比較級の重要慣用表現を解説【英文法】

みなさん、今回は英文法比較の重要構文や慣用表現について学習していきます。

 

原級を使った構文と比較級を使った構文の他に、高校英語では試験に出やすい「the 比較級,  the 比較級」の構文や英会話でよく使われるas soon as possibleについてやno more than, no less thanの意味や違いなども詳しく解説していきます。

 

その他には、似ていて区別のつきにくい as far as, as long as, as good asやat most, more or less, rather than の使い方も例文を見ながら一緒に勉強していきましょう。

 

比較の基本や比較級について復習したい人は「 高校英語の比較級の問題を総合解説!(prefer toやsenior toなどの比較表現や倍数表現も含む)【英文法】」をみてください。

比較級の基本を解説!比較級の例文と規則・不規則変化(er型,more型について解説)【英文法】
比較について総合的に解説します。比較は文により、原級と呼ばれる形容詞、副詞を比較級、最上級に変化する必要があります。more、mostをつけるのか、それとも語尾をer、estにするのか例文を見ながら不規則変化の単語もしっかりチェックしてくださいね。

 

今回の記事を読んだらわかること・英語の比較の重要構文や慣用表現がわかる

・no more than, no less thanの意味やちがい、使い方がわかる

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比較の重要構文

比較の構文はたくさんあります。どれも試験に出やすいので覚えるに越したことはないのですが、似たような語の構成が多いです。すべてを丸暗記よりも前提条件を理解すれば1つの意味に対して肯定と否定の文だとわかるので暗記が半分で済んでしまいます。

 

例えばmoreとlessは最初にmoreが肯定でlessが否定としっかり理解していればno moreとno lessの違いも分かり2個セットで覚えられるので効率がよいです。それではみていきましょう。

 

moreとlessの違い

moreは比較で使われる場合、肯定の意味でとらえましょう。反対にlessは否定の意味でとらえてください。

 

例えば

・I have more than 100 dollars.
私は100ドルより多いお金を持っています。

 

・I have less than 100 dollars.
私は100ドルより多くない(=少ない)お金を持っています。

 

more than の反対が less thanなのです。このmoreとlessの関係が前提となりますのでしっかり覚えておいてくださいね。そしてもうひとつ、とても重要な前提があります。それは…

not more, not less は肯定?否定?

moreは肯定、lessは否定という事が分かりましたが、これに否定のnotがついたらどうなるのでしょう。

 

not moreはmore肯定をnotが否定するので「否定」の意味に、less否定をnotが否定すれば「肯定」になるのです。

 

肯定×否定は「否定」、否定×否定は「肯定」になる。数学の正負の計算に似ていますね。この事が2つめの大切な前提になりますのでしっかり押さえましょう!

 

more than +数詞+名詞 シリーズ

先ほどのmore、lessの前提をふまえて数詞シリーズを説明します。


[ more than +数詞+名詞 ]「~よりも多い」という意味をあらわします。more thanの後の数字は含まれないため、以上ではなく、「より多く」と訳されます。言い換えるならoverです。

 

・I have more than 100 dollars. ( = I have over 100 dollars. )
私は100ドルより多いお金を持っています。

 

[ less than +数詞+名詞 ]「~よりも少ない」という意味です。more thanの否定の意味ですのでやはり後の数字は含まれないため、以下ではなく、「より多くない(=より少ない)」と訳されます。言い換えるならunderです。

 

・I have less than 100 dollars. ( = I have under 100 dollars. )
私は100ドルより少ないお金を持っています。

 


[ not more than +数詞+名詞 ]「多くても~、せいぜい」という数量の上限の意味をあらわします。more thanとは違って後の数字は含まれます。

 

notがmore thanの文全体を否定していますので元の「~より多く持っている」ことを否定するので「~より多く持っていることはない多くても~しか持っていない」となります。否定×肯定→否定です。

 

