2021年大学入試で、新しく大学入試で一次試験で実施されるのが大学入学共通テストです。
大学入学共通テストの物理はマーク式で解答する形式や制限時間は同じであるものの、問題が単なる暗記ではないのが大きな特徴です。加えてセンター試験よりも大きな変化は実験を行ったデータを読み取り正答を出す形式や、より数学の分野がより加わった内容に変化しています。
そのため、単純な暗記ではなくて物理という学問の本質を知った上で数学や化学とリンクして勉強すると効率よくマスターすることができます。今回は、そんな大学入学共通テストの物理の各分野の出題傾向と同時に押さえるべき数学のジャンル含めた上で勉強法について解説します。
また、物理の大学共通テストの大まかな流れは「大学共通テストに向けた物理の基本的な勉強法〜センターとの比較も」に記載しています。まだ読んでいない人は是非とも読んでみてください。
物理の出題分野の種類とその特徴
物理の学問の意味は『物の理』つまり地球上に存在する、物体の動きに関する法則性を数学的な視点で計算し自然の未知を知ることが学問の根本的な意味です。
大学入学共通テストで、出題される分野は大きく5つに分けられており各分野において特徴があります。
力学:物理の基礎の土台になる分野、この分野に躓くと後の電磁気の学習に大きな影響が出やすいです。物体に力を加えた時の運動や加速度といった内容、力積という積分を駆使した内容も出題されやすいです。
センター試験の時代は万有引力は出題がされませんでしたが、大学二次試験で難関理系を考えている場合はしっかりマスターしておくべき分野です。
物理の中でも学習が早い分野ですが、難関国立大学でも難問が余裕で出題される。この分野の成熟度が大きな得点源の差になる分野です。数学だと、ベクトル、微分、積分と密接な関係を持っています。
熱力学:熱力学熱によって分子がどのような挙動を示すのかを解き明かす学問です。力学や波動、電磁気とは異なりこのジャンルで独立しているため、得点を手早く上げたいならこの分野をしっかり攻略することが大切です。密接しているのが化学のボイルシャルルの法則と絶対温度の概念とセットで復習するとマスターしやすいのが特徴です。
波動:波は大きく音と光に関する出題がメインです。反射、屈折という現象によってどのような変化が起こるのか計算で求めるのが特徴です。音に関してはドップラー効果や計算によって距離を求める出題、光に関してはレンズ、回折に関わるジャンルを特にマスターすることが大切です。
物理IIの移行によって、三角関数を学んだ後に波動を学ぶことになったため今までよりも親しみやすくなったものの三角比や三角関数が苦手な場合は苦労する分野です。
電磁気:力学の次に問題の出題数が多いのが電磁学です。電磁気学は、電気を金属に流したことによって発生する磁気の発生や電子の挙動に関する内容がメインです。電子機器に重要なコンデンサーや直列と交流電流に関する身近な出題も多かった分野です。応用力と実際のデータを見ながら解答をする出題傾向に変わった大学入学共通テストの場合は増える可能性が大です。
電磁気の場合は力学との融合出題も多く出題されやすいため力学とともに得意になると大きな得点源になる分野です。
数学で関わっているのが、微分、積分、交流の場合は三角関数ができると得な分野です。
原子:ボーア関数と言った近代物理の導入部分にあたる分野です。この分野は公式をしっかり覚えれば得点に直結する分野になります。必ず4〜12点分は出題されるため満点に近い点数を得たい場合はしっかり対策を取る必要があります。
大学入学共通テストのレベルまでの物理学習のポイント
物理と言っても出題されるジャンルに大きな差があり、学習するポイントを解説します。高校二年の場合なら一番ベストは以下の学習方法がおすすめです。
学習のポイント
- 物理の基礎を学校や塾で学ぶ
- 教科書問題の基本問題で取りこぼしがなくなるまで演習し、章末やセンター試験の問題まで高校二年の時点で解いてみる。熱力学は化学で近い分野をセットで学ぶ
- 同時に三角関数や微分積分に力を注いで高校二年の時点で苦手意識がないように
高校3年の場合は、模試等で明確な苦手分野がはっきりするため、その分野を中心に基礎問題からやり直すことが大切です。その場合は、問題の選択肢を見なくても大問の1問から5問目までを解ける実力をつけることを意識することが大切なのです。
また、「大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本」がなどがおすすめです。詳しい内容については「大学共通テストに向けた物理の基本的な勉強法〜センターとの比較も」に記載しています。
次の記事では共通テストと2次試験での物理対策の大まかな内容を書いています。よければ、「大学共通テストの物理の対策及び二次試験対策について」を読んでください。
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