みなさん、こんにちは。古典の勉強進んでますか?よく、古文が苦手でどう勉強したらいいかわからないという人がいます。
古典文法の勉強で最初につまずきやすいのが「活用」。ここでは、学校でもまず始めに習う動詞の「四段活用」について解説していきます。古文の文法で「四段活用」は最初のイロハに近いのでしっかりと理解できるようにしましょう。
四段活用について基本事項から受験生必見の要チェックポイントまで紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
古文の四段活用ってどんなもの?
まず、「思ふ」という動詞を例に四段活用とは何かを見てみましょう。「思ふ」という動詞は下にどんな語が続くかによって以下のように変化します。
- 未然形 思はず (「ず」は打ち消しの助動詞)
- 連用形 思ひて (「て」は接続助詞)
- 終止形 思ふ
- 連体形 思ふ時 (「時」は名詞)
- 已然形 思へども (「ども」は逆接の接続助詞)
- 命令形 思へ
「思(おも)」の次の文字が変化していくことがわかりますね。このように、変化していく部分(「は」「ひ」「ふ」「へ」)を活用語尾(かつようごび)、ずっと変わらない部分(「思(おも)」)を語幹(ごかん)といいます。この用語もテストや入試問題に使われることがあるので覚えておきましょう。
ところで、なぜこれが四段活用と呼ばれているのでしょう? それは、活用語尾に注目するとわかります。上から順に見ていくと、「は・ひ・ふ・ふ・へ・へ」と、「はひふへほ」の5つのうち「ほ」以外の4つが使われていますね。これが「四段活用」と呼ばれている理由です。
また、「思ふ」は活用語尾が五十音図の「は」の行になっているので、「思ふ」の活用の種類はハ行四段活用の動詞ということになります。
ある動詞が四段活用かどうか見分けるには、その動詞の後ろに打ち消しの助動詞「ず」をつけて、一番上の活用形「未然形」を作ってみます。このとき、「ず」の前の文字が五十音図の「ア」の段の音になっていれば、その動詞は四段活用ということがわかります。
「喜ぶ」→「喜ばず」 バ行四段活用
「過ぐ」→「過ぎず」 四段活用ではない
ただし、「死ぬ」「往ぬ(いぬ)」「あり」「蹴る(ける)」の4つは例外です。(次の項目で解説します。)逆に言えば、この4つ以外はすべて上記の方法で見分けられます。
活用はこれからたくさんの種類を学んで行くので、まずは「四段活用は、は・ひ・ふ・ふ・へ・へ」と何度も唱えるなどして覚えてしまうのがよいでしょう。
受験生は要チェック!ポイント
次に、四段活用について、テストや入試に出やすいポイントを紹介します。
それは、「『四段活用かな?』と思ったら違った!」「『別の活用かな?』と思ったら四段活用だった!」という紛らわしい動詞があるというところです。実際の入試で出た例を見てみましょう。
「実は四段活用ではない」パターン
上述したように、四段活用と勘違いしやすい動詞が以下の4つです。しっかりと覚えましょう。
- 死ぬ →ナ行変格活用
- 往ぬ(いぬ) →ナ行変格活用
- あり →ラ行変格活用
- 蹴る(ける) →下一段活用
これらの活用については、また別の記事で詳しく解説していきます。まずは、「死ぬ」「往ぬ」「ある」「蹴る」は四段活用ではない!ということを覚えておいてください。
「実は四段活用」のパターン。
逆に、四段活用動詞でないと勘違いしやすい動詞です。現代語から考えると四段活用でないように感じられます。
- 飽く(あく) →カ行四段活用
- 借る(かる) →ラ行四段活用
- 足る(たる) →ラ行四段活用
これらの動詞に打ち消しの助動詞「ず」をつけてみましょう。現代の言葉と同じように考えると、「ず」を後ろにつけたら「飽きず」「借りず」「足りず」かな?と思ってしまいがちですが、古文では「飽かず」「借らず」「足らず」となります。
このように、現代の言葉の感覚で答えると間違えてしまうような問題は受験に頻出なので特に注意して覚えておくようにしましょう。
練習問題を解いてみよう
では、ここまでで学習したことを使って、少し問題を解いてみましょう。
問1 次の文から四段活用の動詞を抜き出し、活用の種類を答えよ。
一事を必ずなさむと思はば、他の事の破るるをもいたむべからず、人のあざけりをも恥づべからず。(徒然草)
現代語訳:一つのことを必ずやりとげようと思うならば、他のことが完成しないことをも悲しんではならない。人の軽蔑も恥ずかしがってはならない。
問2 次の動詞のうち、四段活用のものはどれか、すべて選べ。
行く、死ぬ、蹴る、祝ふ、変はる
どうでしたか?わからなかったという人は、もう一度読んでおさらいしてみましょう。古文は繰り返しに解いていくと自然とできる科目だったりするので焦らずじっくりとやっていきましょう。
まとめ
四段活用で受験に必須なのは次のポイントです。
・四段活用かどうか見分けるときは動詞の後ろに「ず」をつけてみる
→「思はず」のように、「ず」の前が「アの段」の音になっていれば四段活用
・例外は「死ぬ」「往ぬ」「あり」「蹴る」の4つ
・「飽く」「借る」「足る」など、現代の言葉遣いと異なるものに注意
古典文法では、これからたくさんの活用を学習していきます。あとで混乱してしまわないように、まずはひとつひとつ基本を押さえていきましょう。本日はお疲れ様でした。
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