降雨について【多雨地域、少雨地域】~山脈の風上、赤道低圧帯、梅雨前線、亜熱帯高圧帯~

みなさんこんにちは!

今回は高校地理の降雨について解説していきます。降雨と聞くと、気候の分野を主にイメージすると思います。

 

朝起きると雨だった時、家から出るのが億劫になりますし、私たちの生活には梅雨や台風などの地理現象が密接に関わっています。

 

しかし、それだけではありません。

 

例えば、多雨地域と少雨地域では、農業の形も違ってきます。そして多雨・少雨を決める要素に、山脈の風上や赤道低圧帯、梅雨前線、亜熱帯高圧帯などがあります。

 

今回の範囲をおさらいすることで、今もっていたり、これから身につける地理の知識の関連性が深まると思います。

 

それでは順に解説していきます。

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多雨:山脈の風上(多雨)

これは、日本の日本海側で冬に撮影された写真です。

 

冬になると、天気予報では日本海側の多くの県が雪予報になっていることが多いと思います。

 

なぜでしょう。

 

そこには日本列島の山地が大きな影響を与えています。

上の図を使って説明していきます。冬になると、シベリア高気圧が発達します。

 

シベリア高気圧から冷たい風が吹き出し、日本海の上を通って日本にやってきます。

 

その際に、日本海上で水蒸気をたくさん含みます。その湿った空気が山地にぶつかると上昇気流になり、雪になるのです。

 

同じ現象がチリ南部(アンデス山脈の風上)、アッサム地方(ヒマラヤ山脈の風上)でも起こります。

 

チリ南部では年中偏西風が吹きこむため多雨地域となっており、アッサム地方では夏の南西季節風が吹きつけるため、夏の降水量が多くなります。

 

多雨:赤道低圧帯

次は赤道低圧帯の影響を受けて生じる降雨についてです。

赤道低圧帯は、上の図の赤斜線部分に位置します。ではどうして赤道低圧帯が雨を降らすのでしょうか。

 

それは太陽の位置と大いに関係があります。簡単に説明します。

 

赤道付近は太陽の光がほぼ真上から当たります。だから暑いですよね。そうすると、空気が温まって上昇します。上昇気流が生じるということです。

 

赤道付近は特に暑いので急に大きな雲ができやすくなります。だからよく雨が降ったり、「スコール」と呼ばれる短時間のうちに大雨が降る現象が起きたりするのです。

多雨:梅雨前線

次は、みなさんが毎年経験する梅雨です。毎年6月から7月にかけてほぼ毎日雨が続き、なんとなく憂鬱な気分にさせられますよね。

 

この「梅雨」という現象は日本特有のものですが、世界に同じ要因でできる降雨は存在します。

 

なんだと思いますか?それは「前線」です。

 

「前線って何?」と思う方がいるかもしれないので、簡単に説明します。

 

一言でいうと、前線とは、「暖かい空気と冷たい空気の境目」のことを言います。そしてこの境目で、軽い暖かい空気が上に行くことで、上昇気流が生じ、雨が降るのです。

 

そしてこの前線にも種類があります。(もしかしたら中学生のころ理科で学習したのを覚えている方もいるかもしれません、、、)

①温暖前線

②寒冷前線

③停滞前線

④閉塞前線

です。

梅雨が生じる原因は③の停滞前線です。

 

停滞前線はその名の通り、暖かい空気と冷たい空気の押し合う力が同じくらい強く、ずっと動かないので停滞してしまいます。梅雨がなかなか終わらないのはこのためですね。

 

停滞前線はどの季節でも生じることがありますが、特に梅雨の時期に生じるものを「梅雨前線」というのです。梅雨前線では、暖かい空気:太平洋高気圧(小笠原気団)、冷たい空気:オホーツク海高気圧によって前線がつくられます。

 

ちなみに、同じ停滞前線には秋雨前線があげられます。

 

少雨:亜熱帯高圧帯

これはサハラ砂漠の写真です。世界最大の砂漠で有名ですよね。

 

砂漠ができるのは単に乾燥しているからだ、と思っている方も多いのではないでしょうか。

 

ところが、これは亜熱帯高圧帯の影響でできているのです。

亜熱帯高圧帯は上の図のオレンジの斜線部分、南北回帰線のあたりに存在します。

 

この地域は年中亜熱帯高圧帯に覆われているので、下降気流が生じ、※上昇気流は生じなくなります。

 

※(高圧帯に覆われる=上からの空気の圧が大きい=上から下へ空気が流れる)

 

上昇気流が生じないと、雨は降りません。なので、年中雨が降らず、砂漠が形成されるのです。

 

同じようにしてできた砂漠には、グレートヴィクトリア砂漠(オーストラリア)、カラハリ砂漠(アフリカ南部)などがあります。

 

まとめ

内容についてまとめる前に、今回出てきた場所の確認をしておきます。

山脈の風上にあたる多雨地域は

①チリ南部(アンデス山脈の風上)、②アッサム地方(ヒマラヤ山脈の風上)

 

亜熱帯高圧帯による多雨地域は

①サハラ砂漠、②カラハリ砂漠、③グレートヴィクトリア砂漠

ですね。

 

では簡単におさらいをします。

【多雨】

・山脈の風上

海上を通り湿気を帯びた空気が山脈にぶつかって上昇気流ができる

・赤道低圧帯

赤道付近は暑いので、空気があたたまり、上昇気流ができる

・梅雨前線

暖かい空気と冷たい空気がぶつかったとき、暖かい空気が上へ逃げて上昇気流が生じる

【少雨】

・亜熱帯高圧帯

年中高圧帯に覆われているので、下降気流が生まれる。上昇気流はできない。

 

多雨地域・少雨地域を一度自分で白地図に書き出してみると、地形と結び付けて覚えられます!

また、亜熱帯高圧帯との位置関係もわかりやすくなるのでお勧めです。

今回登場していない地域も各自勉強して押さえておきましょう!

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