必要条件、十分条件、必要十分条件とは何か?実際に問題を使って理解する。【数学IA】

みなさん、こんにちは。「数学IA」の今回のテーマは、集合と論理の必要条件・十分条件です。おそらくみなさん、こう思っていませんか?

 

たなか君
たなか君
必要条件?十分条件?どっちがどっち?わからん!

 

わからなくなるのは、表面的に暗記しようとするからです。一度きちんと掘り下げて考え、「必要」と「十分」の意味を理解し、自分の中に定着させることが大切です。

 

応用問題が出ても、一歩ずつ進む気持ちで、少しずつ、でも確実に問題文の意味を理解すれば、必ず解けます。

 

この分野は、センター試験の数学IAで、ほぼ毎年出題される重要な単元です。でも、先程も述べたとおり、応用問題もひとつずつ意味を押さえていけば難しくありません。

 

意味を理解し、少し練習をすれば、必ず自分のものにできます!

今回の記事のポイント・十分条件とは何か、定義がわかる

・必要条件とは何か、定義がわかる

・必要十分条件とは何かがかわかる

・過去問を使って、必要条件、十分条件の問題を解くことができる。

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必要条件とは?必要条件の定義

まずは、必要条件の定義を確認します。

 

「\(p\) ならば\(q\)(\(p\text{⇒}q\))」が成立するとき、\(q\) は\(p\) であるための必要条件である。

 

例えば、「\(x=3\) ならば\(x^2=9\)」の場合、「\(x^2=9\) は\(x=3\) であるための必要条件」です。でも、これだけで理解するのは難しいので、言葉に置き換えて考えてみます。

 

「猫」と「動物」で置き換えます。猫は動物の一種なので、「猫である」ならば「動物である」です。つまり、「猫である ⇒ 動物である」です。

 

これを定義に沿って考えます。定義は、「『\(p\) ならば\(q\)(\(p\text{⇒}q\))』が成立するとき、\(q\) は\(p\) であるための必要条件である」でしたね。「猫」と「動物」の例だと、

 

「猫である ⇒ 動物である」が成り立つので、「動物である」ことは「猫である」ための必要条件である。

 

ということになります。

 

えっ?だからどういうこと??
たなかくん
たなかくん

先ほども言いましたが、猫は動物の一種なので、動物でない猫などいません。つまり、「猫である」ためには、「動物である」ことが必要不可欠なのです。

 

「猫である ⇒ 動物である」が成り立つので、「動物である」ことは「猫である」ための必要条件である。

 

これが、必要条件の「必要」という意味です。

 

 

まず、条件\(p, q\) を満たす要素の集合を、それぞれ集合\(P, Q\) とします。「\(p\) ならば\(q\)(\(p\text{⇒}q\))」が成り立つとき、集合\(Q\) は集合\(P\) を包含します。「動物」は「猫」を包含しています。

必要条件の定義をまとめます。

「\(P\subset Q\)」が成り立つとき、「\(p\text{⇒}q\)」であり、\(q\) は\(p\) であるための必要条件である。

 

この定義を、言葉に置き換えた例や図と一緒に覚えましょう。言葉の例は、自分が楽しくなるものを考えると、より覚えやすくなるのでオススメです。

 

十分条件とは何か?十分条件の定義

十分条件も、必要条件と同じように「猫」と「動物」に置き換えて考えます。「猫である ⇒ 動物である」です。

 

例えば、あなたが「何か動物を飼いたいなぁ。」と思っているとします。誰かにアドバイスを求めると、「猫で十分でしょ。」と言われます。

 

言葉の意味を考えると、包含関係の図も想像できると思います。「〇〇で十分」という言葉には、ライオンとか象とか犬とか、もっと刺激的なものもたくさんいる「動物」の大きな枠から、あなたの要望を十分満足させるであろう「猫」という、より小さな枠に限定するという意味があります。

 

では、十分条件についてまとめます。

「\(P\subset Q\)」が成り立つとき、「\(p\text{⇒}q\)」であり、\(p\) は\(q\) であるための十分条件である。

 

最後の赤字の部分、必要条件とは\(p\) と\(q\) が逆になっていることに注意してください。

必要条件+十分条件=「必要十分条件」!!

最後に出てきた、この「必要十分条件」というのは、まさに必要条件・十分条件の両方を満たしているというものです。両方を満たすというのは、「\(p\text{⇒}q\)」も「\(p\text{⇐}q\)」も成り立つということです。

 

ではこのとき、集合\(P\) と集合\(Q\) の関係はどうなるでしょう?
E先生
E先生

 

集合\(P\) と集合\(Q\) は同じになります。同値とも言います。

\(P\)と\(Q\) が同じであるとき、「\(p\text{⇔}q\)」であり、\(p\) は\(q\) の必要十分条件・\(q\) は\(p\) の必要十分条件である。

 

必要条件と十分条件の過去問を解く!

