【生物基礎】免疫に関わる細胞の働きを入試問題つきで解説

生物の体内環境

私たちの体を一つの国に例えるとします。体は国と同じように、絶えず人や物資が入り込んでくる開かれた国と言えます。

 

国に危害を及ぼす恐れのある人は、入国できないようになってます。そして、国に悪者が入ってきたときには、体はそれを見つけて捕まえたり、追い出したりします。

 

体も国と同じように、悪者が中に入らないように防衛する機能を持っています。

 

この働きが免疫です。

 

今回は免疫について、体の中で働く細胞を通して見ていきます。受験科目として生物基礎を選ぶと、免疫はよく入試問題に出されます。

 

特に医療系は必ず出ると言っても良いです。しっかり基礎を押さえておきましょう。

 

また、この記事の最後には入試問題がついています。是非最後まで記事を読んで、理解したかを問題で確認してみてください。

 

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自然免疫

皮膚や粘膜による防護を通りぬけた病原体などには、自然免疫が働きます。

自然免疫の主な働きは、好中球やマクロファージなどによる食作用です。食作用は、入り込んできた異物を包み込んで消化分解することです。

 

食作用は無差別に異物を取り込みます。自然免疫で働く細胞を見ていきましょう。

好中球

細胞の中の一般兵のような存在です。

 

入ってきた病原体などを、食作用で排除します。

 

単球/マクロファージ

マクロファージの、マクロは「大」ファージは「食べる」を意味します。その名の通りよく食べる細胞です。

 

マクロファージは、次の獲得免疫において異物の情報を伝える働きがあります。マクロファージは、病原体などの異物を食べると、その異物をいくつかの断片にします。

 

その断片を自分の標識タンパク質に貼り付けて、細胞膜に展示します。これを抗原提示と言います。

 

指名手配の張り紙をするように、異物の情報を他の細胞に伝えるのです。

樹状細胞

マクロファージと同じように、食作用があり、抗原提示を行う細胞です。

 

獲得免疫

マクロファージなどで提示された抗原の情報を受け、獲得免疫がはたらきます。自然免疫で働く細胞は、無差別に異物を排除していました。

 

獲得免疫では、戦う敵に向けて防御していきます。

ヘルパーT細胞

抗原の情報を受けて、免疫の指令を出すのがヘルパーT細胞です。

 

T細胞と言われるのは、胸腺(thymus)で成熟するためです。

 

ヘルパーT細胞は、体液性免疫で働くB細胞や、細胞性免疫で働くキラーT細胞の増殖を促進させます。

体液性免疫

B細胞

ヘルパーT細胞は抗原の提示を受けると、抗原に対応するB細胞を増殖させます。

 

B細胞は、短期間に増殖して、抗体を産生する抗体産生細胞になります。

 

抗体は、抗原を倒す飛び道具のようなものです。

 

抗体によって抗原は無効化されます。

 

細胞性免疫

キラーT細胞

キラーT細胞は、病原体に感染した細胞を直接攻撃して破壊する細胞です。

 

キラーT細胞は、異常と見なされた細胞を片っ端から殺していきます。

 

がん細胞や、移植臓器なども攻撃対象になります。

 

入試問題にチャレンジ

それでは、早速関連問題を解いていきましょう。

 

わからなければ、復習をしてください。

問題

ヒトの体液による生体防御のしくみは大きく2つに分けられる。第一のしくみは、(  ア  )免疫とよばれ、体内への異物の侵入に対して即座に起こる反応で、異物の種類にかかわらず起こる。これは、ある細胞が体内に侵入した異物である細菌やウイルスに対して集まり、異物を捕食して分解・無毒化する反応である。第二のしくみは ( イ  )免疫とよばれ、特定の異物に対してのみはたらく防御で( ウ )細胞によるものと、異物に特異的に結合する物質によるものの2つがある。1つ目の免疫反応は、ウイルスが生体の細胞内で増殖するため、(  ウ  )細胞がウイルスに感染した細胞を直接攻撃するしくみである。 Ⅳ2つ目の免疫反応は、(  エ  )細胞が体液中に放出した抗体によって細胞外で増殖する細菌を攻撃するしくみである。  〔リードライトノートより引用 10弘前大 改〕

 

 

(1) 文章中の (ア)〜(エ ) に適する語句を,次の①~⑥のうちから1つずつ選べ。

① A  ② B  ③ T  ④ 自 然  ⑤ 獲 得  ⑥ 特異的

(ア)④  (イ)⑤  (ウ)③  (エ)②
免疫には自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫は好中球やマクロファージなどの白 血球による食作用のことを言います。獲得免疫は体内に侵入し た異物を特異的に排除する免疫です。獲得免疫は、体液性免疫と細胞性免疫に分かれます。体液性免疫ではB細胞が抗体を作り、細胞性免疫ではキラーT細胞が病原体に感染した細胞を殺します。

 

(2) 下線部Ⅰにあてはまる細胞を次の①~⑤から2つ選べ。

① 赤血球  ② リンパ球  ③ 好中球  ④ 単 球  ⑤ 血小板

③ ④
自然免疫では好中球や単球が主に働きます。

 

(3) 下線部Ⅱ~Ⅳはそれぞれ何とよばれているか。名称を答えよ。

II…食作用 III…細胞性免疫 IV…体液性免疫
好中球やマクロファージなどが異物を食べることを食作用と言います。
細胞性免疫は、B細胞が放出する抗体によって異物を排除する免疫です。
体液性免疫はキラーT細胞が感染した細胞ごと細胞を殺す免疫です。

 

(4) 下線部Ⅳの免疫反応が起こる過程で,下の(a)~(d)の現象が見られる。この免疫反応が起こる過程を正しい順に記号を用いて並べよ。

  •  (a)  (エ) 細胞が活性化する
  •  (b)  樹状細胞が抗原を提示する
  •  (c)  抗体産生細胞が抗体をつくる
  •  (d)  (ウ) 細胞が抗原を認識する
b→d→a→c
マクロファージや樹状細胞が食作用で抗原を分解する。→抗原を細胞表面に移動させて提示する。→ヘルパーT細胞が抗原を認識する。→ヘルパーTによりB 細胞が活性化され,B細胞は抗原産生細胞に分化。→抗体を産生する。→血しょう中に放出する。
という流れで、体液性免疫は起こります

 

まとめ

今回の内容は以下のとおりです。しっかりと覚えておきましょう。

 

  • 自然免疫で主に働くのは、好中球マクロファージ樹状細胞
  • 獲得免疫では、共通でヘルパーT細胞が働きます。
  • 獲得免疫の体液性免疫では、B細胞が抗体を作るようになります。
  • 獲得免疫の細胞性免疫では、キラーT細胞が働きます。

なお、おすすめの参考書として「田部の生物基礎をはじめからていねいに (東進ブックス 名人の授業)」がわかりやすくておすすめです

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コメント

  1. […] 免疫についての記事は「【生物基礎】免疫に関わる細胞の働きを入試問題つきで解説」がありますのでこちらも読んでください。 […]

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