2021年大学入試で、新しく大学入試の第一関門になるのが大学入学共通テストです。今回は大学共通テストの化学の出題範囲の分析とテスト対策について述べていきます。
大学入学共通テストになったことでセンター試験よりも理科の場合は全て難化する傾向が顕著です。特に化学に関しては、一つの答えさえ知っていれば点数獲得が比較的容易だった問題数が大幅に減少し、融合知識を問う問題や、正解全てを知っていないと満点が取れない問題、加えて高分子の範囲が増加するためかなり負担が増えると予想されます。
そんな中重要なのは、傾向をより早く掴み、的確な対策をすることが大切なのです。今回は、そんな大学入学共通テストの化学の勉強法を中心に紹介します。
化学の出題分野の種類とその特徴
化学とは、『物の変化を知る学問』という言葉がふさわしく、地上に構成する物質を作り上げている原理、重さ、反応、変化といった物全般に関する学問になります。
原子と分子、モル計算:周期表による原子の特徴と意味物質の重さと原子数の概念のモルを学習し、同じ原子数が存在すれば、反応の前後で重さの変化がない質量保存の法則を中心に学びます。
化学における基礎分野です。重要なのは、この分野は中学生でもやっている分野のため、最初は難易度が低いが、入試問題でも計算等が複雑になるとかなり手こずるのが特徴です。基礎的概念や計算力が弱いと苦手になりやすいのでしっかり演習をすることが大切です。
熱力学:物理を選択している場合なら、ここはセットでしっかり学習したい分野です。化学と物理に分けられているのは、化学分野のほうが、より前後の反応を意識した内容を学ぶためです。
絶対温度、状態方程式、熱の発生、ボイルシャルルの法則といったものを通じて、反応熱の発生や気体の体積変化と圧力に関して学びます。先程のモル計算が苦手な人はかなり苦戦するので、苦手な場合はそこからの復習が必要です。計算がスピードが要求されるので、大学入学共通テストの場合は時間切れに注意な分野になります。
酸化還元と電池:中学生時代に学んだ酸化還元の電子の受け渡しによって起こる現象とそれに関連する知識を問う分野です。
メッキの原理から、金属の酸化や還元は電気が流れる現象の発端で有ることを学びます。無機化学で金属関係の知識があると高得点が望める分野です。
無機化学:無機化学は主に金属の種類や周期表の並びから、それぞれの金属の特徴や反応を知る学問です。周期表は普段から見ておくこと、金属の炎色反応による光の変化や酸やアルカリに入れた時の変化、水溶液に溶けた色といった内容に関する出題が多いのが特徴です。
注意点は内容が薄いものの、しっかり12点程出題されるので満点を狙うならしっかり押さえるべき分野になります。ここが得意だと電池が非常に解けやすくなります。
有機化学と高分子:有機化学は水素と炭素を中心に構成された物質を指し、その構造や反応性に関する分野です。構造のつくりやモルによる反応計算、ジュール熱と言った知識まで問われるのが大きな特徴となります。
アルコールやベンゼン環、脂質、タンパク質といった身近な物質の特徴やその反応性に関する出題が多いのが特徴です。この分野は、暗記する分野が多く、原子と分子以外に基本的な構造や反応の特徴性をしっかり覚えないと点数が取りにくくなります。
高分子の場合は、ポリマーやモノマーの違い、構造に関する知識、アミノ酸といった知識を問う出題が多いのが特徴です。
大学入学共通テストのレベルまでの化学学習のポイント
化学の場合は基本知識を暗記し、その上で計算や現象と言った応用的な知識を問うのが大きな特徴です。そのため、学習のおすすめの方法はズバリ下の方法がベストです。
1. 化学の物質名、現象名、基本原理を暗記
2. 物質名と現象が起こる変化の理由を意識して計算や演習を重ねる(このとき時間を意識)
3. 周期表や資料集を常日頃見る習慣をつける
4. 1〜3まで演習を教科書、章末、センター化学I、センター化学IB、大学入学共通テストの順で学んだ分野から試験向けの実力まで上げていく
英語を学ぶために言語を知るのと同じで、コツコツ単語を学ぶように1を押さえ、その単語の使い方を学ぶため、演習を重ねるという形で入試レベルまで上げるのがポイントになります。
暗記が比較的多い形ですがその分テストで満点も狙える科目でもありますので地道にコツコツと勉強をしていきましょう。
今回はここまでです。お疲れ様でした。
前回の記事「センター試験と大学入学共通テストの化学の違い」についてはこちら。
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