みなさん、こんにちは。今回の数学IAの今回のテーマは、【三角形の面積】です。

三角形の面積って小学校で習ったんじゃないの?
そうです、その三角形の面積の求め方に、三角比の考え方を取り入れます。三角比についてきちんと理解していれば難しくはありません。では、始めていきましょう。
ここでは、数学のテストで安定して得点できるようになるために、基礎から応用へとステップを踏んで説明します。数学が苦手な人は、始めは基礎の部分だけを克服して、苦手意識が払拭できてきたら徐々に応用に進んでもいいでしょう。
まずは、各カテゴリーで少しずつでも得点し、試験でどんな範囲が出ても安定的に得点できるようにすることが目標です。次のステップでは、入試対策として苦手な科目やカテゴリーを戦略的に克服して、できるだけ満点に近づけるように持っていきましょう。
この分野は、前回の正弦定理・余弦定理と一緒に出されることが多いです。センター試験だけでなく、二次試験でもよく見かけます。でも、理屈をきちんと理解すれば、それほど難しくはありません。練習してクリアしてしまいましょう。
三角形の面積の公式に、三角比を使ってみたらどうなる?
早速ですが、公式です。

今回出てくる新しいことはこれだけです。しかも、どうしてその公式が成り立つのかを知ると、特に新しいわけじゃなかったんだなと感じるかもしれません。
公式を証明する前に、三角比について自信がない人は「【数学IA】三角比をマスターしましょう!」を読み直してみてください。
[L1_wsbStart][L_wsbAvatar]https://wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2019/10/teacher.png[L_wsbName]S先生[L_wsbText]小学校で習った三角形の面積の公式、言えますか?[L_wsbEnd]
[L1_wsbStart][L_wsbAvatar]https://wearewhatwerepeatedlydo.com/wp-content/uploads/2019/10/43ca64de9520f178ab62afe94fdec80d-e1571795746292.png[L_wsbName]たかし君[L_wsbText]簡単!底辺×高さ÷2でしょ?[L_wsbEnd]
そうです。それでは公式を証明します。
△ABC において、BC を底辺とすると、
底辺 =a
高さ =bsinC
よって、面積S は、
$
S=底辺×高さ÷2=12absinC
$
残り2つの角についても、同様に証明されます。
面積の公式からの応用
ここからは、面積の公式を応用した、豆知識です。覚えるべき公式ではありませんが、試験中に問題を解く時間が短くなったり、検算がしやすくなったり、知っておくと便利です。
まず、1つの角を共有する三角形の面積についてです。
△ABC,△ADE の面積S1,S2 は、公式を用いると、
S1=12AB⋅ACsinA, S2=12AD⋅AEsinA となります。
つまり、S1:S2=AB⋅AC:AD⋅AE と表され、1つの角を共有する2つの三角形の面積比は、その角をつくる2辺の長さの積の比になることがわかります。
次に、円に内接する四角形ABCD において、△ABD と△BCD の比についても考えます。
△ABD,△BCD の面積S3,S4 は、S3=12AB⋅ADsinθ, S_4=\dfrac{1}{2}BC\cdot CD \sin (180°-\theta) なので、\sin \theta =\sin (180°-\theta) の関係を用いて、
S_3:S_4=AB\cdot AD:BC\cdot CD
よって、こちらも面積比は、それぞれ \theta, 180°-\theta を作る2辺の長さの積の比となることがわかります。
公式を使ってみよう!
