みなさん、こんにちは。数学ⅠAのコーナーです。今回のテーマは【絶対値】です。
絶対値ってなに?不等式はどうやって解けばいいの?
今回はこんな疑問にお答えします。
絶対値とは$|x|$のような、絶対値記号| |のついた値のことですが、よく分からないですよね。この記事を読めば、絶対値とは何かが分かるだけでなく、絶対値を含む計算、絶対値を含む方程式・不等式の解き方も分かるようになりますよ。
それでは、始めていきましょう。
・絶対値を含む方程式・不等式の解き方がわかる
・自分で実際に絶対値を含む方程式・不等式を解ける
そもそも絶対値って何?
絶対値とは、絶対値記号| |のついた値のことだと先ほど言いましたが、それでは絶対値が何を意味しているか分からないですよね。
ずばり結論から言うと、絶対値とは「符号を無視した値」のことです。
たとえば、-2であれば符号 – (マイナス)が、6であれば符号 + (プラス)がついていますね。「符号を無視する」とは、-2を2、+6を6とすることです。
そのため、絶対値には符号がありません。
実際に計算しながら、絶対値に慣れていきましょう。
絶対値の計算をしよう
さぁ、実際に絶対値を含む式の計算をしていきましょう。
問題
①$|5|+|-2|$
②$|-1|+|-4|$
③$|3|+|0|$
解答
①$7$
②$5$
③$3$
絶対値の方程式・不等式を解こう
まずは例題で練習しましょう。
$|x+3|=5$
絶対値があるまま、方程式を解くことはできません。
では、絶対値を外すにはどうすればよいでしょうか‥‥?
絶対値は「符号を無視した値」でしたね。x+3の符号を考えましょう。
$0\le x+3$のときは、$|x+3|=x+3$、$x+3\lt 0$のときは、$|x+3|=-\left(x+3\right)$ですね。このように場合分けして方程式を解きましょう。
(ⅰ) $0\le x+3$すなわち$-3\le x$のとき
$|x+3|=x+3=5$
$x=2$
(ⅱ) $x+3\lt 0$すなわち$x\lt -3$のとき
$|x+3|=-\left(x+3\right)=5$
$x+3=-5$
$x=-8$
$x=2$も$x=-8$もそれぞれの条件$-3\le x$・$x\lt -3$を満たしていますね。よって、$|x+3|=5$の解は$x=2, -8$となります。
場合分けした条件を満たしているかの確認を忘れないように注意しましょう。
$3\le |x-1|$
絶対値を含む不等式ですね。方程式同様、場合分けして解いていきましょう。
(ⅰ) $0\le x-1$すなち$1\le x$のとき
$3\le |x-1|=x-1$
$3\le x-1$
$4\le x$
これは$1\le x$を満たします。
(ⅱ) $x-1\lt 0$すなわち$x\lt 1$のとき
$3\le |x-1|=-\left(x-1\right)$
$3\le -\left(x-1\right)$
$x-1\le -3$
$x\le -2$
これは$x\lt 1$を満たします。
以上より、$3\le |x-1|$の答えは$x\le -2$, $4\le x$です。
絶対値を含む方程式・不等式の解き方は分かりましたか?実際に問題を解いてみましょう。
問題
①$|x-1|=3$
②$|x+2|\lt 5$
③$2\lt |x-3|\lt 5$
解答
(1)$0\le x-1$すなわち、$1\le x$のとき $|x-1|=x-1=3$で、
$x=4$ となる。これは$1\le x$を満たします。
(2)$x-1\lt 0$すなわち、$x\lt 1$のとき $|x-1|=-\left(x-1\right)=3$で
$x-1=-3$つまり、$x=-2$ となる。これは$x\lt 1$を満たします。
(1)(2)より、答えは$x=-2, 4$
(1)$0\le x+2$すなわち、$-2\le x$のとき $|x+2|=x+2\lt 5$
$x\lt 3$と$-2\le x$より、$-2\le x\lt3$ を満たします。
(2)$x+2\lt 0$すなわち、$x\lt -2$のとき $|x+2|=-\left(x+2\right)\lt 5$=$-5\lt x+2$
$-7\lt x$と$x\lt -2$より、$-7\lt x\lt -2$ を満たします。
(1)(2)より答えは、$-7\lt x\lt 3$
(1)$0\le x-3$すなわち$3\le x$のとき $2\lt |x-3|=x-3\lt 5$で、$5\lt x\lt 8$となります。 これは$3\le x$を満たします。
(2)$x-3\lt 0$すなわち$x\lt 3$のとき $2\lt |x-3|=-\left(x-3\right)\lt 5$で、$-5\lt x-3\lt -2$ $-2\lt x\lt 1$となります。 これは$x\lt 3$を満たします。
(1)(2)より答えは、$-2\lt x\lt 1$と $5\lt x\lt 8$
今回のまとめ
今回は、絶対値とは何かという基礎から、絶対値を含む方程式・不等式の解き方という実践まで学習しました。絶対値を含む計算は大学入試の小問で出題されることも多い重要な分野です。とにかく「場合分けすること」それだけは忘れないようにしましょう。
今回もお疲れ様でした。
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