関係詞の非制限用法(「継続用法」または「限定用法」ともいいます)は、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。
今回は関係詞の制限用法と非制限用法の見分け方のコツや関係代名詞の非制限用法、関係副詞の非制限用法の使い方などをくわしく解説します。
また、最後に演習問題をつけていますのでわからない人はしっかりと問題を解いてちからをつけましょう。
非制限用法としてwho・who・whose・whom・whichの中でどれを使ったらいいかや非制限用法のときはなにを指しているのかしっかり学んでいきましょう!
今回の記事を読んだらわかること・制限用法と非制限用法のちがいがわかる
・「制限用法が使えないとき」わかる
・関係副詞の制限用法と非制限用法がわかる
制限用法と非制限用法のちがいとは
関係詞とは先行詞と呼ばれる名詞部分を後ろの文(SV文)で詳しく説明をするときに使います。関係詞には関係代名詞と関係副詞の2つがありましたね。
関係代名詞を復習したい人は過去の「関係代名詞について解説!関係代名詞の基本を徹底解説【英文法】」を読んでみてくださいね。
制限用法と非制限用法のちがい
関係詞の制限用法と非制限用法の最大のちがいとは、文の中でカンマ付きの関係代名詞・関係副詞の文であるかそうでないかです。
カンマがある文が非制限用法です。
例文で見ていきましょう。
【 制限用法 】He has a son who is a doctor.
【非限定用法】He has a son, who is a doctor.
カンマは文章を一度区切るためにあります。
2つ目の非制限用法の場合、He has a son,(彼には一人の息子がいます。)そしてwho is a doctor.(その息子は医者です。)という訳になります。
制限用法の場合は先行詞a sonに対して医者である息子が一人いる、説明になりますのでもしかすると医者でない息子が他にいる可能性があります。
それに対し、カンマを使用した非制限用法の文章では息子は一人だと言い切ることができるのです。
非制限用法の特徴は関係詞の後ろの文が先行詞に対するつけたし・補足情報を表していることです。カンマが入るので意味合いとしては一旦区切り後ろの文の情報をつけたすイメージです。
このことをふまえると下記の文は制限用法では表せない事になるのですがどこがだめなのか考えてみてください。
(私は韓国で一番大きい都市であるソウルに住んでいました。)
この文ではSeoul(ソウル)が先行詞でソウルについての説明が後ろの文でなされています。
韓国で一番大きな都市という説明ですが、カンマのない制限用法での文章では、ソウルという都市が韓国以外の国に存在するかのような文章になってしまうので、厳密にはカンマを使った非制限用法で表すのが正しいです。
(私は韓国で一番大きい都市であるソウルに住んでいました。)
カンマを使うことで非制限用法となってソウルは「ひとつだけの韓国の都市」とあらわすことができました。
また、非制限用法が使える関係代名詞と関係副詞は決まっています。そして非制限用法では関係代名詞と関係副詞の省略は不可なので注意しましょう。
関係代名詞の非限定用法の先行詞について
非制限用法で用いられる関係代名詞は人をさすwho(主格)、whose(所有格)、whom(目的格)、人以外の物をさすwhichだけであり、カンマと一緒に使えないthatとwhatの非制限用法はありません。
これは、thatなどがくると文の代名詞となり誤解が生じるためと言われています。
それでは非制限用法の先行詞について具体的にみていきましょう。
先行詞が直前の名詞を指す場合
(こちらがケンで、彼は大阪出身です。)
(彼は3人の娘がいる(他に娘はいない)私はニューヨークで彼女たちに会いました。)
(彼には娘がいます(他にいない)。その娘の声は美しいです。)
先行詞が人以外の場合も同様です。
I live in Chiba, which is next to Tokyo.
(私は千葉に住んでいます。千葉は東京の隣にあります。)
先行詞千葉は固有名詞、かつ人以外の物です。先行詞の後ろの文が不完全ですので主語の役割をする関係代名詞whichがはいります。
以上のように非制限用法では通常の関係代名詞と同様直前の名詞を先行詞にとります。
先行詞が文を指す場合
しかし、非制限用法の先行詞について注意しなければならないのは、人以外の物が先行詞の場合使う関係詞、whichでは先行詞を含む文全体を関係詞がさす場合があります。
例文を見てみましょう。
He said the he won a lottery, which was a lie.