では、練習問題で今回出てきた公式を使ってみましょう。
例題\triangle ABC において、
(1) AB=4, BC=3, \angle B=60° のとき、\triangle ABC の面積S を求めよ。
(2) AB=4, BC=3, AC=\sqrt{13} のとき、\triangle ABC の面積S を求めよ。
公式のどこにどの値を入れるのかミス防止のために、簡単でいいので、図を描きましょう。
(1) まずは公式をそのまま使う基本問題です。図は下を見てください。
$
\begin{array}{rcll} S&=&\dfrac{1}{2}\cdot AB\cdot BC\cdot \sin B\\ &=&\dfrac{1}{2}\cdot 4\cdot 3\cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2} \end{array}
$
よって、
(2) 3辺の長さは与えられていていますが、角度はわかりません。三角形の面積を求めるためには\sin が必要ですが、直接求めることはできません。
まずは、余弦定理を使ってどれか1つの角度について\cos を求め、次に\sin と\cos の関係から\sin を導き出します。図は上を見てください。
BC^2=AB^2+AC^2-2AB\cdot AC \cos A より、
$
\begin{array}{rcll} \cos A&=&\dfrac{AB^2+AC^2-BC^2}{2AB\cdot AC}\\ &=&\dfrac{16+13-9}{2\cdot 4\cdot \sqrt{13}}\\ &=&\dfrac{5\sqrt{13}}{26} \end{array}
$
\sin^2 A+\cos^2 A=1 より、
$
\begin{array}{rcll} \sin^2 A&=&1-\cos^2 A\\ &=&1-\displaystyle\left(\frac{5\sqrt{13}}{26}\right)^2\\ &=&\dfrac{351}{26^2} \end{array}
$
0°<\angle A<180° なので、\sin A>0
よって、\sin A=\dfrac{\sqrt{351}}{26}=\dfrac{3\sqrt{39}}{26}
ここから、
$
\begin{array}{rcll} S&=&\dfrac{1}{2}AB\cdot AC \sin A\\ &=&\dfrac{1}{2}\cdot4\cdot\sqrt{13}\cdot\dfrac{3\sqrt{39}}{26}\\ &=&\dfrac{1}{2}\cdot4\cdot\sqrt{13}\cdot\dfrac{3\sqrt{3}\cdot\sqrt{13}}{26} \end{array}
$
公式の使い方、理解できたでしょうか?
過去問を解いてみよう!
最後に、入試で過去に出題された問題に挑戦してみます。
三角形ABC において、AB=2, BC=9, CA=9 とする。このとき、\cos \angle A=( ア )であり、三角形ABC の外接円の半径は( イ )である。この三角形ABC において、\angle A の二等分線と三角形ABC の外接円との交点でA とは異なる点をD とする。このとき\angle BAD の大きさを\theta (ただし、0°<\theta<90°)とすると\sin \theta=( ウ )であり、線分BD の長さは( エ )である。また、四角形ABDC の面積は( オ )である。
[2016 慶応大 看護医療学部 第3問]
最初にすることは、問題文の条件を図にすることでしたね。まずは前半部分です。
はじめに求める値は\cos A です。余弦定理を使って求めることもできますが、なるべく短い時間で解くために、\triangle ABC が二等辺三角形であることを利用して解いてみます。
点C から下ろした垂線と、辺AB との交点をH とすると、\triangle ABC は二等辺三角形なのでH は辺AB の中点である。よって、
AH=BH=1
ここから、
\sin^2 A+\cos^2 A=1 および 0°<\angle A<180° より、
$
\begin{array}{rcll} \sin A&=&\sqrt{1-\cos^2 A}\\ &=&\sqrt{\dfrac{80}{81}}\\ &=&\dfrac{4\sqrt{5}}{9} \end{array}
$
\triangle ABC において、外接円の半径をR とすると、正弦定理より、
2R=\dfrac{BC}{\sin A}
よって、
$
\begin{array}{rcll} R&=&\dfrac{BC}{2\sin A}\\ &=&\dfrac{9}{2}\cdot \dfrac{9}{4\sqrt{5}}\\ &=&\dfrac{81\sqrt{5}}{40} \end{array}
$
ここまでは、基本どおりに正弦定理・余弦定理の公式を使えば解けます。ここからが応用です。
問題文の条件を、最初の図に追加します。
さて、ここから後半部分が応用問題です。ここからの部分を解けるかどうかが合否の分かれ目です。
図をこのまま見ていても、\theta に関する値を直接求めることはできません。では、どうするか。他に\theta となる部分を見つけて、その見つけた部分で値が求められないか考えます。
