こんにちは。今回は古代ギリシア・ローマからルネサンス期までの文学史について網羅的に一気に解説します。ギリシア、ローマといった古典時代の文学から中世ヨーロッパやルネサンス期までの文学について、網羅的に整理することは受験において非常に有効です。
なお、ヨーロッパの文学史において系統として詩と物語・説話に大別することができます。詩を紡ぐことで物語と昇華していくのですが、受験では、分けて理解することも必要なので、詩と物語に分けて解説します。
古代ギリシア、ローマ、中世ヨーロッパ、ルネサンスとポイントをまとめて解説しますので一覧表なども使用しながらしっかりと理解していきましょう。
・よく出題される詩人はホメロス、ヴェルギリウス、ダンテなど
・国名、分類、作者名、作品名の一致は必須条件
・三代悲劇詩人とアリストファネスを混ぜるな!
・カール大帝が出てくるのは「ローランの歌」
・トマス=モアや「デカメロン」は政治・社会の出来事と結びつけて出題されるかも
抒情詩と叙事詩について(古代ギリシアからルネサンスまで)
(ダンテ『神曲』:wikiより)
引用:詩は大きく分けて叙情詩と叙事詩に分けることができます。一つ目は叙情詩(抒情詩)。詩人の主観的な感情や思想を表現した詩ですね。
古代ではサッフォーやホラティウス、ルネサンス期にはペトラルカなどが世界史でよく出題される抒情詩人です。
もう一つは叙事詩。物事や出来事を題材にとった詩のことです。ホメロスやヴェルギリウスなどが詠んだ英雄たちの神話はまさに典型的な叙事詩です。
神々のことを詩の題材とした古代とは異なり、中世ヨーロッパでは騎士たちが叙事詩の主人公になります。口承文学でもある叙事詩は、ヨーロッパ中を渡り歩く吟遊詩人によって各国の宮廷で披露されました。
物語・説話について
(ドン=キホーテ:wikiより)
古代ギリシアでは合理的で論理的な思考と人間中心の文化が発達しました。そのため、人間たちを主人公とする物語も数多く書かれます。
古代ギリシアの三代悲劇詩人とも呼ばれる三人の作家はアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスです。彼らの作品と名前を一致させるのは当然のことですが、正誤問題などで喜劇作家のアリストファネスが選択肢に入っていることがあります。
アリストファネスは「女の平和」を書いた喜劇作家です。似たものを混ぜてくるのは選択式問題の常道ですので、混ぜないようにしっかり区別して覚えましょう。
中世ヨーロッパでは騎士物語がつくられました。「ローランの歌」はカール大帝に仕えた勇者ローランの物語でイスラームとの戦いが描かれます。アーサー王物語はイギリスのアーサー王と円卓の騎士の物語です。
ルネサンスの時代になると、文学の主人公は人間となります。ルネサンス自体が、人間中心の文化だからです。
ボッカチオの「デカメロン」はチョーサーの「カンタベリー物語」などに影響を与えます「デカメロン」は、1348年のペスト大流行で公害に引きこもった男女10人の物語です。
イギリスのトマス=モアの書いた「ユートピア」は架空の理想郷を描いた物語で、現世に対する批判が込められました。トマス=モアは「羊が人を食う」と発言し、囲い込み運動を批判します。
シェイクスピアの「ハムレット」や「ヴェニスの商人」はよく知られた作品。セルバンテスの「ドン=キホーテ」とともに、インパクトが強いものですね。ルネサンス期の文学作品はどれが出題されてもおかしくありませんので、表を見ながら知識を整理しましょう。
まとめ
文学史は、文学史単体で出題されるケースと、政治史や社会経済史との関連から出題される融合問題とに分かれます。
単体で出題される場合は、作者名と作品名の一致が何より最優先です。一方、政治史や社会経済史と関連する場合は、作品が書かれた時代が重要になってきます。どの角度から攻められてもよいように、しっかりと復習しましょう。
コメント