受験でなぜ社会を勉強しなければならないのか?

よく、生徒から「社会科を学んで、将来何の役に立つのか」「なんで社会を勉強しないといけないのか」という質問を耳にすることがあります。

 

中学生でいえば、歴史、地理、公民、高校生でいえば、世界史、日本史、地理、現代社会、政治経済、倫理が受験科目となっています。これらを学ぶ意義は一体なんでしょうか。

 

公民や、現代社会、政治経済以外を学んでも、確かにあまり社会に出たとき役に立たないように感じます。例えば、歴史の内容を受験で必死に覚えたとしても、その知識を会社で使うことはまずないでしょう。

 

しかし、そこには必ず意義があります。では一体、社会科を受験で学ぶ意義とは何でしょうか。各教科と、すべての教科に共通する意義を解説していこうと思います。

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なぜ受験で歴史を学ぶのか?

なぜ、歴史なんて勉強しないといけないのか。

 

学生であれば、誰しもが持ったことがあるであろう疑問だと思います。しかし、歴史ほど勉強する意義が明確な社会科目はないと思います。

 

人類が地球でここまで繁栄したのは歴史のおかげといっても差し支えないからです。歴史の内容と絡めて、歴史の意義を説明しましょう。教科書などを見ても、やたら「文字の登場」を重要なファクターとして取り扱っています。これこそが、歴史が重要な意義を持っているといえるヒントです。

 

今までは慣習や伝承によって事物や出来事を伝えてきましたが、これではいずれ「事実の歪曲」という事態が発生します。

 

皆さん、一回は伝言ゲームをやったことあるかと思います。伝言ゲームの醍醐味は最後の答えが最初に伝えられたものとまったく違うものになってしまうことです。つまり、何代も伝承していけば、いずれ最初に伝えられたものとは違うものになってしまうのです

 

これが、文字の登場によって、起こらなくなった、だからこそ、文字の登場から「有史」、つまりは「歴史の始まり」としての重大な位置づけがなされているということです。

 

人類の発展は「文字の発展」により加速し、文字の発展は「歴史の発展」と言い換えることができます。つまり、三段論法的に人類の発展は歴史の発展だといえるのです。過去の偉人の知識を理解することで、学問や化学が発展しました。それと同じように、社会もまた、過去の政治の失敗や、経済の失敗を得たうえで、現代の政治や経済が存在します。

 

月並みな言葉にはなりますが、過去の失敗を理解することで、今後、その過ちを繰り返さない。その点において、歴史を、受験でとは言わずとも、学ぶことは意義があるといえます。

 

とはいえ、「政治家にならないなら結局意味ないんじゃないの?」という意見もあるでしょう。

 

しかし、今や、政治家を選ぶのは我々、国民です。どのような政治家を選べば国政が乱れるのか。逆にどのような政治家を選べば、安定するのか。「政治経済」などの科目よりも「歴史」を見ることによって、この答えを見つけることができるのです。

 

なぜ地理を学ぶのか?

地理を受験で学ぶ意義は、どのような立地でどのような産業が栄えるのかなどを理解することで、地域の抱える問題などを理解することに繋がり、地域環境の向上に役立てることができます。つまり、そういった都市計画であったり、交通などに携わる仕事をしたいといった方は必須の学問だといえます。

 

では、そういった仕事をするつもりのない人には役に立たないのでしょうか?地理に関係なく生活している人は勉強しなくてもいいのでしょうか?

 

そんなことはありません。地理において一番重要なのは、「統計やデータ分析」などの能力を身につけることができることです。地理の試験問題では、新共通テストや私大の一般入試も含めて、グラフなどを用いたデータから分析しなければならない問題が出題されます。

 

こういった問題を対策する中で、「統計やデータから分析する力」を養うことができ、これはどの分野に将来進むとしてもかなり重要な能力ですし、大学などの進学先でもいきてくるはずです。

なぜ公民、現代社会や政治経済を学ぶのか?

社会の中で、公民や現代社会は最も学ぶ価値のある学問だと思っています。(受験の中では科目に入っていないところが多いので軽視されがちですが…)

 

現代に生きる以上、私たちは政治との縁を切ることができません。例え、失業して、社会的に窮地に立たされたとしても、政府によって手厚い保護を受けるからです。

 

この政府からの保護というのは、憲法に定められる政治制度があって初めて実現します。我々が生活していく中で法律との関わりがないことはありえず、この法律の根本は憲法なのです。

 

そして、その政治制度には「政治家を選ぶのは国民である」と定められています。憲法41条ですね。極端な話、政治について、現代社会についてよくわからないから、投票などをしなかった結果、憲法から基本的人権の記載がなくなり、不当逮捕が横行したとしても文句を言うことができないのです。

 

また、政治と経済というのは密なつながりがあります。

 

政策によって、経済が左右されるという事例は実際に過去に何度も起きており、どのような政策をすれば経済が良くなるのかを学べばどの政党を支持すればいいのか、がわかります。

 

つまり、政治と経済の基本を学ぶことで、いずれ皆さんも持つ(既に持っている人もいるかもしれませんが)投票権を、有効的に使う方法を学ぶことができます。

 

社会科を受験で学ぶ意義とは?(まとめ)

結局のところ、現代で生きていくうえで、「現代の社会とその社会が形成されるに至った過去」を学ぶという点において意義があると思います。

 

その基礎知識を知らなければ、例えば、メディアなどの情報の真偽を把握できなかったり、他者の意見に流されて、政治思想が偏ってしまうこともありえます。

 

国民主権の国家に生きる以上、国家の舵取りは国民一人一人が持つ「投票権」にあり、それを正しく使うために知識が必要です。社会科目を受験で学ぶことによって、自主的に政治について考え、社会について考え、自立的に投票することができる、そのための基礎知識を手に入れることができるのではないでしょうか。

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