みなさん、こんにちは。地学の勉強の時間です。今回は、地学の【地質図】について勉強をしていきます。地質図とは地質のデータが表された地図のことです。実際、こうした地質図のデータは5万分の1地質図幅として日本の研究機関である「地質総合産業センター」なんかで販売されたりしています。
地質図とは何か、きちんと定義を確認した上で地質図の種類と地層について解説をしていきます。センター試験において地質図のテーマは2015年、2016年、2017年と3年連続で出題されています。地質図を理解していきましょう。
それでは、早速、地質図について勉強をしていきましょう!!
地質図とは~地層の分布を表した地図~
地質図は油田などの地下資源開発や土木工事などに用いられます。しっかり勉強しましょう。
結構、リアルに社会に出てからも役に立つ感じですよね。地質図とはそもそも何か教えてください。
地質図の定義は
地質図とは表土の岩石・土が重なった地層の分布を表した地図
を言います。一言一句でなくていいのでイメージしながらしっかりと覚えましょう。
地層累重の法則
まず、地層について話をします。地層は、下の層ほど古く、上の層ほど新しいですね。これを地層累重の法則と言います。
川や海の底では少しずつ土砂が堆積します。火山の周辺でも岩石や火山灰が積もるので、上の層ほど新しいというのが基本です。
いろいろな地質図
地質図には地中の様子を表すために①地質平面図②地質断面図③地質柱状図があります。この3つの①地質平面図、②地質断面図、③地質柱状図について解説をしていきます。
地質平面図
地質の分布を表わした平面の地図を地中平面図といいます。地質帯の分布を地形図上に表現したものですね。簡単に言えば、この図みたいな感じです。
地質平面図は、地表に見られる地層を記載し、地層分布と地形等高線から、三次元の地層分布が復元できます。実際に、CADなどを使って地質を復元したりもしています。
地質断面図
地質の分布を表した、地中の断面図を地中断面図といいます。地下の地質構造を垂直的に図示したものですね。地質平面図が水平に示したものであるなら地質断面図は垂直に図示したものと言えます。
ちなみに、上記地質断面図でA地点とB地点の色の分布は地質平面図と一致するようになります。
地質柱状図
ある地点の地層の重なり方を表した縦の帯状の図で、地質柱状図といいます。ある一地点の地質断面図のことです。
よく、地下採掘のためのボーリング調査で使われたりするわね。
種類としては、ボーリング調査の際に採取される地表から到達点までの土壌のサンプル(ボーリングコア)から作られる柱状図、野外地質調査(フィールドワーク)においてある地点の露頭を観察して作られる柱状図、などの複数の種類があります。
実際の地層の状態を見てみよう
地層って均一じゃないんですね。
そのとおり!なぜこのようになるのか、見ていきましょう。
地層の厚さが変化している
地層はどこも同じ厚さとは限りません。河川の河口から近いか・遠いかによって土砂の堆積に違いがあるため、厚さが異なることがあります。近いと堆積されやすいですね。
地層が途切れている
火山の噴火などによって堆積した層は、火山から遠くなるほど層が薄くなり、途切れていることがあります。
下にあっても新しい層
地層累重の法則では下の層が古く、上の層ほど新しいということでしたが、そうでない場合もあります。具体的に以下の2つの例をみてみましょう。貫入岩と断層についてです。
- 貫入岩 火山のマグマが上昇し、地層の中間に新しい層ができることがあります。
- 断層 移動しているプレートが断層で押し合い、一方のプレートが他方のプレートの下に入り込むことで新しい層が下になります。
まとめ
今回のお話は以下の形でまとめることができます。しっかりと理解していきましょう。
- 地質図:表土の岩石・土が重なった地層の分布を表した地図
- 地層累重の法則:下の層ほど古く、上の層ほど新しい
- 地中平面図:地質の分布を表わした平面の地図
- 地中断面図:地質の分布を表した地中の断面図
- 地質柱状図:ある地点の地層の重なり方を表した縦の帯状の図
- 実際の地層地層の厚さが変化している
- 地層が途切れているところがある
- 下にあっても新しい層がある
以上、地質図について解説しました。お疲れ様でした。しっかりと復習をしてください。
ちなみに前回は、「【地学】受験に役立つ地学(地球の歴史、化石、生物の変遷)」についてお話しました。まだ読んでいない人は是非どうぞ。
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