・I have not more than 100 dollars.
( = I have at most 100 dollars. = I don’t have more than100 dollars.)
私は多くても100ドルしか持っていない。

 

[ not less than +数詞+名詞 ]「少なくとも~」という数量の下限の意味をあらわします。notがless thanの文全体を否定していますので元の「~より少ない金額を持っている」ことを否定するので「~より少なく持っていることはない少なくとも~は持っている」となります。否定×否定→肯定です。

 

・I have not less than 100 dollars.
( = I have at least 100 dollars.)
私は少なくとも100ドル持っている。

 


[ no more than +数詞+名詞 ]「たったの~、わずか~しか」という意味をあらわします。このnoは「反対、逆」の noでmore (多い)の全く反対の意味をあらわしており、かつ話している人の感情をともないます。

 

よってニュアンスは「多いなんてとんでもない=~しかない」となりますでから「たったの~、わずか~しか」の訳になります。言い換えるならonlyとなります。否定×肯定→否定です。

 

・I have no more than 100 dollars.
( = I have only 100 dollars. )
私はたったの100ドルしか持っていない

 

[ no less than +数詞+名詞 ]「~もの、~ほど多く」という意味で、今度はless少ないをnoで否定して話す人の感情を伴っていますので「少ないなんてとんでもない=~もある」となります。言い換えはas many(much) asです。否定×否定→肯定ですね。

 

・I have no less than 100 dollars.
( = I have as much as 100 dollars.)
私は100ドル持っている


 

原級を使った構文・慣用表現

[ as ~ as possible] 「できるだけ~」

 

・Please call me as soon as possible.
できるだけ早く私に電話をください。

 

◆[ as + 原級 + as ever ]「相変わらず~、普段と変わらず~」

 

・This anime is as popular as ever.
このアニメは相変わらず人気です

 

◆[ as + 原級 + as ever lived ]「ずば抜けて、きわめて~」

 

・He is as smart a man as ever lived.
彼はきわめて賢いです。(今まで生きた人と比べて賢い=きわめて賢い)

 

 

◆[ as many(much) as + 数詞 + 名詞 ]「数(量)が…もの~」

 

As many as six millions people went to the concert.
6万人もの人々がそのコンサートに行きました。

 

時間や頻度をas+原級+asで「…も~」とあらわせます。

 

  • as long as three years    3年もの間 →  期間
  • as often as five times a month   週に5回も →  頻度
  • as far as the next station   次の駅まで →  距離
  • as recently as last month   つい先月→  時間的な近さ
  • as early as last the 3rd century   早くも3世紀には→  時間的な早さ

 

◆[ as good as 形容詞 ]「ほとんど~と同様、~と同然」

同じように良い」と誤訳しないように注意です。goodの意味は良いではなく、ぴったり合うという意味合いからきていてよい、というニュアンスなので同様(=比較してぴったり合う)の意味になります。

 

・This bag is as good as new.
このバッグはほとんど新品同様です

 

◆[ not so much A as B ]「AというよりはむしろB」

 

・She is not so much an actor as a singer.
彼女は俳優というよりむしろ歌手です。

 

解説しますと、soはasに置き換えて考えます。すると、asとasに挟まれているのは原級muchとa/an + 名詞のパターンです。原級の回で説明したようにnot as + 原級 + a/an +名詞A as 名詞Bという文はnotで否定になっているのでAとBの力関係はA<Bとなります。つまり、an actor < a singerですので俳優というより歌手となります。

同様に[ B rather than A ]や[ rather B than A ], [more (of)  B than A ]「AというよりはむしろB」を意味します。

・She is a singer rather than an actor. この場合AとBの位置に注意です。言い換え・並び替えの問題で間違えないようにしましょう。

 

◆[ without so much as+ 名詞(動名詞)]「~さえしないで」

 

・She left me without so much as saying goodbye.
彼女はさよならさえ言わずに私のもとから立ち去りました。

 