それでは、過去に出題された問題を解いてみましょう。

例題実数\(x\) に関する2つの条件\(p, q\) を
\(\hspace{5mm}\)\(p\text{:}x=1\)
\(\hspace{5mm}\)\(q\text{:}x^2=1\)
とする。また、条件\(p, q\) の否定をそれぞれ\(\overline{p}, \overline{q}\) で表す。次の(ア)~(エ)にあてはまるものを、下の⓪~③のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
\(\hspace{5mm}\)\(q\) は\(p\) であるための(ア)
\(\hspace{5mm}\)\(\overline{p}\) は\(q\) であるための(イ)
\(\hspace{5mm}\)(\(p\) または\(\overline{q}\))は\(q\) であるための(ウ)
\(\hspace{5mm}\)(\(\overline{p}\) かつ\(q\))は\(q\) であるための(エ)⓪必要条件だが十分条件でない
①十分条件だが必要条件でない
②必要十分条件である
③必要条件でも十分条件でもない
[2017 センター本試]

\(x^2=1\) ⇔ \(x=\pm1\) より、\(q\text{:}x=\pm1=x=1\text{または}x=-1\)
\(\overline p\text{:}x\neq1\)
\(\overline q\text{:}x\neq1\text{かつ}x\neq-1\)

 

それぞれの命題の真偽を考えます。

\(\hspace{5mm}\) (ⅰ) \(p\text{:}x=1\) ⇒ \(q\text{:}x=\pm1\) は成り立つが、逆は成り立たない。
\(\hspace{5mm}\) (ⅱ) \(\overline p\text{:}x\neq1\) ならば\(q\text{:}x=\pm1\) は両方向成り立たない。
\(\hspace{5mm}\) (ⅲ) (\(p\) または\(\overline{q}\text{:}x\neq-1\))より、(\(p\) または\(\overline{q}\))ならば\(q\) は両方向成り立たない。
\(\hspace{5mm}\) (ⅳ) (\(\overline{p}\) かつ\(q\text{:}x=-1\))より、(\(\overline{p}\) かつ\(q\))ならば\(q\) は成り立つが、逆は成り立たない。

 

図を描いてみると

よって、


(ⅰ) ⓪必要条件だが十分条件でない
(ⅱ) ③必要条件でも十分条件でもない
(ⅲ) ③必要条件でも十分条件でもない
(ⅳ) ①十分条件だが必要条件でない

頭がこんがらがりそうなときは、面倒でも図を描くのが確実で近道です。

 

最後に二次試験で出された問題です。

例題整数\(n\) を自然数\(m\) で割った余り\(r(0\text{≦}r\text{≦}m-1)\) を\(n\)mod\(m\) と書く。\(x, y\) は\(0\) 以上の整数として、次の\(8\) つの条件のうち、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) の必要十分条件であるものをすべてあげよ。
\(\hspace{5mm}\)(A) \(x+y\) は奇数である。
\(\hspace{5mm}\)(B) \(x+y\) は偶数である。
\(\hspace{5mm}\)(C) \(xy\) は奇数である。
\(\hspace{5mm}\)(D) \(xy\) は偶数である。
\(\hspace{5mm}\)(E) \(3x+7y\) は偶数である。
\(\hspace{5mm}\)(F) \((x+1)y^2\) は奇数である。
\(\hspace{5mm}\)(G) \(x+y\) および\(xy\))はともに偶数である。
\(\hspace{5mm}\)(H) \(xy\) は\(4\) で割り切れない偶数である。
[2009年慶応大]

まず、この設問におけるルールを理解することが大切です。

 

整数\(n\) を自然数\(m\) で割った余り\(r(0\text{≦}r\text{≦}m-1)\) を\(n\)mod\(m\) と書くということでした。このルールを踏まえて、\(x\) mod \(2=\)\(y\)mod\(2\) というのがどういう意味を表しているのかを掘り下げて考える必要があります。

 

\(m=2\) より、整数\(x, y\) を\(2\) で割った余りについて考えています。よって、余り\(r\) は\(0, 1\) しかありえません。では、余り\(r\) が\(0, 1\) というのは、それぞれどういうときでしょうか。

 

\(r=0\) のとき、\(2\) で割った余りが\(0\) ということなので、元の整数は偶数です。\(r=1\) のときは、元の整数は奇数ということになります。

 

さらに、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) とあるので、余りは同じ、つまり、\(x, y\) はともに偶数か、ともに奇数ということです。

 

では、それぞれの条件を見てみます。

 