(彼が宝くじに当たったといった事は嘘でした。)
この場合、a lotteryのみを先行詞とみると後ろ文で宝くじがうそをついた、となりおかしな文になります。
このときは彼の発言内容全体=He said the he won a lottery全体にwhichがかかっています。このように前文の一部や前文全体を指すので覚えておきましょう。
前文すべてにかかるとしてもカンマのついた関係詞の非制限用法には変わりありませんので、かかる部分に対してのつけたしや補足説明であることは変わりません。
では、次に以下の問題を解いてみましょう。次のカッコに入るものはどれでしょうか?
1. which 2. who 3. why 4. how
whoを選びたくなりますが、whoを選ぶと関係詞節は「Susanが完全な嘘」という意味になり意味が通らなくなります。
ですのでこの場合は前の文の「he saw Susan」という「彼がスーザンを見た」という文が先行詞とならないと意味がおかしくなります。
関係代名詞の制限用法では先行詞が直前の名詞か文かを判断する場合、文章の意味を考えて先行詞を決定しましょう。
関係副詞の非制限用法
つぎに関係副詞の非制限用法をみていきましょう。関係副詞でもカンマをつけた非制限用法があります。
例文を見てみましょう。
(彼女はパリに引っ越してそこで絵画のレッスンを受けました。)
Parisが先行詞で、関係詞の後ろの文が完全文ですので、who、whichは入りません。この場合場所(他に可能性がないのでカンマつき)なので関係副詞のwhereが入ります。
関係詞の選び方は非制限用法であっても通常の関係詞のルールと同じです。
関係副詞が不安な人は「関係副詞の基本を解説!受験に頻出の問題形式も解説!【英文法】」を参考にしてみてください。
場所(where)・時(when)関係副詞の非制限用法
さきほどの例文のように、後ろの文が完全文で先行詞がカンマつきの確定された場所の場合、関係副詞のwhereがはいります。
では次にwhenの例文も見てみましょう。
彼は2000年にがんで亡くなったが, その時私はたった5歳だった。
関係詞の後ろの文I was only fourはで完全文です。
そのため、whichは入りません。2000という誰にとっても特定された時間をあらわしていますので、カンマつきで「時」をあらわすので関係副詞whenを使います。
時,(カンマ)+when~:(補足情報として)その時で~
関係詞の非限定用法 演習問題
学んできた非制限用法の復習をかねて演習問題をといてみましょう。
1.次の日本語訳と補足情報に対して正しい英文はどちらでしょうか。
・彼には娘がいて、その娘達全員は歌手です(歌手以外の娘はいません。)
(ア)He has daughters who are singer.
(イ)He has daughters, who are singer.
前提として他の娘がいないという事が記されていますので、非制限用法が使われるべきです。よってカンマのある(イ)He has daughters, who are singer. が正解です。
2.日本語の文に合うように選択肢から正しいものをえらんで英文を完成させましょう。
She kept silent, ( )made a bad impression on the police officer.
(彼女は黙っていました。そのことが警察官の印象を悪くしました。)
(ア)what (イ)which (ウ)that (エ)when
関係詞の後ろの文は主語のない不完全文です。カンマにはthatとwhatは使えませんので、whenかwhichが残ります。whenは時をさす関係副詞です。後ろの文は完全文でないといけませんので選考しと後ろの文から判断してwhenではありません。この文は前文全体にかかる関係詞whichを選びます。よって(イ)whichが正解です。
3.日本語の文に合うように選択肢から正しいものをえらんで英文を完成させましょう。
Wait till Sunday, ( )I will tell you everything.
(日曜日まで待ってください。その時にあなたにすべて話すつもりです。)
(ア)which (イ)what (ウ)that (エ)when
関係詞の後の文が完全分です。なのでwhichは入りません。カンマつきでthatとwhatは使えませんのでSundayの時を先行詞にした関係副詞(エ)whenが正解です。
関係詞 非制限用法のまとめ
より詳しく、問題演習をしたい人は「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」か「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」をご利用ください。
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