日本のバイオームについて入試問題付きで解説します!【生物基礎】

日本に見られるバイオームにはどのようなものがあるでしょうか。日本は、どこでも十分な降水量があります。

 

そのため、大体は各地には気温に応じた森林のバイオームが広がっています。入試問題では日本の垂直分布や水平分布についての問題が出ることがあります。

 

この記事の最後には、入試問題がついてきます。是非最後まで読んで、理解度を入試問題で確認してみてください。

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日本のバイオーム

日本は、標高の高い山脈が南北に広がっている地形をしています。

 

そのため、緯度や標高に応じて気候に違いが生まれます。日本は、大体どこでも十分な降水量があるため、気候的には森林が広がります。

緯度の変化に応じてみられるバイオームの分布を、水平分布といいます。標高に応じてみられるバイオームの分布を、垂直分布といいます

 

横に広がるバイオームが水平分布、縦に伸びるバイオームが垂直分布です。

水平分布

日本のバイオームは、降水量が十分なので、バイオームの水平分布は気温によって決まります。

 

南から順に

 亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林

となります。

亜熱帯多雨林

琉球列島や小笠原諸島では、亜熱帯多雨林がみられます。

 

ビロウ・アコウ・ヘゴなどが生育します。

 

河口には、マングローブ林が見つかります。

照葉樹林

九州・四国から本州中洲にかけては、照葉樹林が広がります。

 

クチクラ層の発達した葉を持つ、シイ類・カシ類・タブノキ・ヤブツバキなどの常緑広葉樹からなります。

夏緑樹林

本州東北部から、北海道の南西部にかけては夏緑樹林が広がります。

 

日本では、ブナ・ミズナラ・カエデなどの落葉広葉樹がみられます。

針葉樹林

北海道東部では、常緑の針葉樹林がみられます。

 

エゾマツ・ドドマツなどが生育します。

垂直分布

標高が100m増すごとに、気温は0.5〜0.6度ほど下がります。

 

温度が下がるにつれて、バイオームも変化します。

 

下から順に

 丘陵帯 → 山地帯 → 亜高山帯 → 高山帯

となります。

丘陵帯

海抜700mぐらいまでは、丘陵帯といいます。

 

シイ類・カシ類を中心とした照葉樹林が広がります。

山地帯

海抜1700mくらいまでは、山地帯といいます。

 

ブナやミズナラなどの夏緑樹林が広がります。

 

亜高山帯

 

海抜2500mくらいまでは、亜高山帯といいます。

 

シラビソ・コメツガなどの針葉樹林が広がります。

 

亜高山帯の上限を森林限界といい、これより高いところには森林ができません。

高山帯

森林限界より上の地帯を、高山帯といいます。

 

ハイマツやコケモモなどの低木林や、お花畑が広がります。

入試問題にチャレンジ

日本列島は降水量が十分であるために、バイオームの水平分布の決定要因は主に(A)であり、緯度の高低に応じて異なるバイオームが分布している。

したがって、南西日本の低地にはスダジイ・ タブノキ・(ア)などを優占種とする(B)が成立し、これは常緑広葉樹林ともよばれ、これらの葉にはクチクラ層が発達し、かたく、光沢があるという特徴をもっている。

本州東北地方と北海道南部にかけての低地には、(イ)・ミズナラなどを優占種とする(C) が成立し、これらは冬季に(D)するところから落葉広葉樹林ともよばれる。

北海道東部には(ウ)・エゾマツなどを優占種とする常緑の(E)が成立している。水平分布と同様に、これらのバイオームの配列は標高の違いによってもみられ、これを(F)という。

たとえば、山岳地帯では、海抜800mまでの丘陵帯にはクスノキ・(ア)などの(B)が、海抜800~1600mまでの(G) にはミズナラ・コナラ・(イ)などの(C)が成立している。

海抜1600~2500mまでの亜高山帯にはシラビソ・コメツガなどの(E)が成立し、この上限を(H)という。

さらに、その上部は(I)とよばれ、草本の高山植物である(エ)・(オ)などがバイオームをつくる(J)が形成され、お花畑ともよばれる美しい景観が展開する。
(名城大2004 改)

問1  文中の(A)~(J)に適切な語を,以下の指定された選択肢よりそれぞれ選べ。

Aの選択肢

  • ① 年間日照量
  • ② 降雪量
  • ③ 年間平均気温

B・C・E・Jの選択肢

  • ① 照葉樹林
  • ② 針葉樹林
  • ③ 混交林
  • ④ 夏緑樹林
  • ⑤ 亜熱帯多雨林
  • ⑥ 雨緑樹林
  • ⑦ 硬葉樹林
  • ⑧ ステップ
  • ⑨ サバンナ
  • ⓪ 高山草原

Dの選択肢

  • ① 冬眠
  • ② 群系分布
  • ③ 開花
  • ④ 落葉

F・G・H・Iの選択肢

  • ① 垂直分布
  • ② 群系分布
  • ③ 高山草原
  • ④ 丘陵帯
  • ⑤ 山地帯
  • ⑥ 中山帯
  • ⑦ 高山帯
  • ⑧ 森林限界
  • ⑨ 氷雪帯
  • ⓪ ツンドラ
A:③ B:① C:④ D:④ E:② F:① G:⑤ H:⑧ I:⑦ J:⓪
日本のバイオームは、降水量が十分なので、バイオームの水平分布は気温によって決まります。
水平分布は、
亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林
垂直分布は、
丘陵帯 → 山地帯 → 亜高山帯 → 高山帯
となります。

問2 文中の(ア)~(オ) には、適切な植物名を①~⓪からそれぞれ選び記号で答えよ。

  • ① サザンカ
  • ② ヤブツバキ
  • ③ ススキ
  • ④ シバ
  • ⑤ ブナ
  • ⑥ クロマツ
  • ⑦ ハイマツ
  • ⑧ ソテツ
  • ⑨ コケモモ
  • ⓪ トドマツ
ア:② イ:⑤ ウ:⓪
エ:⑦ オ:⑨ (⑦・⑨順不同)

まとめ

・水平分布は、緯度の変化に応じてみられるバイオームの分布。

 

    亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林

 

・垂直分布は、標高に応じてみられるバイオームの分布。

 

    丘陵帯 → 山地帯 → 亜高山帯 → 高山帯

 

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コメント

  1. […] 世界にはどのようなバイオームがあるかをまとめます。日本については「日本のバイオームについて入試問題付きで解説します!【生物基礎】」があるのでこちらを読んで下さい。 […]

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