とは一体どのような理論なのか、どのような背景で、なぜそのような論説が生まれたかを理解しておくとよいでしょう。

 

そのために、有名思想家がどのようなことを主張したのかなど、ノートなどにまとめておくと、便利です。また、思想家の意見を自身や現在の社会に当てはめて、体系的に理解するということも大切になってきます。

 

マズローの欲求階層を例にとると、「確かに、飲食が満たされている状況だから、自分は娯楽という次の階層の欲求が生まれるな。仮に、食糧難だったら、娯楽をしようとは思えないな」といった感じに意見や感想を持つとより覚えやすくなります。

 

しっかりと、普段から考えて勉強する癖をつけていきましょう!

大学入学共通テスト・現代社会の対策(プレテストからの分析) はこちら

 

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