みなさんこんにちは。今回の記事では自動車工業について解説していきたいと思います。
自動車工業は日本を代表する工業の一つで、自家用車からバスやトラックといったはたらくくるまに至るまで、日本ではありとあらゆるものが生産されています。
今回はそのような自動車工業について、盛んな地域や世界における状況、そして自動車工業に関連した入試問題を解きながら地理における自動車工業について学んでいきたいと思います。
この記事を読んで理解できること・自動車工業の形態について理解できる
・自動車工業の国際的な展開について理解できる
自動車工業の形態と盛んな地域
自動車工業では主に2つの形態の工場が立地しています。一つは自動車に用いられる部品を製造する工場であり、もう一つは自動車を組み立てることを専門とする工場です。部品製造から組み立てまでを一貫して行う工場もあります。
日本自動車工業会によると、自動車工場の分布図は、以下の通りになります。
JAMA – 日本の自動車産業 http://www.jama.or.jp/industry/ より引用
この地図によると、自動車工業の盛んな地域は2つに分けることができます。一つは太平洋ベルト地帯(東京から九州にかけて)を中心とした臨海部(横浜・浜松・岡崎など)、もう一つは北関東を中心とした内陸の広い工業地域(栃木・大泉・古河など)です。
さらに、関連した工場やサービス業なども集積することから企業城下町の様相を示す地域も多く、愛知県豊田市(トヨタ)、埼玉県大里郡寄居町や三重県鈴鹿市(ホンダ)、群馬県伊勢崎市(スバル)、静岡県浜松市(スズキ、ヤマハ)などが代表的な企業城下町として知られています。
世界の自動車工業
日本では高級車と知られるベンツやBMW、フォルクスワーゲンのあるドイツ、非常に頑丈な車を生産することで知られるVOLVOを有するスウェーデン、日本では大型バスや観光バスとして運行されることがあるヒュンダイ自動車を有する韓国など、自動車工業は世界各国で行われ、様々な企業が存在しています。
世界の自動車メーカー(筆者作成)
世界で生産される日本車
日本の自動車工業は日米間の貿易摩擦が明るみになった1980年代以降、グローバルな展開を続けてきました。日本自動車工業会によると現在、世界の40の国と地域において日本企業の自動車工場が立地している状況にあります。
JAMA – 海外生産
http://www.jama.or.jp/world/foreign_prdct/foreign_prdct_1t1.htmlより引用
また、生産台数、生産比率の推移は次のグラフの通りになります
地域別自動車生産台数の推移(日本自動車工業会の統計より作成)
地域別自動車生産比率の推移(日本自動車工業会の統計より作成)
このグラフによると、日本車は2000年ごろまでは北米での生産が多くを占めているものの、現在ではアジア(日本除く)での生産が多くを占めていることが理解できます。ただ、アジア(日本除く)における自動車の生産台数が非常に増えていることがうかがえ、北米でも生産比率こそ低下しているものの、台数そのものは2000年以前と比較しても増えているということが理解できます。
自動車工業に関する入試問題について
自動車工業に関する入試問題(大学入試センター試験)
それでは、自動車工業に関する入試問題を実際に解いてみましょう。
これは、2018年度のセンター試験(本試験)で出題された問題です。
問題の解答及び解説
この問題では、2000年以降の日本の自動車メーカによる自動車(日本車)の推移が問われています。先ほど、2000年以降にアジア(日本除く)での自動車生産量が増えたことで、相対的に北米の生産比率が低下していったということを解説しましたね。
問題中で示されているグラフのうち、増加傾向にある指標は2ですね。
よって、答えは2であるといえます。
まとめ
ここまで、自動車工業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか
ここでもう一度おさらいしておきましょう
自動車工業の形態
- 自動車に用いられる部品を製造する工場、自動車を組み立てることを専門とする工場が存在している(両方を一貫して行う工場も)
- 自動車工業の盛んな地域は太平洋ベルト地帯を中心とした臨海部、北関東を中心とした内陸の広い工業地域の2種類にわけられる
- 関連した工場やサービス業なども集積することから企業城下町の様相を示す地域も … 例)愛知県豊田市(トヨタ)、埼玉県大里郡寄居町(ホンダ)、三重県鈴鹿市(ホンダ)、群馬県伊勢崎市(スバル)、静岡県浜松市(スズキ、ヤマハ)
繊維工業の種類
- 自動車工業は世界各国で行われ、様々な企業が存在 … 例)ドイツ(ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン)、スウェーデン(VOLVO)、韓国(現代自動車)
- 1980年代以降、世界の40の国と地域において日本企業の自動車工場が立地
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