みなさん、こんにちは。数学ⅠAのコーナーです。今回のテーマは【二重根号】です。
今回は、田中君のように考えている人が、「二重根号だ!解き方知っているからラッキー!」と思えるように、二重根号について解説してきます。
苦手意識を克服するにはたくさん練習するのが一番。ということで、二重根号の公式を確認した後は、二重根号の問題に挑戦しましょう。
では、さっそく始めていきましょう。
・二重根号の解き方がわかる
・自分で実際に二重根号を解ける
二重根号の解き方は?
二重根号とは、$\sqrt{\sqrt{4}}$のように、ルートが二重になっているものでしたね。このような二重根号は、どのようにすれば解けるのでしょうか。
答えはかんたん。ルートの中を累乗の形にすればOKです。
$\sqrt{\sqrt{4}}$でいうと、$\sqrt{\left(\sqrt2\right)^{2}}$にするということです。
こうすると、$\sqrt{2}$と、ルートを1つにすることができます。二重根号の中が一項のみの場合は分かりやすいですね。
では、$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$だとどうでしょう。
二重根号の中が二項になっても、一項のときとやることは変わりません。$5+2\sqrt{6}$を累乗の形にできないでしょうか…?
$5+2\sqrt{6}=\left(\sqrt{2}+\sqrt{3}\right)^{2}$ですね。思いつきましたか?
このように、二重根号は、ルートの中を累乗の形にして、根号を1つにすることによって解くことができます。
ルートの中が累乗の形にならない場合
「二重根号は、ルートの中を累乗の形にして解く」と説明しました。ただし、ルートの中が累乗の形にならないからといって解けないわけではありません。
$\sqrt{4+\sqrt{15}}$を例に考えましょう。
$4+\sqrt{15}$を$\left(a+b\right)^{2}$の形にすることはできませんね。
このことは、$\left(a+b\right)^{2}=a^{2}+2ab+b^{2}$なのに、$\sqrt{15}$に係数がないことからも明らかです。
それならば、$\sqrt{15}$に係数2を付けてみましょう。
「分母・分子ともに同じ数をかけてもその値は変わらない」という性質をつかって、分母・分子ともに$\sqrt{2}$をかけて、$\sqrt{15}$に係数2を付けることにします。
$\sqrt{4+\sqrt{15}}$
$=\frac{\sqrt{2}\times \sqrt{4+\sqrt{15}}}{\sqrt{2}}$
$=\frac{\sqrt{8+2\sqrt{15}}}{\sqrt{2}}$
$8+2\sqrt{15}$は$\sqrt{3}+\sqrt{5}$の2乗ですね。
$=\frac{\sqrt{\left(\sqrt{3}+\sqrt{5}\right)^{2}}}{\sqrt{2}}$
$=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}$
分母の有理化も忘れないようにしましょう。
$=\frac{\sqrt{2}\left(\sqrt{3}+\sqrt{5}\right)}{\left(\sqrt{2}\right)^{2}}$
$=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{10}}{2}$
ルートの中が累乗の形にならないときは、分母と分子に$\sqrt{2}$をかけることで$2\sqrt{x}$の形を作りだし、累乗にしましょう。
問題を解いてみよう!
【問題】
①$\sqrt{\sqrt{49}}$
②$\sqrt{10+2\sqrt{21}}$
③$\sqrt{8+4\sqrt{3}}$
④$\sqrt{2+\sqrt{3}}$
⑤$\sqrt{7+\sqrt{33}}$
【解答】
今回のまとめ
今回は、二重根号について解説しました。二重根号は入試において頻出ではありませんが、小問で出る可能性も十分にあります。
そこで確実に点数を取るためにも、しっかりと解き方を覚えておきましょう。「ルートの中を累乗の形にする」というポイントを押さえておいてくださいね。
より数学の面白さを知りたい人は「はじめアルゴリズム(1) (モーニングコミックス)」がおすすめです。今ならkindleだと無料で読むことができます。
今回もお疲れ様でした。
コメント