みなさん、こんにちは。今回のテーマは【大気の構造と運動、熱収支】です。大気の構造の覚え方や、地球の熱収支について解説します。
大気の構造と運動、熱収支についてはセンター試験において2015年~2017年で3年にわたって出題されており、今後も出題される可能性がありますので仕組みや用語について理解しましょう。
大気の構造
大気は4つの層で構成されています。ここではそれぞれの層について解説していきます。具体的には大気の構造について種類として「たい(対流圏)せい(成層圏)ちゅう(中間圏)ねつ(熱圏)」という語呂合わせで覚えてみましょう。
対流圏
地表から約10kmの高度までを対流圏といいます。また、対流圏と成層圏との境界を対流圏界面といいます。対流圏では対流が起きており、地表や海面での熱による上昇気流が原因です。
成層圏
対流圏界面から高度約50kmまでを成層圏といいます。成層圏にはオゾン層があり、オゾン(化学式 O3)が存在します。
紫外線を吸収するオゾンによって地上の生物が紫外線から守られています。
中間圏
高度約50km~80kmまでを中間圏といいます。この中では高度が高くなるにつれて気温が低くなります。
熱圏
高度約80km~800kmを熱圏といいます。北極や南極に近い地域で見られるオーロラは、この熱圏で発生しています。熱圏は高度が上がるにつれて気温が上昇します。これは太陽からの紫外線やX線を吸収するためです。
大気の運動
空気は温めると膨張し軽くなり、逆に冷たい空気は重いという性質があります。これによって起こる大気の運動について詳しく見ていきましょう。
ハドレー循環
赤道付近で暖められた空気は膨張し軽くなるため上昇気流が起こります。それが対流圏上部で南北に分かれ、緯度30°付近で降下し、地表付近で再び赤道に向かって流れます。この循環をハドレー循環と呼びます。
貿易風
緯度30°付近で降下した空気が赤道に向かうときの風を貿易風といいます。貿易のために帆船がこの風を利用して海を渡ったことに由来するといわれているが、実際は「決まった経路を吹く風」という意味だった。
極循環
北極・南極付近で冷やされた空気は下降気流となり、地表付近から緯度60°あたりまで流れます。このあたりで暖められた空気が上昇し再び極方向へ流れる、この循環を極循環といいます。
偏西風
低緯度付近ではハドレー循環、極付近では極循環が起きているのは前述のとおりですが、その中間、緯度30°から60°の間では、厚みのあるハドレー循環から厚みの薄い極循環に向かって空気が流れています。これに地球の自転が影響し、西から東へ吹く風を偏西風といいます。
赤道から極に向かって30°ごとにハドレー循環、偏西風、極循環 で構成されているのよ。
ハドレー循環の中で赤道に向かう風が貿易風ですね!
地球の熱収支
地球上で温度が上がりすぎず生物が生き続けられるのは、太陽から受けるエネルギーと地球から放出されるエネルギーがバランスをとっているからです。ここでは熱収支のしくみについて解説します。
太陽放射
太陽からは可視光線のほか紫外線、赤外線、エックス線などが出ていますが、これらの放射エネルギーを太陽放射といいます。
地球放射
地球は太陽からエネルギーを受けていますが、それが地球から宇宙へ赤外線で放射されることを地球放射といいます。この地球放射があるために、地球の温度が上がり続けないのです。
温室効果
地球放射によって赤外線が宇宙へ放射されますが、水蒸気や二酸化炭素で吸収され熱となって温度が保たれる現象を温室効果といいます。
まとめ
要点をまとめますので繰り返し読んで暗記しましょう。
大気の構造
- 対流圏 地表から高度約10kmまで 対流圏と成層圏との境界を対流圏界面
- 成層圏 対流圏界面から高度約50kmまで
- 中間圏 高度約50km~80kmまで
- 熱圏 高度約80km~800kmまで
大気の運動
- ハドレー循環 赤道から緯度30°までの間に起きている循環
- 貿易風 緯度30°付近で降下した空気が赤道に向かうときの風
- 極循環 極から緯度60°までの間に起きている循環
- 偏西風 緯度30°から60°の間で西から東へ吹いている風
地球の熱収支
- 太陽放射 太陽から放射されているエネルギー
- 地球放射 地球から放射されているエネルギー
- 温室効果 大気中の水蒸気や二酸化炭素によって温度が保たれる現象
以上、大気の構造と運動、熱収支について解説しました。しっかりと復習をして勉強を進めてください。
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