大気中の水蒸気、気象現象について【地学】

今回の講義は【大気中の水蒸気と気象現象】を解説していきます。水蒸気については、飽和水蒸気量と気温の関係について学び、湿度については実際に計算問題を行っていきます。また、気象現象について風や雨や雲量について何を示すか定義を明らかにして解説していきます。

 

大気中の水蒸気と気象現象の分野はセンター試験においては2018年に気象現象のテーマに含まれる温室効果が出題され、今後の大学入学共通テストでも自然現象に関する出題が予想されますのでしっかり勉強していきましょう。

 

S先生
S先生

近年は自然災害が多く発生していますし、私たちの生活や産業にも影響がある気象現象を基礎から解説します。

 

たかしくん
たかしくん

各家庭でも防災の準備をしなきゃいけないし、気象の知識も必要ってことですね・・・

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大気中の水蒸気

空気中に含まれる気体の水分(H2O)を水蒸気といますが、これは大気中に含まれ気象に大きく関わっています。

 

飽和水蒸気量

飽和水蒸気量とは1m³の空気中に含むことのできる最大の水蒸気量で、気温によって異なります。空気の温度が高いほど飽和水蒸気量は大きくなります。

グラフで表すと、以下の形です。

 

気温と飽和水蒸気量の関係はこのようになります。

凝結

空気中の水蒸気が冷えて液体の水になることを凝結といいます。

 

露点

空気中の水蒸気が冷えて凝結し始める温度を露点といい、空気中の水蒸気量によって露点は変わります。

 

湿度

空気中に含まれる水蒸気の量を湿度といいます。この湿度について、計算問題が出ることがあるので、実際に湿度について問題を解いてみましょう。

 

湿度の公式$$湿度〔%〕=\frac{空気中に含まれる水蒸気量〔g/㎥〕}{その気温の飽和水蒸気量〔g/㎥〕}\times 100$$

演習問題

湿度の計算問題の解き方を解説します。実際に解いてみましょう!!

例題1

気温が20℃、水蒸気量が12.8g/㎥であるとき、この部屋は1㎥あたりあと何gの水蒸気を含むことができるか答えなさい。

解説

①気温20℃のときの飽和水蒸気量を表から見つけます

たかしくん
たかしくん

気温が20℃のときの飽和水蒸気量は17.2g/㎥ですね。これは1㎥あたり最大17.2gの水蒸気を含むことができる、ということですね!

 

②問題文より現在の水蒸気量が12.8g/㎥ですから、その差を求めます。

$$17.2-12.8=4.4〔g〕$$

あと4.4gの水蒸気を含むことができます。


4.4g

例題2

気温が20℃、水蒸気量が12.8g/㎥であるとき、この部屋の露点は何℃か答えなさい。

解説

露点とは空気中の水蒸気が冷えて凝結し始める温度でしたね。部屋の水蒸気量が12.8g/㎥の場合、気温が15℃のときに凝結が始まります。


15℃

例題3

気温が25℃、部屋の水蒸気量が17.2g/㎥であるとき、湿度は何%か。四捨五入し小数点以下第1位まで答えなさい。

解説

湿度を求める公式

$$湿度〔%〕=\frac{空気中に含まれる水蒸気量〔g/㎥〕}{その気温の飽和水蒸気量〔g/㎥〕}\times 100$$

①気温25℃のときの飽和水蒸気量を表から見つけます

 

S先生
S先生

気温が25℃のときの飽和水蒸気量は23.0g/㎥ですね。

②そして問題文より現在の部屋の水蒸気量が17.2g/㎥

公式に代入します。

$$\frac{17.2〔g/㎥〕}{23.0〔g/㎥〕}\times 100=74.8〔%〕$$


74.8%

 

気圧とは

空気には重さがある、とういうことはそのまま大気にも重さがあります。地球上にあるものには空気に押される力、すなわち圧力がかかっており、これを大気圧、または気圧といいます。

 

気圧を表す単位1気圧=1013〔hPa〕(読み:ヘクトパスカル)

1〔hPa〕=100〔Pa〕(読み:パスカル)

1気圧が1013〔hPa〕というのは標準で定められた数値です。

気象現象とは

S先生
S先生

わたしたちは日ごろから生活の中で天気を気にすることがありますし、農業などの産業にもいろいろな影響があります。風、曇り、雨・・・これらの気象現象について説明しますね。

屋外では草木の葉がなびいたり、肌で風を感じることがありますね。風は風向風速風力の3つの視点で表します。

 

風の吹いてくる方向風向といいます。風は空気の移動ですが、この速さを風速といいます。単位は〔m/秒〕(読み:メートル毎秒)で、1秒で何メートル進むかを表します。

 

風が物に与える力を風力といい、0階級から12階級までの13段階で表します。

曇り

空を覆う雲の量を0から10の11段階で表します。これを雲量(うんりょう)といいます。

雲量 9~10 曇り

雲量 2~8 晴れ

雲量 0~1 快晴

以上、雲量によって曇り、晴れ、快晴を表現します。

大気中の水蒸気が凝結し、ある程度の大きさの水滴になるととなって地上に降ります。

気団と前線

天気予報で「〇〇前線が…」という言葉を聞いたことがありますね。それぞれの前線はどのようなものなのかを順に見ていきましょう。

気団と前線について

ある気温と湿度が水平方向にまとまった大気のかたまりを気団といいます。また、二つの異なる気団がぶつかっている境界線を前線といいます。

 

寒気の気団が拡大して押し進んでいるときに現れる前線を寒冷前線といいます。暖気の気団が拡大して押し進んでいるときに現れる前線を温暖前線といいます。

 

寒気と暖気がぶつかり合い、押し合ったまま動かない状態の前線を停滞前線といい、長い時間雨が降ります。二つの寒気に暖気が挟まれ、押し上げられた状態を閉塞前線といいます。上昇気流で積乱雲が発生し、強い雨が降ります。

まとめ

用語をまとめますので、頭の中で様子をイメージして覚えましょう。

水蒸気

飽和水蒸気量:1m³の空気中に含むことのできる最大の水蒸気量
凝結:空気中の水蒸気が冷えて液体の水になること
露点:空気中の水蒸気が冷えて凝結し始める温度
湿度:空気中に含まれる水蒸気の量
湿度を求める公式:$$湿度〔%〕=\frac{空気中に含まれる水蒸気量〔g/㎥〕}{その気温の飽和水蒸気量〔g/㎥〕}\times 100$$

気圧大気の重さによって地球上の物にかかる圧力、大気圧ともいう

風の3つの要素:風向 風速 風力

曇り:空を覆う雲の量を0から10の11段階で表した雲量

雨:大気中の水蒸気が凝結し水滴になったもの

 

気団と前線気団    ある気温と湿度が水平方向にまとまった大気のかたまり
前線    二つの異なる気団がぶつかっている
境界線寒冷前線  寒気の気団が拡大して押し進んでいるときに現れる前線
温暖前線  暖気の気団が拡大して押し進んでいるときに現れる前線
停滞前線  寒気と暖気がぶつかり合い、押し合ったまま動かない状態の前線

 

以上、大気中の水蒸気、気象現象についての講義でした

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