今回のテーマは【二次関数】です。

今回は、こういった疑問に答えます。
まずは、そもそも二次関数tとは何かを説明して二次関数の公式を確認します。そして、最大値最小値を求めるには欠かせない、二次関数のグラフの書き方を解説します。
二次関数はほとんどの大学で出題される最重要単元です。多くの人がつまづいてしまうところですが、一度解き方を知ってしまえば毎回の得点源となります。
この記事が読み終わったときには、二次関数の最大値最小値の問題が得意になっていますよ。それでは、始めていきましょう。
・二次関数のグラフの書き方がわかる
・二次関数の最大値最小値の求め方が分かる
・自分で実際に二次関数の最大値最小値を求められる
そもそも二次関数の公式って?
二次関数の公式はy=ax2+bx+cです。
xにある値を代入したときに、yの値が1つに決まるとき、yはxの関数であるといいます。

aとbとcは定数といって、3や-1などの決まった数が入るので、それによってyの値が変わることはありません。
また、今回はxの指数が2なので、「二次」関数といいます。
二次関数の公式と聞いたとき、中学校で習ったy=x2を思い浮かべた人も多いかもしれません。これはy=ax2+bx+cにおいて、a=1、b=0、c=0のときの式ですね。
二次関数のグラフの書き方とは?
一次関数では「傾き」と「切片」が分かれば、グラフを書くことができますよね。
では、二次関数のグラフを書くためには何が分かればよいでしょうか。
ずばり、「グラフの形」と「頂点」です。
二次関数y=ax2+bx+cのグラフは、y=ax2を平行移動したものなので、aが「グラフの形」を示しています。
「グラフの形」が分かれば、あとは「頂点」を定めればグラフを書くことができますね。
二次関数のグラフの頂点とは?
y=(x−2)2+3の頂点は…、(2, 3)です。
a>0のとき、頂点でyの値が最小となりますよね。yが最小となるのは、(x−2)2が0となるとき、すなわちx=2のときです。このときのyの値を求めると3になります。意外とかんたんですよね。
ここで、文字にしてまとめておくと、「二次関数y=a(x−p)+qの頂点は(p, q)である」となります。
二次関数のグラフの頂点を求めるには?
二次関数のグラフの頂点は、平方完成をすれば求められます。
平方完成とは、二次関数の公式y=ax2+bx+cをy=a(x−p)2+qの形にすることです。
ここはとても重要なので、y=2x2−4x+7を例に考えてみましょう。
①xが含まれる項を2でくくります。
y=2(x2−2x)+7
②(x2−2x)の部分を(x−p)2を使って表します。
(x−p)2=x2−2px+p2なので、(x2−2x)=(x−1)2−1と変形できます。
y=2{(x−1)2−1}+7
③式を整理すると…
y=2(x−1)2+5
よって、二次関数y=2x2−4x+7の頂点は(1, 5)であると分かります。
ここまでくるともう安心ですね。y=2x2のグラフをx軸方向に1、y軸方向に5平行移動したグラフ(頂点を(0, 0)から(1, 5)にしたグラフ)がy=2x2−4x+7のグラフになります。
二次関数の最大値最小値の求め方とは?
みなさんはもう、二次関数のグラフが書けるようになりましたね。あとはかんたん、与えられた範囲の中の最大値最小値をグラフを見て考えるだけです。
今回は、y=2x2−2x+92の1≦の最大値最小値を考えてみましょう。
まずは、先ほど勉強した平方完成を行います。
y=2\left(x^{2}-x\right)+\frac{9}{2}
=2\left\{\left(x-\frac{1}{2}\right)^{2}-\frac{1}{4}\right\}+\frac{9}{2}
=2\left(x-\frac{1}{2}\right)^{2}-\frac{1}{2}+\frac{9}{2}
=2\left(x-\frac{1}{2}\right)^{2}+4
よって、頂点が(1/2, 4)であると分かり、二次関数y=2x^{2}-2x+\frac{9}{2}のグラフが書けますね。ここでは、グラフを示すことはしないので、自分でノートに書いてみてくださいね。
二次関数のグラフy=2x^{2}-2x+\frac{9}{2}は下に凸の放物線なので、yが最小となるのはx=\frac{1}{2}のときでy=4です。ただし、最初の条件で1\leqq x\leqq 4なのでx=1、y=\frac{9}{2}が最小値になります。

