古文の連用形接続の助動詞「つ」「き」「ぬ」「けむ(ん)」「けり」「たし」「たり」について

こんにちは。古典の文法で一番大変なのが助動詞だと思います。ゴリゴリに覚えたりして面倒臭いこと上ないでしょう。今回は皆さんに古典の文法の助動詞で頻度の高い連用形接続の助動詞についてお話をしていきます。未然形接続と共に出題頻度が高い助動詞についての解説です。

 

連用形接続ですが、具体的に助動詞として

S先生
S先生
「つ」「き」「ぬ」「けむ(ん)」「けり」「たし」「たり」があります。

 

語呂合わせで「突き抜けん…」みたいな形で覚えたりしますね。
たなか君
たなか君

 

そうですね。古文でかなり出てくる連用形接続の助動詞「つ」「き」「ぬ」「けむ(ん)」「けり」「たし」「たり」について、覚える方法と共に、意味及び注意点について述べていきますのでしっかりと理解しましょう。

 

特に、助動詞「たり」には要注意です。助動詞「たり」については、「古典 古文助動詞 完了と断定の「たり」について」に詳しく記載しているので、そちらも併せて読んでください。

 

それでは、そんなに数も多くないのでしっかりと勉強していきましょう。

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そもそも古典文法の「接続」とは

古典の助動詞とは「接続する語に様々な意味を添える、活用する付属語」のことです。英語の助動詞と同じですね。動詞を補助して意味を深めるという意味です。例えば「話すことができる」という文で「話すことができる」という赤文字の部分が助動詞です。ちなみに「話す」の部分は動詞ですね。

 

そして、接続とは「その言葉は、どんな形の言葉の後につくか」ということです。例えば、「ある言葉の未然形+る」となるなら、この「る」は未然形接続ということです。千載集の和泉式部の短歌で「冬の奥ぞ知らるる」とありますが、「知ら」という「知る」の未然形に助動詞「る」がくっついているわけです。

 

接続は、品詞分解の際のヒントとなるので、是非覚えましょう。ちなみにセンター試験や一般入試でも古典文法の問題は必ず2〜3問出題されます。今回は、連用形の助動詞を覚えていきましょう。

連用形接続の助動詞

連用形接続の助動詞は、以下の7個です。

 

つ・き・ぬ・けむ(ん)・けり・たし・たり(完了・存続)

 

覚え方としては「突き抜けん、けり(して)足したり」とかの語呂合わせで覚えるといいでしょう。

 

また、イメージとしては、連用形接続は過去と完了のイメージで覚えておくといいでしょう。「たし」の希望という意味もありますが、ほぼほぼ例外なので、連用形接続の助動詞の意味として重要性の高い過去と完了のイメージを持つのは大切です。

 

具体的な意味としては「き・けり」が過去、「つ・ぬ・たり」が完了・存続(「つ」・「ぬ」のみ完了しか意味がありません)、「けむ」が過去推量、「たし」が希望、という形があります。

 

「けむ」の過去推量と「たし」の希望のみ覚えておきあとは完了みたいな形で覚えておくといいでしょう。なお「き」はカ変には未然形にもサ変には「し、しか」は未然形に接続するという例外があります。

 

ちなみに連用形とは、用言(述語になる語。動詞・形容詞・形容動詞)の前に来る時の形と同じということで、動詞の最も使われる形ともいわれます。その連用形の後に来るのが連用形接続の助動詞ということです。

 

せっかくなので活用の表を覚えましょう。特に、過去の意味を表す「き」は変わった活用をするので注意です。

助動詞未然形連用形終止形連体形已然形命令形意味
つるつれてよ完了
しか過去
ぬるぬれ完了、存続
けん(む)けむけむけめ過去推量
けりけらけりけるけれ過去、詠嘆
たしたく

たかり

たしたくたけれ希望
たりたらたりたりたるたれたれ完了・存続

なお、推量の意味がある助動詞は命令形が全て存在しないことにも注意ですね。

 

助動詞「たり」には気をつけよう!

完了・存続の「たり」は少し注意しなければなりません。というのも他の意味があり混同しやすいからです。

 

体言+「たり」のとき→断定の助動詞「たり」
連用形+「たり」のとき→完了・存続の「たり」
タリ活用形容動詞の連用形または終止形の活用語尾タリ活用形容動詞は漢語がもとになっていて、そのほとんどは「堂々たり」「漫々たり」など、漢字の繰り返しが語幹となっています。

 

中には、タリ活用形容動詞なのか、体言+断定の「たり」なのか分かりにくいものもありますが、グレーなものは試験に出ないため、ひとまずは大丈夫でしょう。しかし、あからさまなのは試験できかれる可能性が非常に高いのでしっかりとできるようにしましょう。

 

「たり」についてはこちらの記事でも詳しく扱っています。「古文助動詞 完了と断定の「たり」について

古文助動詞「たり」について断定と完了の区別をできるようにしよう
古典文法において、助動詞の勉強は最重要項目であり、全て勉強を終えるのには相応の時間がかかります。 そのためには、1つ1つの助動詞につき、接続・活用・意味の3方向から整理しなければなりません。そこで今回は助動詞「たり」について意味と活用形及び...

 

古文連用形接続の助動詞「つ」「き」「ぬ」「けむ(ん)」「けり」「たし」「たり」のまとめ

以上、古典文法の連用形接続の助動詞についてまとめました。連用形接続は数は少ない割に頻出ですのでしっかりとできるようにしておきましょう。

 

お疲れ様でした。

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