みなさん、こんにちは。今回は共通テストの政治経済についての分析をしていきたいと思います。
みなさんおそらく「大学入学共通テストって現行のセンター試験とどう変わるの?」とか「何かいい対策ってない?」とか考えていると思います。
そこで、大学共通テストの分析とオススメの対策をしていこうと思います。今回は、社会、特に政治経済についてプレテストを分析し、どういう問題が出されるか予想した上でオススメの勉強法を書いていこうと思います。
私は、長年、塾講師や教員をして多くの試験問題を分析するとともに多くの生徒を合格に導いてきました。その為、試験分析や対策には結構自信があります。
国公立で理系選択で政治経済を選択する人や文系でも選択する人にはオススメの内容となってますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
センター試験と大学入学共通テストの政治経済科目の違い
まず、現行のセンター試験と大学入学共通テストですが「両者に差はあるのか」「今までのセンター対策と違いがあるのか」という疑問ですが、結論を言うと両者には違いがあると思われます。
なぜ「あると思われる」という曖昧な表現を使うのかというと、実は政治経済の科目はプレテストでは平成30年度の1回しかないからです。
政治経済は平成29年度のプレテストでは行われておらず、比較検討対象が現在(2019年9月)のところ30年分しかありません。ですので分析は1年分のみの為、確実なことは大学入学共通テストが実際始まってからのこととなります。
そして、大学入学共通テストの平成30年度のプレテストを分析する限り、政治経済の問題を見る限り、センター試験と大きな違いは、大問ごとに取り扱っている内容が異なることかと思います。
その平成30年度に行われたプレテストによれば、
- 第1問では政治
- 第2問では国際政治
- 第3問では経済
- 第4問では国際経済
という分野が扱われています。
旧来のセンター入試では、新共通テストと同じような大問ごとに内容の大別はあったものの、第一問の政治の問題に経済の問いが混ざってくることもあったので、厳密に「第1問は政治の問題!」となっていませんでした。
それによって、対策もしやすくなったということができます。
例えば、これまでのセンター試験対策では先に政治の範囲を終わらせて、試しに過去問を解いてみようとなっても、政治の大問の中で国際経済の問題が入っていた為、大問を通して解くことはできず自分の勉強した範囲で断片的に問題を解くという形でした。
しかし、大学入学共通テストのプレテストでは完全に大問ごとに出題範囲が定められていたので「政治の範囲の勉強が終わったから、新共通テストの問題の政治の範囲を解いてみる」ということができるようになりました。
つまり、一旦、インプットに区切りをつけて、アウトプットをしてみるということができるようになったということになります。政治だけを先に勉強して政治を固めた上で経済を勉強していくみたいなことができるようになったということですね。
さて、形式面での違いについて述べてきました。ですが「出題の形式が変わっただけかよ」「大問ごとに整理されただけ?」とか思う人もいるかもしれません。
が、しかし、違いはそれだけではありません。内容面でも大きく変わっています。そこで次に内容面での違いについて述べていきます。
大学入学共通テストの内容について
現行のセンターの内容面での違いとして、単純な知識問題に加えて思考力を問う問題が出題されるという点があります。
「平成30年度試行調査_問題_政治・経済」の第1問A問題を見てみましょう。この第一問Aでは、a~d君の4人が民主主義についてそれぞれの意見を言ってその考えに近い文章を選ばせる思考力を問う問題が出題されています。
これは、基本的に現在の政治制度や、政治の思想、そして、現代の政治の思想を生み出した思想家の考えなどを問題の題材としています。まさしく政治制度や民主主義、憲法などの根底を理解しているか思考力を問う問題のようですね。
ただ、問2で日本国憲法の国会議決の定足数についての制度について知識問題も問われていることから、単純に暗記不要という訳ではありません。暗記と思考力両方を必要とする内容になっています。
また、問3では「どのように議決をすべきか」というテーマでの生徒Aと生徒Bによる論争の空欄に当てはまる主張を補充するといった問題が出題されていて、知識を前提に思考していく融合的な問題が出されています。
さらに、出題趣旨にも「考察したことや構想したことを適切な資料・内容や表現方法を選び効果的に説明 したり,それらを基に議論したりすることができる」とあるので、現行の知識重視の問題とは違い、知識+思考力が問われる出題になるというのは間違いなさそうです。
ではこういった従来のセンター試験とは異なる大学入学共通テストの政治経済の問題に対し、対策はどのように行って行けばいいでしょうか。
大学入学共通テストの政治経済の対策とは?