比較級を使った構文・慣用表現

[ the + 比較級 + SV…, the +比較級+ SV~] 「…すればするほど、ますます~する」

 

The higher you go, the colder it becomes.
高く上れば上るほどますます寒くなります。

 

元の文章はYou go high. とIt becomes cold.です。この2つの文の比較級を文頭に持ってきます。それぞれ副詞のtheをつけます。最初のtheは「~すればするほど」をあらわし、後ろのtheは「それだけますます」とあらわしています。今回はmoreの比較級ではないですが、moreと形容詞の場合や形容詞比較級+名詞はそれぞれが離れてしまわない様に注意です。

 

[ 比較級 +and +比較級 ]「ますます~、だんだん~」

 

・It is getting colder and colder.
だんだん寒くなってきています。

 

moreをつける比較級の場合、[ more and more +形容詞(副詞) ]
more and more popular

 

「ますます多くの~」と言いたい場合は、[ more and more +名詞 ]
more and more people

 

[ less and less ~]で、「ますます~ない」となります。
less and less important

 

[ (all) the +比較級(+for / because)] 「…のためにそれだけ、ますます~」

 

・I need to study all the harder for the entrance exam.
入学試験があるためますます勉強する必要があります。

 

理由を述べるforとbecauseの使い方は、becauseの後はSV(主語・動詞)がきて、forのあとは名詞、動名詞がくると思われがちですが、forも理由の場合だけはforの後にSVが来てもOKです。

 

[ none the +比較級(+for / because)] 「…だからといって、~ではない」all the 比較級 for/becauseの否定となります。

 

・I love him none the less for his faults.
彼は欠点があるけれども彼が好きです。(彼を愛さないことはない)

 

none the lessは否定×否定なので肯定の意味になります。ですからnone theの後に肯定の比較級がくれば否定×肯定で否定の意味になるので注意です。

 

・He was none the better for the treatment.
彼はその治療にもかかわらず良くならなかった

 

  • and what is more 「そのうえ、さらには」
  • what is worse「さらに悪い事には」
  • sooner or later「遅かれ早かれ、いつかそのうちに」

 

more or lessは2つ意味があります。ひとつは「多かれ少なかれ」ふたつめは「ほとんど、事実上」です。

 

・We are more or less selfish.
私たちは多かれ少なかれ自己中心的です。

 

・He has more or less retired.
彼は事実上引退したも同然です。

 

最上級を使った構文・慣用表現

at (the) most 「多くても、せいぜい(最大でも同じかそれ以下)」

 

・There were at (the) most 10 people in the restaurant.
そのレストランにはせいぜい10人の人しかいませんでした。

 

反対に、「少なくとも(最小でも同じかそれ以下)」at leastです。

 

  • at best  「最高でも、せいぜい」
  • at worst 「最悪の場合」
  • at  one’s best 「最高の状態で」

 

・I wasn’t at my best.
私の最高の状態ではありませんでした。

 

make the most of~  「~を最大限に利用する」(有利な条件で)

 

・You must  make the most of  this chance.
あなたはこのチャンスを最大限に利用しなければいけません。

 

不利な条件を最大限に利用する場合は、 make the best of~を使います。

 

比較 重要構文・慣用表現 まとめ

今回は英文法 比較の重要構文・慣用表現について勉強しました。たくさんあって少し大変でしたね…。moreとlessの意味とno、notがついた時の考え方など少々難しいので何度も読んで自分のものにしましょう。

 

次はいよいよ比較の最終章、比較の原級や比較級を使って最上級をあらわす表現を学びます。また、今回学んだ構文の言い換えやクジラ構文についても深堀りします。お楽しみに!

 

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コメント

  1. […] 比較の基本的な説明や表現などは、ブログ内の、比較級の重要慣用表現を解説【英文法】という記事で解説しています。是非、この記事を読む前にご一読ください。 […]

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