円周角不変の定理より、\angle BAD=\angle BCD=\theta, \angle CAD=\angle CBD=\theta だとわかります。また、ここから、BD=CD とわかります。この関係と、補助線を1本、図に追加します。
追加した補助線は、外接円の中心O と点D をつなぐ線です。また、OD と辺BC の交点を点I とします。すると、\triangle BCD は二等辺三角形なので、I は辺BC の中点となり、また、\angle BID=\angle CID=90° となります。
ここで、\triangle CID について着目します。点I が辺BC の中点なので、辺CI の長さはわかります。
また、\triangle AHC と\triangle OIC の相似関係から辺OI の長さがわかり、これを線分OD の長さから引くと、辺DI の長さが計算できます。よって、辺CI と辺DI の長さがわかるので、\tan \theta が求められます。\tan \theta が求められれば、\sin \theta までもうすぐです。
求める順番をまとめると、CI の長さ→OI の長さ→DI の長さ→\tan \theta →\sin \theta です。
さあ、順番に求めていきましょう。
点I は辺BC の中点なので、CI=\dfrac{9}{2}
次は、DI の長さを求めていきます。
\triangle AHC と\triangle OIC は相似なので、AC:AH=OC:OH
よって、
$
\begin{array}{rcll} OH&=&\dfrac{AH\cdot OC}{AC}\\ &=&\dfrac{1 \cdot \frac{81\sqrt{5}}{40}}{9}\\ &=&\dfrac{9\sqrt{5}}{40} \end{array}
$
これより、
$
\begin{array}{rcll} DH&=&OD-OH\\ &=&\dfrac{81\sqrt{5}}{40}-\dfrac{9\sqrt{5}}{40}\\ &=&\dfrac{9\sqrt{5}}{5} \end{array}
$
よって、
$
\begin{array}{rcll} \tan \theta&=&\dfrac{DH}{CH}\\ &=&\dfrac{9\sqrt{5}}{5}\cdot\dfrac{2}{9}\\ &=&\dfrac{2\sqrt{5}}{5} \end{array}
$
\sin \theta と\tan \theta の関係は、1+\dfrac{\cos^2 \theta}{\sin^2 \theta}=\dfrac{1}{\sin^2 \theta} で表されます。これを式変形して、
$
\begin{array}{rcll} \sin^2 \theta&=&\dfrac{\tan^2 \theta}{1+\tan^2 \theta}\\ &=&\dfrac{20}{25}\cdot\dfrac{25}{45}\\ &=&\dfrac{4}{9} \end{array}
$
0°<\theta<90° より、\sin \theta>0 なので、
余弦定理より、2R=\dfrac{BD}{\sin \theta} となるので、
$
\begin{array}{rcll} BD&=&2R\sin \theta\\ &=&2\cdot\dfrac{81\sqrt{5}}{40}\cdot\dfrac{2}{3}\\ &=&\dfrac{27\sqrt{5}}{10} \end{array}
$
ここまで求められたら、四角形ABDC の面積S を求めるのは難しくありませんね。
$
\begin{array}{rcll} \triangle ABC&=&\dfrac{1}{2}AB\cdot AC \sin A\\ &=&\dfrac{1}{2}AB\cdot AC \sin A\\ &=&\dfrac{1}{2}\cdot2\cdot9\cdot \dfrac{4\sqrt{5}}{9}\\ &=&4\sqrt{5} \end{array}
$
$
\begin{array}{rcll} \triangle BDC&=&\dfrac{1}{2}BD\cdot CD \sin D\\ &=&\dfrac{1}{2}BD\cdot CD \sin (180°-A)\\ &=&\dfrac{1}{2}\cdot\displaystyle\left(\frac{27\sqrt{5}}{10}\right)^2\cdot \dfrac{4\sqrt{5}}{9}\\ &=&\dfrac{81\sqrt{5}}{10} \end{array}
$
$
\begin{array}{rcll} S&=&\triangle ABC+\triangle BDC\\ &=&4\sqrt{5}+\dfrac{81\sqrt{5}}{10} \end{array}
$
以上です。
今回のまとめ
三角比・正弦定理と余弦定理・三角形の面積のすべての説明が終わりました。この3つは、センター試験、二次試験のどちらにおいても一緒によく出題されます。
何がわかっていて、何がわかっていないのか、そして求める値は何なのかをしっかり把握して、多少遠回りしても粘り強く解いていくことが大事になります。
また、最後の過去問のように、問題文自体が求める答えの道筋になっていることも多いので、問題の意図を読むこともヒントになることもあります。
繰り返し例題を解いて、自分の強みにしてしまいましょう。
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