古文の格助詞「の」「が」「より」「にて」とは何かが10分で理解できます【受験に役立つ古文】 

こんにちは! 今回は古文の助詞の中でも格助詞とは何かを解説します。また、代表的な格助詞「の・が・より・にて」も解説を加えて完全に理解していこうという取り組みです。練習問題も加えオススメの参考書も紹介させてもらいます。

 

格助詞は、現代でも使いますから用法も重なる部分が多いです。しかし、古文特有の使い方をする格助詞もあります。そして、そのような使い方をする格助詞が、受験では頻出です。ですから、格助詞は「現代とは違う使い方をするもの」を中心に覚えていきましょう。

 

受験生がこの記事を読むメリット・古文の格助詞とは何かがわかる

・具体的な格助詞「の・が・より・にて」の説明を練習問題とともに理解できる

・10分で読めて受験勉強の短縮にもなる

スポンサーリンク
スポンサーリンク

格助詞とは何か?

格助詞は、結論、助詞の種類の一つです。助詞活用しない付属語で、他に接続助詞、係助詞、副助詞、終助詞、間投助詞があります。

 

その中でも格助詞とは、体言やそれに準ずる語について語と語の関係(格)を表す役割を果たす言葉です。具体的には名詞の後に格助詞には、「が・の・を・に・へ・と・より・から・にて・して」があります。

 

●ポイント●
格助詞は、体言やそれに準ずる語の後に付く。
格助詞は、語と、そのあとに続く語との関係を示す。

主な格助詞

では、ここから主な格助詞を見ていきます。

 

先にも書きましたが、主な格助詞の用法のうち、現代語と異なる使い方をするものを優先して覚えていきましょう。訳し方も含めて覚えるのが、より効果的です。

「の」・「が」

格助詞で一番問われる頻度の高いのが「の」です。「の」の用法は次の5つです。格助詞「が」は「の」と用法は同じですから、合わせて覚えてしまいましょう。

 

《「の」の用法》

主格(~が) 主語であることを表す
例)人問ひし時(人が尋ねた時)

 

連体修飾格(~の) 体言を修飾する語であることを表す
例)花かたちも朝顔に似て(花の形も朝顔に似て)

 

同格(~で) 「の」を挟んだ前後が、同じものであることを表す
例)鳥小さきもいとうつくし(鳥で、小さい鳥もとてもかわいらしい)
*この同格現代語にはない用法であり、入試で問われることも多いですから、注意しましょう。

 

準体格(~のもの、~のこと) 体言の代用をする
例)この歌は、四条大納言なり(この和歌は、四条大納言のものである)

 

連用修飾格(~のように、~のような) 比喩を表す
例)時鳥、例鳴く(時鳥が、いつものように鳴く)

*連用修飾格は「が」にはなく、「の」のみの用法です
*連用修飾格は、文章中では「例の(いつものように)」という形で、和歌では序詞で使われることが多いです
例)あしびきの山鳥の尾のしだり尾ながながし夜をひとりかも寝む

 

これらの見分け方は、訳してみるのが一番の近道です。また、「同格」は前後で同じものを指しているかどうか、また、「連用修飾格」では「例の」となっていないか、比喩になっていないかを確認します。

●ポイント●
格助詞「の」は、主格、連体格、同格、準体格、連用格の五種類の用法を持つ。
それぞれの訳し方をしっかり身につけよう。

《練習問題》

次の下線部の格助詞「の」の役割を後から選び、それぞれ記号で答えよう。

1、中将、例うなづく
2、いと清げなる僧、黄なる地の袈裟着たるが着て
3、草の花は、撫子、唐はさらなり

ア、主格  イ、連体修飾格  ウ、同格  エ、準体格  オ、連用修飾格

《解答&解説》

オ。
「例の」とありますから、連用修飾格と判断します。
ウ。
「いと清げなる僧」と「黄なる地の袈裟着たる」は同じ人物を指しています。「黄なる地袈裟」の「の」は、連体修飾格です。

「唐(中国)のもの」と訳すことができます。「草花」の「の」は、連体修飾格です。

「より」

格助詞「より」は現代語にもありますが、古文特有の訳し方をする用法があります。注意しましょう。

 

《「より」の用法》

起点(~より)
例)大津より浦戸をさして漕ぎ出づ(大津より浦戸を目指して漕ぎ出す)

経由(~から、~を通って)
例)男、築地のくづれより通ひけり(男は、築地の崩れたところを通って通った)

手段・方法(~で、~によって)
例)徒歩より行く(徒歩で行く)

即時(~やいなや)
例)門引き入るるよりけはひあはれなり(門に引き入れるやいなや、雰囲気が趣深い)
*格助詞「より」を即時の意味で用いる場合、「動詞の連体形 + より」の形になっていることが多いです。

 

●ポイント●
格助詞「より」は即時の用法に注意!

「にて」

格助詞「にて」は、現代語では文語的な表現をしたり、改まった言い方をしたりする時に用いるぐらいですが、古文では用いられる頻度の高い助詞の一つです。

 

《「にて」の用法》

場所・手段(~で)
例)この家にて生まれし女子(この家で生まれた女の子)

手段・方法(~で、~によって)
例)筆にて書く(筆で書く)

原因・理由(~で、~によって、~ために)
例)物の怪にて時々悩ませ給ふ(物の怪のために、時々病気になりなさる)

資格・状態(~として)
例)和泉式部、保昌が妻にて丹後へ下りける(和泉式部は、保昌の妻として丹後へ下った)

 

●ポイント●
格助詞「にて」は文脈で意味を判断していこう!

まとめ

格助詞は、古文を読む時に、縁の下の力持ちとして働く大切な単語です。現代語と異なるものから、しっかり覚えて、古文をより楽しく読めるようになりましょう。

 

ここまで読んで格助詞についてより深く勉強したい人は「マドンナ古文 パワーアップ版 (大学受験超基礎シリーズ)」がおすすめです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました