みなさんこんにちは。
受験に役立つヨーロッパの歴史【近代編】も第二回!今日は夢とロマン溢れる物語大航海時代を行います。
で、なんで夢とロマンが溢れるかというと、大航海時代が受験でそこそこ問われるのですね。実際、「2020年受験用 全国大学入試問題正解 15 世界史」で55校の問題がありますが、仏教大、関学、愛知教育、近畿、学習院と5校で問われています。
55校のうち5校で問われているって、意外と頻度高くないですか?つまり、入試ではみなさんが間違えやすくかつ出題するのが簡単という範囲といえますよね。この記事を読み終わると、入試やテストで大航海時代の問題が解けることになると思います。
しかも昨年のテストでの大航海時代の内容をちょっとだけみてみましょう。
1488年( a )がアフリカ南端の喜望峰に達し、1498年には( b )が喜望峰からアフリカ東岸を経由してインド西岸の( c )に到達した。 ーー近畿大学1月26日入試第1問
1488年には( イ )がアフリカ南端の喜望峰に到達した。さらに1498年にはヴァスコ=ダ=ガマがインドの( ロ )に直航する航路を開拓するなど ーー関西学院大学経済第2問
出題内容がほぼ一緒やん!すごくないですか?この時代のことを勉強することで入試問題を確実にゲットできるってかなり美味しい分野だと思います。
なお、前回のルネサンスについて学びたい人は「受験生に役立つヨーロッパの歴史【近代編その1】(ルネサンス)」を読んでください。
今回の記事のポイント・ルネサンスの三大発明は大航海時代につながった
・新航路は世界地図とセットで覚える
・ポルトガルとスペインの海外進出は頻出事項。人名とやったことを整理
大航海時代
15世紀に入ると、ポルトガルやスペインが積極的に海外に進出します。オスマン帝国を経由せずに香辛料を手に入れる航路を探索することが海外進出の目的でした。
ルネサンスで得た羅針盤の知識や航海術の発達などを背景に、新航路が開拓されます。
新航路の開拓
上述の問題にもありましたが、入試のポイントは新航路開拓の航路図です。まずは、誰がどの地方に向けて航路を開いたかを地図で覚えましょう。
ポルトガルの海外進出
(エンリケ航海王子:wikiより)
15世紀前半、エンリケ航海王子が中心となりアフリカ大陸にそって探検を始めました。エンリケはシエラレオネで生涯を閉じた後、28年後、1488年、バルトロメウ=ディアスがアフリカ最南端の喜望峰に到達。1498年にはヴァスコ=ダ=ガマがインドのカリカットに到達し、インド航路を開きました。
ポルトガルはアフリカより東にいくつかの拠点をつくります。インドにはゴア、東南アジアのマラッカ、中国のマカオなどが代表的拠点です。日本にも到達し、種子島で鉄砲を伝えました。
また、カブラルがブラジルに漂着したことにより、ブラジルはポルトガル領となります。中南米で唯一のポルトガル領なので注意しましょう。
関学と近大の問題の答え
これで、上述の問題はわかりましたね。1488年に(バルトロメウ=ディアス)が喜望峰に入り、次に1489年にヴァスコ=ダ=ガマがインドの(カルカッタ)に入ります。
ここら辺の知識はざっと流すのでなくきちんと読んで理解しておきましょう。
スペインの海外進出
(フランシスコ=ピサロ:wikiより)
スペインはコロンブスを支援し、大西洋へと乗り出します。先行していたポルトガルと衝突しそうになったので、教皇がスペインとポルトガルを仲裁します。
その後、両国は1494年、トルデシリャス条約を結びました。これはヨーロッパ以外の新領土について西経46度37分を境に東側はポルトガル領、西側はスペイン領として両国で世界を分けましょうという条約です。ちなみにユネスコの記憶遺産に認定されています。
コロンブス以後、スペインはカリブ海沿岸に進出しました。1513年、バルボアがパナマ地峡を発見。ヨーロッパ人として初めて太平洋に到達しました。
スペインといえば、中南米の征服です。コルテスは1521年にアステカ王国を征服。ピサロはインカ帝国を征服します。誰が、どちらの国を滅ぼしたか地図とセットで覚えましょう。
1519年、スペイン王の支援を受けたポルトガル人のマゼランは世界一周航海に出発。本人はフィリピンで殺害されますが、マゼランの船団は世界を一周して帰国します。人類で初めて世界周航を成し遂げました。
商業革命
商業革命とは、ヨーロッパの商業の中心が地中海沿岸から大西洋に移ったことを意味する言葉です。大航海時代になり、ヨーロッパとアフリカ、南北アメリカを結ぶ航路が発達し、大西洋沿岸の都市が発達しました。
ヨーロッパ人は武器をアフリカに持ち込みます。アフリカでは武器を得た部族が他の部族の人々を捕まえ、奴隷として売り払いました。奴隷たちは南北アメリカに運ばれ、鉱山や農場の労働力となります。
奴隷は、銀山での労働させられることが多かったのですが、のちに砂糖やタバコ、コーヒーなどの大農園(プランテーション)で働かされるようになります。
価格革命
中南米からヨーロッパに大量に持ち込まれた銀は、銀価格を暴落させました。大航海時代以前と比べ、小麦100リットルを買うために必要な銀の量が20倍に達することもありました。これは、小麦の価格が上がったともいえますし、銀の価値が下がったともいえます。
こうして、物価が急上昇することを価格革命といいました。
大航海時代の話はここまでです。どうでしたか?エンリケに始まり、人物、場所、年号をきちんと押さえておきましょう。お疲れ様でした。
次回のお話は宗教改革です。「【世界史B】受験に役立つヨーロッパの歴史(宗教改革)【近代編その3】」でお会いしましょう!
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[…] 大航海時代のことをもう少し詳しく知りたい方は、「大航海時代について解説(関連入試問題も解く)【世界史B】ヨーロッパ史…」をご覧ください。 […]