みなさん、こんにちは。数学ⅠAのコーナーです。今回のテーマは【組立除法】です。
とはいえ、そのことを知っていても、そもそも組立除法ってどうやってやるの?という疑問をもっている人もいるでしょう。
そこで今回は、組立除法のやり方をわかりやすく解説します。問題演習もありますので最後まで読んでいってください。
組立除法の原理も一緒に覚えて、組立除法を完璧ににマスターしましょう。
・組立除法の使い方がわかる
・自分で実際に組立除法を使える
組立除法とは
先ほど述べたとおり、組立除法とは、多項式を一次式で割った商と余りを素早く求める手法です。
足し算とかけ算を繰り返すことでかんたんに多項式の割り算ができる組立除法は、なにがなんでも覚えておきたい方法です。
さっそく、そのやり方を学んでいきましょう。
組立除法のやり方
今回は、割られる多項式が三次式$ax^{3}+bx^{2}+cx+d$、割る一次式が$x-p$の場合を考えます。
0. 係数を順番に並べ、右上にpと書いておきます。
1. 一番左下の〇にaを書き入れます。
2. 左下の〇に入った数(a)をp倍した数をbの真下の〇に書き入れます。
3. bとbの真下の数を足し合わせ、その下の〇に書きます。
4. その値をp倍したものをcの下に書き入れます。
5. 同様のことを最後まで続けていきます。
例を見てみましょう。
$3x^{3}+2x^{2}-6x-1$を$x-2$で割った商と余りを求めます。
手順のとおりに数を書き入れていったのが下の図です。
- 係数を順番に並べ、右上に2と書いておきます。
- 一番左下の〇に3を書き入れます。
- 左下の〇に入った数(3)を2倍した数(6)をb(2)の真下の〇に書き入れます。
- b(2)とbの真下の数(6)を足し合わせ、その下の〇に書きます。
- その値(8)を2倍したもの(16)をc(-6)の下に書き入れます。
- 同様のことを最後まで続けていきます。
なんと、組立除法では、この図の下に並んだ数が商と余りになっています。
つまり、商は$3x^{2}+8x+10$、余りは19です。
組立除法をつかうと、商と余りを求める問題もかんたんですね。ここで、組立除法の原理を確認しておきましょう。
組立除法の原理
組立除法の問題を解いてみる前に、組立除法が正しいことを確認しましょう。
原理を知っておくと、組立除法のやり方を忘れてしまったときに役立ちます。ぜひ原理も頭に入れておいてください。
$ax^{3}+bx^{2}+cx+d$を$x-p$で割った正しい商を$ex^{2}+fx+g$、余りをrとおくと、以下の式が成り立つことになります。
$ax^{3}+bx^{2}+cx+d=\left(x-p\right)\left(ex^{2}+fx+g\right)+r$
右辺を展開すると
(右辺)$=ex^{3}+\left(f-ep\right)x^{2}+\left(g-fp\right)x+r-gp$
左辺と係数比較すると、
$a=e$、$b=f-ep$、$c=g-fp$、$d=r-gp$
移項すると、
$a=e$、$b+ep=f$、$c+fp=g$、$d+gp=r$
組立除法で求められる値は、これら4つの式を満たしており、このことから組立除法は正しいといえます。
組立除法の例題
問題
$x^{3}-4x^{2}+2x+5$を$x-2$で割った商と余りを求めなさい。
解答
組立除法をつかって、答えを求めましょう。
0. 係数を順番に並べ、右上に2と書いておきます。
1. 一番左下の〇に1を書き入れます。
2. 左下の〇に入った数(1)を2倍した数(2)をb(-4)の真下の〇に書き入れます。
3. b(-4)とbの真下の数(2)を足し合わせ、その下の〇に書きます。
4. その値(-2)を2倍したもの(-4)をc(2)の下に書き入れます。
5. 同様のことを最後まで続けていきます。
図から、商は$x^{2}-2x-2$、余りは1だと分かります。
今回のまとめ
今回は、組立除法について解説しました。
むずかしいと思われがちな多項式の割り算ですが、組立除法を使うとかんたんに解けると実感できたのではないでしょうか?
練習問題をたくさん解いて、理解を定着させましょう。
今回もおつかれさまでした。
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