(A) \(x+y\) は奇数である。
\(x, y\) はともに偶数か、ともに奇数でした。ある2つの整数の和は、偶数・奇数が一つずつの場合は奇数となりますが、偶数と偶数、奇数と奇数の場合は、偶数になります。よって、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(A)は成り立ちません。

 

(B) \(x+y\) は偶数である。
上記より、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(B)は成り立ちます。では、その逆は成り立つか考えます。

 

(A)の条件のときにも述べたとおり、ある2つの整数の和が偶数になるのは、2つの整数が偶数と偶数、あるいは奇数と奇数の場合のみです。つまり、\(x, y\) はともに偶数かともに奇数なので、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2=0\)あるいは\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2=1\) となり、(B)が成り立つとき、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) も成り立ちます。

 

(C) \(xy\) は奇数である。
\(x, y\) がともに奇数のときは\(xy\) は奇数になりますが、ともに偶数のときは\(xy\) は偶数なので、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(C)は必ずしも成り立ちません。

 

この問題では、必要十分条件を探しているので、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(C)は必ずしも成り立たないとわかった今、これ以上考える必要はありませんが、せっかくなので逆も考えてみます。

 

ある2つの整数の積が奇数となるのは、2つの値が奇数と奇数の場合のみです。少なくとも片方が偶数の場合、積は偶数になります。よって、\(x, y\) はともに奇数とわかります。よって、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) となり、(C)は\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) の必要条件とわかります。

 

(D) \(xy\) は偶数である。
\(x, y\) がともに奇数のときは\(xy\) は奇数になるので、(C)と同様に、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(D)は必ずしも成り立ちません。

 

せっかくなので、今回も逆を考えてみます。ある2つの整数の積が偶数となるのは、少なくとも片方が偶数であるときです。つまり、偶数と偶数の積、奇数と偶数の積は、どちらも偶数となり、必ずしも\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) は成り立ちません。

 

(E) \(3x+7y\) は偶数である。
え、係数があるの?と思ったかもしれませんが、これも一つずつ考えていきます。

 

\(x, y\) の係数はどちらも奇数です。ということは、\(x, y\) がともに偶数の場合、\(3x+7y\) は偶数になります。\(x, y\) がともに奇数の場合、\(3x, 7y\) はそれぞれ奇数となり、和は偶数になります。よって、\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) のとき、(D)は成り立ちます。

 

では逆はどうでしょうか。\(3x+7y\) が偶数となるためには、\(3x, 7y\) が、ともに偶数、あるいはともに奇数のときです。よって、\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) が成り立ちます。

 

(F) \((x+1)y^2\) は奇数である。
まず、\(x+1\) と\(y\) の関係について考えます。\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) のとき、\(x, y\) はともに偶数か、ともに奇数でした。ということは、\(x\) が偶数のとき\(x+1\) は奇数、\(x\) が奇数のとき\(x+1\) は偶数となり、\(x+1, y\) は一つが偶数、一つが奇数となります。ある複数の整数の積は、その複数の値のうち1つでも偶数が含まれていれば、偶数になります。よって、\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) のとき(F)は成り立ちません。

 

では逆も考えます。ある複数の整数の積が奇数となるのは、その複数の値がすべて奇数のときです。ということは、\(x+1, y\) のどちらも奇数となり、\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) は成り立ちません。

 

(G) \(x+y\) および\(xy\))はともに偶数である。
(B)より、「\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\)」⇔「\(x+y\) が偶数である」でした。なので、この(G)の条件としてはなんら影響をおよぼしません。となると、関係は(D)と同じということになります。

 

(H) \(xy\) は\(4\) で割り切れない偶数である。
\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) のとき、\(x, y\) はともに偶数か、ともに奇数でした。\(x, y\) がともに偶数のとき、\(xy\) は偶数ですが\(4\) で割り切れてしまい、反対に、ともに奇数のときは\(4\) で割り切れませんが\(xy\) は奇数です。よって、\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) のとき(F)は成り立ちません。

 

逆も考えます。\(xy\) が\(4\) で割り切れないためには、\(x, y\) はともに奇数であるか、片方が奇数でもう一方が\(2\times\) 奇数で表される偶数の組み合わせになります。前者の場合は、\(4\) で割り切れませんが、偶数にはなりません。後者の場合には、\(x\)mod\(2=y\)mod\(2\) が成り立たず、(H)が成り立つとき、必ずしも\(x\)mod\(2=\)\(y\)mod\(2\) は成り立たないことがわかります。

よって、答えは、


(B)と(E)

 

以上です。

まとめ

頭がこんがらがりそうな出題ばかりですが、ひとっとびに解答に辿り着こうとせず、必要に応じて図を描きつつ、一つ一つ結び目をほどくような気持ちで挑むと、難しいことはありません。まずは、図を描いて定義を確実に覚えることです。一歩ずつ行きましょう!

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