では、最大値はどうでしょうか…?
グラフを書けば一目瞭然。軸x=\frac{1}{2}から遠いx=4で最大となります。
このときy=\frac{57}{2}なので、この二次関数の最大値最小値は、最大値\frac{57}{2}(x=4)、最小値\frac{9}{2}(x=1)となります。
場合分けが必要な二次関数の最大値最小値の求め方とは?
ここまではグラフさえ書ければかんたんに求めることができましたが、ここからは少し難しいですよ。とはいっても、グラフが書けていれば9割はできたも同然なので、安心してください。
ここでは、二次関数$y=x^{2}-2ax+a^{2}+1$の$0\le x\le 3$における最大値最小値を考えます。
これまでの式と違うのは、aというなぞの文字が入っていることですね。これは定数なので変化することはありませんが、aの値が分からないとこの二次関数の最大値最小値を求めることはできません。
解くことができるの?と不安かもしれませんが、とりあえず先ほど同様に平方完成してみましょう。
y=x^{2}-2ax+a^{2}+1
=\left(x-a\right)^{2}+1
つまり、この二次関数のグラフは、頂点(a, 1)で下に凸の放物線になります。ここまで分かれば、最大値最小値を求められそうですね。
さぁ、この二次関数の最大値最小値を求めていきますよ。みなさん、ノートの準備は大丈夫ですか?
まずは最大値。グラフが下に凸なので、yはxがaから遠いほど大きな値をとります。
よって、最大値は次のようになります。
①$a\lt \frac{3}{2}$のとき $a^{2}-6a+10$($x=3$)
②$a=\frac{3}{2}$のとき $\frac{13}{4}$($x=0, 3$)
③$\frac{3}{2}\lt a$のとき $a^{2}+1$($x=0$)
次に最小値を考えましょう。定義域$0\le x\le 3$に頂点が含まれていると、もちろん頂点で最小値をとります。
他の場合を考えてみると、定義域の左に頂点がある場合、定義域の右に頂点がある場合の2つに分類できます。
よって、最小値は次のようになります。
①$a\lt 0$のとき $a^{2}+1$($x=0$)
②$0\le a\le 3$のとき $1$($x=a$)
③$3\lt a$のとき $a^{2}-6a+10$($x=3$)
二次関数の最大値最小値の求め方、理解できたでしょうか?
練習問題で確認してみましょう。
問題を解いてみよう!
【問題】
①$y=3x^{2}-6x+9$の頂点の座標を求めよ。
②$y=2x^{2}+4x-4$の$-3\le x\le 0$における最大値最小値を求めよ。
③$y=x^{2}-2ax+a^{2}+a+1$の$-1\le x\le 1$における最小値を求めよ。
【解答】
- $a\lt -1$のとき $a^{2}+3a+2$($x=-1$)
- $-1\le a\le 1$のとき $a+1$($x=a$)
- $1\lt a$のとき $a^{2}-a+2$($x=1$)
今回のまとめ
今回は、二次関数について説明しました。二次関数の最大値最小値を求める問題は、入試でも頻出です。二次関数のグラフの書き方さえ押さえればかんたんに解くことができるため、まずはグラフを書く習慣をつけましょう。
なお、二次関数についてよりしっかりと勉強したければ「改訂版 坂田アキラの 2次関数が面白いほどわかる本 (坂田アキラの理系シリーズ)」がおすすめです。HIMOKURIでも十分ですが、こちらは演習量もあり解説がかなり丁寧なので手にとってみるといいでしょう。
お疲れ様でした。
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