「思考力を問う問題とか対策のしようがないんじゃないの?」と思う人も多いことでしょう。しかし、これは誤りです。例えば、同じ思考力を問う問題でも政治について知見があるのとないのとでは大きなアドバンテージとなりえます。
ある程度、政治に関して知見があれば、問題文を読めば、答えにおおよその察しがつきやすく、いち早く答えを導きだすことが可能です。そこで、短期間で政治経済の知識を身につけられる必要があります。
あまり政治経済に時間をかけられない人は「センター試験政治・経済集中講義 三訂版 (大学受験super lecture公民) 」がオススメです。
集中講義は50のテーマに絞られて演習問題もついているので知識のインプットアウトプットに最適な一冊と言えます。
また、受験勉強を始めるには抵抗があるけど勉強しなければならないという初心者にはイラスト交えての最初のとっかかりとして池上彰の「イラスト図解 社会人として必要な経済と政治のことが5時間でざっと学べる」を読みましょう。大まかな政治経済がわかります。
なお、「ゴリゴリに政治経済を極めたい」「センター試験レベルの知識を網羅したい」という猛者は「改訂第3版 センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本」を読み込んだ上で「政治・経済 標準問題精講 四訂版」をやり込めば怖いもの無しになると思います。
政治経済は英語や数学ほど時間の取れる科目ではないので、自分の勉強の状態をみた上で判断するといいです。大事なのは、受験に合格することで政治経済を極めることではないので。
では、「政治経済の知識を入れたけど、思考力の問題ってどのように対策するの?」という当然の疑問がわくと思います。思考力を問う問題は、プレテストの例のように、一人一人の考えが異なる「主義・信条」が題材となるでしょう。
そこで、上記の問題集や参考書を使うときに単純に知識を入れるのでなく、「自分の頭を使って」政治的主義や信条の内容及びその違いと類似点に着目して勉強すれば問題ありません。〇〇主義ならこういう帰結になるな、と日々考えて勉強する必要があります。
例えば、資本主義と自由主義で、前者が個人がお金を得ることを前提とする経済面での概念で反対の概念が共産主義、後者は国家との関係で活動の制限が課されるかの権利面での概念で反対は社会主義という形で自分の頭で整理し理解しておけば問題ないです。
あとは、模試などを多く解き、思考力を問う問題を多く解くことで、経験を積むことは大切です。
暗記がどうしても必要なところ
最後に、政治でどうしても暗記しないといけない範囲だけお話しします。「全部?」と思うかもしれませんが(勿論、より多く暗記できた方がいいですが…)問題を解ける範囲は、「憲法の制度部分」という範囲で限定できます。
政治制度というのは、すべて、ほとんど憲法に記載されています。
中には、憲法に記載のない「委員会」の全会一致について慣習じみたものもありますが、政治の思想などかなり大まかなものを問う形式ではそのような細かな慣習は問われにくいと思います。
そのため、テキストで「憲法に定められるこの制度が大事」と書かれているところは、条文丸暗記する必要はありませんが、どういった内容なのか、理解し、把握しておく必要があります。
この記事のまとめ
以上、「大学入学共通テスト政治経済の分析及びオススメの勉強法」について解説しました。大学入学共通テストの政治経済は形式面でも内容面でも変化があり、特に内容面で思考力が問われるという話でした。
そのため、対策としては従来の知識をきちんと詰めておくこととその制度趣旨を考え普段から思考を整理しておくというものでした。
みなさんにとってよりより受験勉強ができるよう応援しています。質問がある人は遠慮なくコメント欄に記載してください。
最後に、社会について勉強する必要がある理由についての記事「受験でなぜ社会を勉強しなければならないのか?」もよければ読んでください。
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