大学受験において、「自分は文系だから数学は必要ない」と割り切ってしまう人が多いからこそ、ライバルと差をつけるチャンスが生じます。
今回の記事は、共通テストに向けてセンターで数学を勉強していた浪人生や国立・私立問わず文系だが数学を必要とする現役生に対し文系数学の勉強法についてフォーカスして話をしていきます。
文系数学は、例えば、2017年の早稲田大学商学部大学入試では、日本史、世界史、政治経済の平均点が30~40点に対し、数学の平均点は10点以下です。社会と数学の配点が同じであることを考えると、数学を勉強すればプラス30点は夢ではありません。
「でも数学の勉強は難しいのでは・・・」と思う方もいるでしょう。学校の授業を受けていて、中学数学と比べると難易度が上がってしまった高校数学に驚いて、挫折してしまった方もいるかもしれません。
しかし、実は文系数学は理系数学と比較して圧倒的に難易度が低い傾向があります。また、数学は暗記科目ではないので、適切な勉強法を実施し、基礎さえしっかり身に付ければ点数を取りやすい科目でもあります。
数学は、インプットした知識のアウトプット形式が複雑であるが故難しいと思われがちですが、逆に考えればインプットに必要な知識量は少なくて済みます。
暗記科目の多い文系では、覚えることが多いため、これ以上脳のキャパシティに余裕がないという方も沢山います。だからこそ脳のキャパシティを圧迫することなく効率良く点数アップを目指すことが重要です。
他の教科で差がつきにくいからこそ文系の数学で効率的に点数を取る稼ぐチャンスは見逃さないようにしましょう!
文系受験生の共通テスト対策:数学で9割以上を目指す(センター試験の分析から)
センター試験及び共通テストは基礎的な問題から構成されており、教科書レベルの問題が解ければ高得点をとることが可能です。
まずはセンター試験の問題構成を把握しましょう。その上で、自分の得意/不得意分野を理解することが重要です。
数学1Aの学習方法:基礎練習が重要!応用に必要なツールを学ぶ
【出題内容】
第1問:数と式、集合と命題、二次関数
第2問:図形と計量、データと分析
第3問:場合の数と確率
第4問:整数の性質
第5問:図形の性質
第3問から第5問は選択問題ですので3問の中から2問を選ぶことができます。センター試験では例年難しい傾向にある「図形の性質」は選択問題ですので、図形に対して苦手意識が強い受験生は選択しない選択肢もあります。
数字1Aは応用に繋げるツールの使い方を学ぶ段階です。数字1Aが理解できていない状況では数学2B・3は理解できません。基礎的な法則が身体に馴染むまで、教科書レベルの基礎的な問題演習を繰り返し解くことをオススメします。
高校数学は、大きくは「数式」、「グラフ(座標)」、「図形」の概念に大分されます。「数式」⇔「グラフ(座標)」⇔「図形」の互換に最初は戸惑いますが、まずは割り切ってルールを覚えましょう。新しいゲームをするのにも、最初はそのゲームのルールを覚えなければならないのと同じ感覚です。
基本的に1Aは最初のインプットさえクリアすれば、練習問題などは比較的簡単に解くことができます。そして、ある程度基礎的な問題が解けるようになったら、さっさと次のステップ数学2Bに進みましょう。
センターの話からは外れますが、数学1Aの応用問題は、数学2Bを習得した後の方が簡単に解けるものが多いので、数学1Aの段階に長くとどまるのはただの自己満足になるので禁物です。
ここで差がつく!数学2Bの学習方法、関数とB全般対策を
【出題内容】
第1問:三角関数、指数関数・対数関数
第2問:微分法、積分法、
第3問:数列
第4問:ベクトル
第5問:確率分布と統計的な推測
数学1Aと同様に、第3問から第5問は選択問題ですので3問の中から2問を選ぶことができます。とは言え第5問の確率分布と統計的な推測は例年難易度が高いので、得意でなければ選択しないことをお勧めします。
数学2Bは数学1Aと比較し、難易度が急に高くなると感じる人が多いです。特に三角比の応用である三角関数、そもそもの理解が難しい数列、今までと比較し飛躍的に難易度が上がる確率、この辺りが文系にとって躓きやすい内容となります。
自分の不得意分野を理解し、その分野を集中的に勉強するようにしましょう。
文系で数学を必要とする大学は?自分の志望校を確認しよう
それでは、文系で数学を必要とする場合について、私大と国立に分けて解説をしていきます。ご自分の志望に沿った形で受験戦略を組み立てていきましょう。
私立大学:志望学部の試験科目を要確認!
私立大学を受験する場合、まず自分の志望する学部の試験科目に数学があるか、センター試験において数学選択をすることが可能かを確認してください。
私立大学を目指す場合では、文系は数学が不要なこともあります。2次試験でもセンター試験でも数学がない場合は数学を学習する必要はありません。
自分の志望する学部の試験に数学がある場合、前に述べたような数学を学ぶ優位性が生じます。また、数学を勉強しておくと国公立と併願しやすいというメリットがあります。
受験する大学の選択肢を増やすというのは良い戦略でしょう。
国立大学:2次試験で数学ありなら応用まで、2次試験で数学なしでもセンター試験が超重要
国立大学を受験する場合は、文系でも数学は必ず必要になります。
なぜならば、センター試験で受験必須となっているからです。
旧帝大レベルや上位国立大学の一部を志望する受験生は2次試験で数学がありますので、センターよりかなり難易度の高い、応用レベルの数学スキルが必要となります。
国立大学であっても、地方大学などでは2次試験に数学がない大学もありますが、そのような大学ではセンター試験の点数配分が大きいため、センター試験数学で高得点をとる必要があります。
文系数学の勉強法、おすすめ大学受験問題集・参考書
旧帝大レベルや上位国立大学の一部を志望する受験生以外は基礎的な参考書兼問題集をオススメします。
ネット上でも評判の良いチャート式黄色本=「新課程チャート式解法と演習数学シリーズ」や、「数学基礎問題精講シリーズ(旺文社)」を使用すれば間違いはありません。
学校で使用している教科書や問題集を使用することもできます。
基礎的なものであれば、どの問題集・参考書を選択しても良いですが、その問題集・参考書を理解できるまでやりきること、間違えた問題は何度も復習して解けるようになることが大事です。
センター試験は時間制限が非常に厳しく、素早く解かなくてはいけないと言う問題もあります。
センター試験を受ける前に、問題構成と時間配分をしっかりと理解し、マーク方法に慣れるようにしましょう。
そのため、センター試験前にはセンター試験過去問問題集を購入し、時間を測定しながら、本番のイメージで解きましょう。センター対策の問題集としては解説が詳しい「大学入試センター試験過去問レビュー」をオススメします。
最後に:文系数学は差をつけるチャンス!
高校文系数学の勉強で一番重要なことは「あきらめない」ことです。「自分は文系だから数学はできない」と敬遠せず、効率的に高得点につなげるチャンスと思いましょう。
その為に、適切な勉強法を身につけ、不得意分野をしっかり対策できる効果的な勉強をしましょう!
コメント