地球環境問題・エネルギー問題について解説(入試問題つき)【経済第13回】

今回は、地球環境問題・エネルギー問題を取り上げます。

 

近年深刻化している地球温暖化はもちろん、京都議定書・パリ協定など環境悪化に対する国際的な取り組みについても解説しました。

 

最後には入試問題も用意しているので、ぜひ最後までお読みください。

この記事からわかること

・近年クローズアップされている地球環境問題とは何か?

・エネルギー問題に関する日本の取り組み

・地球環境への国際的な取り組み(地球サミットなど)

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地球環境問題

(地球温暖化:wikiより)

ここでは、近年深刻化している地球環境問題を4つ紹介します。

 

1つ目は、フロンによるオゾン層の破壊です。オゾン層は本来紫外線を吸収するはたらきがありますが、スプレーなどで大量に使用されてきたフロンガスによってオゾン層の破壊が進みました。

 

オゾン層が壊れると、有害な紫外線が降り注ぎ、皮膚がんや白内障の多発につながる恐れがあります。そのため、1985年のウィーン条約や、1987年のモントリオール議定書により、フロンガスが規制されるようになりました。

 

2つ目は、地球温暖化です。地球では平均気温が年々上昇しています。石油・石炭などの化石燃料の大量消費により温室効果ガスの排出量が増大したことが主な原因です。

 

地球温暖化が進んだことを受けて世界では、異常気象・集中豪雨・海面上昇・沿岸低地の水没などの懸念が高まっています。

 

3つ目は、工場・自動車などから排出される窒素酸化物・硫黄酸化物が原因で生じる酸性雨です。森林や農作物をはじめ、河川や湖沼に生息する生物・歴史的建造物にも被害が及んでいます。

 

4つ目は、生物多様性の消失です。乱獲・環境汚染などにより多くの野生生物種が絶滅の危機に陥っています。対策として、1971年にラムサール条約が採択されました。

 

ラムサール条約は、水鳥の生息地として重要な湿地を保護するための国際的な取り決めです。日本の北海道の釧路湿原や、滋賀県の琵琶湖も登録されています。

 

2年後の1973年にはワシントン条約が採択され、野生動植物の国際取引が禁止・規制されました。

エネルギー問題

(風力発電:wikiより)

資源・エネルギーの大量消費にともなって地球環境が悪化していることから、最近では太陽光・太陽熱・風力・バイオマスといった新エネルギーの開発が進んでいます。

 

ちなみにバイオマスとは、動物の排泄物などの動植物に由来するエネルギーです。

 

これらの新エネルギーのほか、水力や波力などのエネルギーはまとめて再生可能エネルギーと呼ばれます。

 

日本では2011年8月成立の再生可能エネルギー特別措置法にもとづき、2012年に固定価格買取制度が導入されました。これは企業や家庭が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを義務づけた制度です。

 

固定価格買取制度により、エネルギー自給率の向上を図ったというわけですね。

環境問題への国際的な取り組み

(気候変動枠組み条約締約国会議:wikiより)

地球環境への国際的な取り組みとして、1972年にスウェーデンのストックホルムで開催されたのが国連人間環境会議です。「かけがえのない地球」がスローガンに掲げられ、人間環境宣言が採択されたほか、国連環境計画(UNEP)の設置が決まりました。

 

1992年にはブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議地球サミット)が開催されます。主な出来事は以下の3つです。

 

①「持続可能な開発」を基本理念としたリオ宣言の発表
②21世紀への行動計画アジェンダ21の策定
気候変動枠組み条約生物多様性条約の採択

 

1997年には気候変動枠組み条約の第3回締約国会議が京都で開催され、京都議定書が採択されます。議定書では、2012年までに温室効果ガス排出量を先進国全体で5%削減するなどの数値目標が設定されました。

 

発展途上国には削減義務が課されないことに加え、アメリカが離脱するなど、課題もありましたが、ロシアの批准により、2005年にようやく発効に至りました。

 

また議定書では、京都メカニズムと呼ばれる制度が導入されています。京都メカニズムとは、他国のCO2排出量削減分を自国の削減分として組み入れられる仕組みです。

図(オリジナル)

例えば、国内での削減努力だけでは規定の排出量を超えてしまうA国と、規定の排出量以下まで削減したB国があるとします。そうすると、A国はB国から余った排出枠を買い取ることができる、これこそが京都メカニズムというわけです。

 

2002年には、環境・開発サミットが南アフリカ・ヨハネスブルクで開催され、「持続可能な開発」を実現するための具体的な実施計画とヨハネスブルグ宣言が採択されました。

 

また、2020年に失効する京都議定書に代わる新たな国際的な枠組みとして、2015年にパリ協定が採択されます。パリ協定は翌2016年に発効されました。特徴は以下の3つです。

①すべての国が参加している
②自主的に削減目標を設定(ただし、達成は義務ではない
③5年ごとに目標を見直す必要がある

 

S先生
S先生
アメリカはトランプ政権時にいったん離脱しましたが、バイデン政権で復帰しました。

 

今回の範囲はここまでとなります。続いて入試問題を用意しているので、ぜひチェックしてみてください。

入試問題にチャレンジ

問1 下線部ⓕ(温室効果ガス)の削減に関連する国内外の制度を説明した次の記述A~Cのうち、正しいものはどれか。当てはまる記述をすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、下の①~⑦のうちから一つ選べ。

A 気候変動枠組条約の京都議定書では、締約国間における温室効果ガスの排出量の売買を禁止していた。

B 日本では、福島第一原発事故後に施行された再生可能エネルギー特別措置法によって、再生可能エネルギーから作られた電力の固定価格買取制度が開始された。

C 気候変動枠組条約のパリ協定では、すべての締約国が温室効果ガスの自主的な削減目標を提出し、目標の達成に向けて取り組むことが定められた。

① A ② B ③ C ④ AとB ⑤ AとC ⑥ BとC ⑦ AとBとC

2020年 センター試験 本試験 政治・経済 第3問 問6より)

 

問2 Cパートの後半で、二人は「環境問題における国家間の対立と協調」について考え、関連した出来事を調べることにした。これらの出来事に関する記述として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① 国連人間環境会議(1972年)で、人間環境宣言が採択された。

② 気候変動枠組み条約の京都議定書では、温室効果ガス削減の数値目標が定められた。

③ 国連持続可能な開発会議(2012年)で、「グリーン経済」の推進が提唱された。

④ 気候変動枠組み条約のパリ協定では、締約国が温室効果ガス削減目標を設定し、その目標を達成することが義務づけられた。

2021年 共通テスト 本試験 政治・経済 第1問 問7より)

⑥ A:京都議定書で排出量の売買は認められていたので、誤りです。B・Cはいずれも正しいので、⑥が正解です。

 

④ パリ協定では削減目標の達成義務は定められておらず、あくまでも努力目標としているので、間違いです。

まとめ

今回は、環境問題・エネルギー問題を解説しました。

 

この記事で地球環境に関する国際的な取り組みとして取り上げた地球サミット・京都議定書・パリ協定は入試でも非常に重要な内容です。それぞれどのような取り決めがなされたのか、しっかり理解しておいてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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